小田原市のSDGsは市民・企業・団体とともに人と地域の未来を考えること

小田原市のSDGsは市民・企業・団体とともに人と地域の未来を考えること

2023.09.11(最終更新日:2023.11.13)
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神奈川県西部に位置する小田原市はさまざまな取組でSDGsに貢献しており、それらは国からも高い評価を受けています。今回は、小田原市未来創造・若者課の鈴木さんに、小田原市が取り組んでいるSDGsの具体的な活動やSDGsへの想い、今後の展望などをお聞きしました。

小田原市は市全体が1つになりSDGsや地域社会を考えている

SDGsへの取組に力を入れている小田原市とは、いったいどのような街なのでしょうか。ここでは小田原市の特色と、SDGsへの取組の概要について聞いていきます。

SDGsに取り組む小田原市は地域資源や交通の利便性に富んだ街

───本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介と、小田原市のご説明をお願いします。

鈴木さん 私は小田原市役所 未来創造・若者課の鈴木と申します。小田原市は、人口19万人弱、神奈川県西部に位置する市です。
森里川海オールインワンの自然環境や多彩な文化・生業、北条五代をはじめとした歴史など、豊富な地域資源に恵まれています。また、小田原駅には鉄道会社5社6路線が乗り入れており、新幹線を使えば東京駅から約35分で訪れることができるなど、交通の利便性が高い街でもあります。

「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」への選定を契機にさまざまな取組を開始

───小田原市はSDGsに対するさまざまな取組をされていますが、取組の概要を教えてください。

鈴木さん 経済・社会・環境の三側面をつなぐ取組として、現場での学びと実践の循環により人材・担い手の育成と地域課題の解決を目指す「おだわら市民学校」など、持続可能な地域社会の実現に向けたこれまでの取組が評価され、2019年7月、国から「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。

選定されたことを契機に、民主体の「おだわらSDGs実行委員会」を組織するとともに、SDGsの理念に賛同し、SDGsに関連する取組を行う企業・団体などを「おだわらSDGsパートナー」として登録する制度の運営を開始しました。
おだわらSDGs実行委員会が中心となり、おだわらSDGsパートナーとともに、SDGsの達成と持続可能なまちづくりに向けて多くの取組を進めています。具体的な取組としましては、SDGsを体感できる各種イベントの開催、SDGsの取組を紹介する出前講座、SDGs普及啓発冊子の発行、SDGs体感事業「おだちん」などがあります。

キービジュアルを小田原市街に展開している

───「Think MIRAI 小田原から未来を考える」のキービジュアルを拝見しましたが、SDGsに取り組んでいることがひと目でわかる素晴らしいデザインだと思いました。どのような想いを込めたデザインなのですか?

鈴木さん キービジュアルを作成するにあたっては、SDGs未来都市である小田原の取組を通じて、世界や未来について考え、行動するために、未来への想いが幾重にも重なっている状況をイメージしました。

多くの市民や観光客が利用する小田原駅を中心に、シティドレッシング(PRのために施設の壁面などを使って街全体を装飾すること)を展開しています。

おだわらSDGs実行委員会を中心にSDGsのさまざまな取組をしている

豊富な地域資源や便利な住環境を備えた小田原市は、国からも評価されたさまざまなSDGsへの取組を行っていることがわかりました。ここでは取組の具体的な内容について詳しく聞いていきます。

「Think MIRAI 小田原から未来を考える」でさまざまな普及啓発活動をしている

───ここからは、SDGsへの具体的な取組について聞いていきます。まずは「Think MIRAI 小田原から未来を考える」に関連した取組からお聞かせいただけますか?

鈴木さん 小田原市では、2019年10月に民主体で組織した「おだわらSDGs実行委員会」を中心に、小田原市とともに取り組む「おだわらSDGsパートナー」の皆様とSDGsを「楽しむ・学ぶ」を共通テーマとして、「Think MIRAI 小田原から未来を考える」を旗印に、SDGsの普及啓発を進めています。

具体的な取組としては、SDGsが国連で採択された9月25日に合わせ、みんなでSDGsに触れ、アクションに繋げる「おだわらSDGsデイ2022」を昨年度初めて開催しました。
このイベントでは「SDGsで叶うわたしたちの未来」をテーマに、黒板壁紙を活用した「ライブチョークアート」、理想の2030年とその先を考えていく若者によるラジオ番組「SDGsユースレイディオ」の公開収録を行いました。また、「おだわらSDGsパートナー」の皆様と協力し、SDGsを体感できるアトラクションや体験ブースも用意しました。

SDGsの未来を担う世代への取組にも力を入れている

───小学生から高校生の年代に向けた取組にも力を入れているとお聞きしていますが、どのような取組なのでしょうか。

鈴木さん 夏休みの小・中学生を対象に、「みんなでSDGsを学ぼう!~SDGsパートナーが先生に!~」と題し、SDGsを体験できるワークショップなどを開催しています。このワークショップでは「おだわらSDGsパートナー」を「先生」として迎えています。

さらには、SDGsの目標年次である2030年に主役の世代となる中学生や高校生に対し、積極的に情報を発信することを目的にした取組も進めています。
具体的には、「おだわらSDGsパートナー」の企業等が職場訪問や職場体験を受け入れたり、中学校や高校での出前講座に講師として参加したりするなど、地域や働くことに対する若者の理解を深めてもらうため、次世代との関係づくりにも努めています。

───情報発信に力を入れているのですね。

鈴木さん 小田原市では、小田原市におけるSDGsのさまざまな取組をまとめ、周知するための冊子「Think MIRAI 小田原から未来を考える」を発行しています。

また、中学生をメインターゲットとして、身近なところからSDGsについて知ることができ、教育現場でも活用できる「中学生向けSDGsガイダンスリーフレット」の発行も行っています。

「Think MIRAI 小田原から未来を考える」「中学生向けSDGsガイダンスリーフレット」はどちらもホームページからダウンロードいただけます。

▼ダウンロードはこちら
「SDGs未来都市おだわらブック」第4弾が完成しました! – Think MIRAI(おだわらSDGs)

「おだちん」でSDGsに取り組むきっかけを提供している

───スマートフォンのアプリを活用した「おだちん」について教えてください。

鈴木さん 「おだちん」は、神奈川県の「つながりポイント事業」と連携し、スマートフォンなどの「まちのコイン」というアプリを使ってポイントをやり取りすることで、SDGsを知らない人や難しいと感じる人にも「すでにその取組を行っている」ことを感じてもらい、人と人のつながりを深めながらポイントのやり取りを活発にすることで、SDGsの取組を進めていく事業です。
ポイントのやり取りといったゲーム感覚で気軽に始められることもあり、おかげさまで5,300人以上の方にご利用(アプリダウンロード)いただいています。

小田原市はこれからもSDGsへの関心を広げる取組を続けていく

小田原市が取り組んでいるSDGsの活動は、若い世代に向けたものやユニークなものなど、幅広くさまざまなものがありました。ここでは、小田原市の取組の展望やSDGsへの想いについて伺います。

取組を通じて子どもたちや市民の関心の広がりを感じている

───小田原市のSDGsへの想いや、今後の展望などをお聞かせください。

鈴木さん おだわらSDGsデイ2022には、子どもから大人までおよそ800人もの方にご来場いただき、皆さんがSDGsに触れ、次のアクションにつなげるきっかけになったのではと考えています。2023年度も9月23日に開催予定ですので、昨年同様、またはそれ以上の方にご来場いただければ嬉しいです。

「みんなでSDGsを学ぼう!~SDGsパートナーが先生に!~」も、2023年度は申込開始当日に定員に達してしまったものがあるほど盛況です。子どもにSDGsについて伝えたい親御さんはもちろん、子どもたち自身にもSDGsへの関心が広がっていると感じています。

───取組を通じて、世界のこれからを担っていく子どもたちのSDGsへの関心の高まりを実感できるのは嬉しいですね。

鈴木さん 「おだわらSDGsパートナー」に登録している企業・団体は現在312者です。こういった状況や数字からも、SDGsに対する市民の関心の広がり、理解の深まりを感じています。

今後も、各事業・取組をさらに深化させていきたいと考えています。

SDGsは難しいことではなく身近なことから取り組める

───最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

鈴木さん SDGsの認知度は高まっていますが、「知らない」「難しい」と感じている人はまだまだ多いと思います。
しかし、良く言われることですが、「ごみを分別する」「マイボトルやエコバッグを持参する」「食べ残さない」など、普段皆さんが行っていることがSDGsにつながっています。身近に、簡単にできることから取り組んでいきましょう。

「Think MIRAI」。引き続き、小田原市から未来を考えていきます。

小田原市はこれからもSDGsと市民の未来を考えていく

豊かな自然と都市の利便性が同居している小田原市のSDGsへの取組は、非常に素晴らしいものがあると感じました。市民・企業・団体が一体となった取組が、国から高い評価を受けているのも納得です。

これからも街や市民を牽引してSDGsに取り組む小田原市の活動に注目していきたいと思います。
小田原市の取組に興味がある方は、ぜひ1度ホームページを覗いてみてください。

▼Think MIRAIのホームページはこちら
Think MIRAI(おだわらSDGs)

▼小田原市のホームページはこちら
小田原市

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。
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