Earth CompanyのSDGsは次世代のヒーローを支援して未来を創ること

Earth CompanyのSDGsは次世代のヒーローを支援して未来を創ること

2023.09.07(最終更新日:2023.11.13)
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日本とインドネシアを拠点にアジア太平洋地域で人や社会、地球環境を考えた活動を展開しているEarth Companyは、さまざまな取り組みでSDGsに貢献しています。今回は、マーケティングマネージャーの樋口さんに、Earth Company設立の経緯や活動内容、人や社会、環境への取り組みやSDGsへの想いまで伺います。

Earth Companyはリジェネラティブ(再生的)な未来のために人や環境に支援している

SDGsへの取り組みもされているEarth Companyですが、いったいどのような団体なのでしょうか。ここでは、Earth Companyの設立の経緯や活動の概要、運営されている人たちについてお聞きします。

社会起業家との出会いをきっかけにバリ島と日本で活動している

───本日はよろしくお願いします。まずは、Earth Companyの概要と、設立の経緯についてお聞かせ下さい。

樋口さん Earth Companyはバリ島のオフィスと、フルリモートの環境で実質的なオフィスがない日本支部の2拠点で活動している団体です。発足は2014年の10月で、濱川明日香と知宏の夫婦で立ち上げた団体になっています。濱川明日香がハワイ大学の修士過程で気候変動研究をしていた頃、後にインパクトヒーローとして選出することになる社会起業家と出会い、その社会起業家を支援したいという想いで立ち上げたのがきっかけです。

次世代につなぐ未来のためのミッションで3つの取り組みをしている

───事業を行うにあたってのミッションを拝見したのですが、このミッションについてご説明いただけますか?

樋口さん 私たちは、「次世代につなぐ未来のために、人類と地球が共繁栄するリジェネラティブなあり方を追求する」というミッションを掲げ、3つの取り組みを基に全ての事業を行っています。例えば、気候変動など、1つの国では解決できない社会課題が数多くありますが、問題や課題を生み出しながら解決していくというのは、とても多くのエネルギーを使います。

そこでリジェネラティブという概念が大切になってくるのですが、リジェネラティブというのは農業分野で最初に使われるようになった言葉です。パタゴニアさんがリジェネラティブ・オーガニックのアイテムを生産されていますが、有機物を分解して表土にする微生物を増やし活発化させ、土壌を再生させるだけでなく、気候変動の原因となる大気中の二酸化炭素を土壌中により多く貯留させる農法です。リジェネラティブという言葉は、農業から発展をして、そういった再生させるという意味で世界的に注目されはじめています。

───3つの取り組みに関連する事業をそれぞれ教えてください。

樋口さん まず1つ目の、「インパクトヒーロー支援事業」は、「この人を支援すれば、リジェネラティブな未来を作ることができるだろう」というチェンジメーカーを、アジア太平洋地域から毎年選出して伴走支援をする事業です。

2つ目の「インパクトアカデミー」という、リジェネラティブな未来を作る人材の育成プログラムを、日本を始めとしたアジアの企業や学校(中・高・大学生)に提供しています。

3つ目のエシカルホテル「Mana Earthly Paradise」はバリ島で2019年から始めた事業です。エコという言葉には環境に対してのみポジティブなイメージがあると思いますが、エコホテルではなく、あえてエシカルホテルと言っているのは、ホテルがあることによって、環境だけではなく地域社会や人も良くなっていくことを目指しているためです。

従来の世界というのは社会・環境課題を生まないと発展できませんでした。それに対してサステナブルやSDGsという言葉が普及してきて、少しずつ企業や行政といった組織の中でも、サステナブルな世界に移行していこうというフェーズに入っています。

現在ではNet Zero(温室効果ガスを差し引きゼロにすること)のように、生み出した課題をプラマイゼロにする取り組みが行われていますが、実現するためにはとてもエネルギーを使います。だからこそ、私たちは、リジェネラティブという概念を通じて、新たな課題を生みださず、社会の発展が相乗効果を持って人々、また人と地球が共繁栄するあり方を目指しています。

現地の人や女性を積極的に登用している

───人と社会、地球環境を包括的に考えることは、これからの世界で大切なことですね。人というところに関して、Earth Companyはどのような人たちによって運営されている団体なのですか?

樋口さん 日本とバリ島でそれぞれ別のチームで働いています。私たちが運営しているエシカルホテルでは必ず現地の方を採用するようにしているのですが、やはり現地で雇用を生み出すことはとても重要だと考えていますので、ここは徹底して行っています。
日本の社会はまだまだ女性幹部の方というのは少ないと思いますが、Earth Companyでは女性幹部率がかなり高いです。また、インターンの方もさまざまな国の学生が参加してくださっています。

未来の人材支援や体験型の取り組みで人や環境へ貢献している

リジェネラティブな未来のためにさまざまな活動を行っているEarth Companyですが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか。ここでは、Earth Companyが行っている具体的な活動や取得したサステナブル認証について伺います。

インパクトヒーロー支援事業で未来を変革し得る人材を支援している

───アジア太平洋地域から選出する、インパクトヒーロー支援事業というものがあるとお聞きしましたが、具体的にどのような事業なのですか?

樋口さん インパクトヒーローというのは、未来を変えるほどの並外れたポテンシャルのある傑出したチェンジメーカー(社会課題を解決し社会に変化をもたらす人)です。アジア太平洋地域から1年に1度、厳選しています。
さらに「ヒーロー・オブ・ザイヤー」に選ばれた1人には、1000万から3000万円ほどのファンドレイジング(民間非営利団体が行う資金調達)を行っているのですが、それ以外にもマーケティング支援やビジネスデベロップメント(新規事業開発)に関する支援など、彼らが求めているものをしっかり把握して必要な支援を届ける事業になっています。

───未来を変えるリーダーとなり得る人材への支援は、とても有意義で素晴らしいものですね。実際インパクトヒーローに選ばれた方には、どのような方がいらっしゃるのですか?

樋口さん では、これまでに支援してきたインパクトヒーローの方を一部ご紹介します。Earth Companyの創設のきっかけでもあり、最初に支援を始めたベラ・ガルヨスは映画にできそうなほどの背景を持っていて、少女兵から亡命を経て、東ティモールの独立運動を牽引しインドネシアからの独立を助けた女性です。彼女は、東ティモールが独立した後、教育を満足に提供できる機関もなく、国が荒廃し、産業がほとんど石油資源に頼っている中で何をすれば良いのかを考えました。

そして、環境教育を行うグリーンビレッジを作って、内戦という暴力のなかで生まれ育った子どもたちが「育む心」と、自然と共存する持続可能な発展の在り方を学び、地方が自然環境を活かしながら発展できる経済モデルの実現を目指しました。同時に、彼女自身も当事者である、東ティモールにいるLGBTQの人たちが虐げられている状況を見て、彼らを守るシェルターを作りました。現在は大統領直下のプロジェクトリーダーにもなっていて、女性の活躍やジェンダー平等を実現するために、現在は大統領補佐官として活動している素晴らしいチェンジメーカーです。

過去に支援したインパクトヒーローには他にも、貧しい妊産婦に無償医療を提供する活動を行っている、インドネシアのロビン・リムという助産師や、気候変動で1番最初に沈んでしまう国の1つと言われている、マーシャル諸島で活動している気候活動家のキャシー・ジェトニル=キジナーという女性、ミャンマー国軍のプロパガンダによって大量虐殺されたロヒンギャ出身の人権活動家、ウェイウェイ・ヌーという女性がいます。

───現在支援中のインパクトヒーローもご紹介していただけますか?

樋口さん アリーフ・ラビックという男性は、インドネシアに1,000の竹の村を作ることで再生経済を築くことを目指している、現在支援中のインパクトヒーローです。なぜ1,000もの竹の村を作るかというと、インドネシアが森林伐採や土地の荒廃により、気候変動の原因となる温室効果ガスを排出し続けてしまっている国であるからです。

インドネシアの温室効果ガスによる環境への影響は、インドネシア国内のみならず世界的にも課題視されています。しかし、インドネシアだけが原因というわけではなく、インドネシアと取引している国のビジネスにも原因はあります。そうした国による、インドネシアの森林を資源にするビジネスによっても、荒廃は進んでいるのです。

また、竹を植えると同時に、アグロフォレストリー(森林農法)で蒟蒻の木やモリンガの木など、さまざまな植物を植えることが生物多様性を作ることにつながり、結果として自然を回復させることになります。最終的には、竹をカットして竹材を作り、流通している木材から置き換えていくことによって、ビジネスとして成長させながら、土地も再生させていくことができるのです。

サミール・ラカーニも現在支援中のインパクトヒーローです。世界的に見ると、毎年石鹸工場などで未使用のまま捨てられる石鹸の数は2億5000万個にものぼるのですが、その捨てられるはずの石鹸を集めてリサイクルして、難民や貧困層の人たちに届けることで、命を救うという活動をしています。彼がカンボジアを旅していたとき、赤ちゃんが洗濯用洗剤で洗われていたことに衝撃を受け、本当に必要な人たちに石鹸が届いていない事実に気付きました。

しかし一方では、まだ使える石鹸が大量に廃棄されているのです。石鹸がこんなにあり余っているのになぜ必要な人たちに届けられないのか、との想いからサミールの事業は始まっています。また、石鹸をリサイクルする過程で、生活困難に陥っている女性たちを雇用する取り組みも行っています。

2023年に新たに選出された、オユンゲレル・テッデンダンバという新しいインパクトヒーローも紹介させていただきます。

モンゴルで、トイレの普及による公衆衛生の強化に取り組んでいる方なのですが、モンゴルではトイレというのはタブー視されている場所で、しかもトイレの普及率もとても低い現状にあります。子どもにとってはとても危険な場所になっていて、簡素なぽっとん便所で衛生状況も劣悪であることからトイレ由来の感染症が原因で、毎年200〜270人が亡くなっています。また、落ちて亡くなってしまう子どももあとを絶ちません。

そういった事態を改善するためにも、安全なトイレを普及させる活動を行っている女性です。彼女はもともと、2012~16年の間は国会議員を務め、文化庁・観光大臣を歴任し、モンゴル社会の持続的発展に取り組んできました。また、「Let’s Change Our Toilets (トイレを変えよう)」というキャンペーンを通じて、安全なトイレに関する教育なども含め、トイレ普及に取り組んでいます。

───皆さん素晴らしい取り組みをされていて、インパクトヒーロー支援事業がとても有意義なものになっていますね。

樋口さん はい。毎年アジア太平洋地域からとても多くのエントリーがありますが、全員を支援したくてもできない状況にあります。どれだけ社会的、環境的インパクトを最大化できるかを考え、本当に悩みながら厳選して支援をしている状況です。

現状は、1年に1度のエントリーにおいて特に優れたチェンジメーカー最大10名をインパクトヒーローとして選出し、1年間リーダーシップのトレーニングや投資家などの支援者のマッチングをさせていただいています。

また、これまでの8年間で1億円を超えるご寄付を賜り、多くの方にご支援いただきました。おかげさまで、実際にアジア太平洋8カ国で21のプロジェクトを実施して、103万人に支援を届けることができました。

インパクトアカデミーで実際に行動するまでの研修を行っている

───渡航型やオンラインでの研修が充実していると伺っています。どのようなものかお聞かせいただけますか?

樋口さん 2016年からバリ島への渡航型のスタディーツアーを実施していましたが、コロナ禍で渡航自体が難しい状況になったため、2021年にオンラインプログラムも含む「インパクトアカデミー」にという研修事業にアップデートしました。
オンライン化したことで参加者も急激に増え、現在までに100本を超える開催数となり、7,000人近い人に参加していただきました。

───インパクトアカデミーでは、どのような方が参加されているのですか?

樋口さん まず教育機関では、名門校と呼ばれているような学校から地方の公立学校まで、多様な高校や大学が主に参加されています。現在、SDGs教育は学校の教育プログラムの中に取り入れられていますが、世界規模の社会課題に対するリアルな声を届けることは難しいです。
しかしインパクトアカデミーでは、社会課題の現場で活躍するインパクトヒーローたちのリアルな活動を通じたSDGs教育を届けることができるのが大きな特徴です。

また、企業を対象としたプログラムも用意しており、有名企業をはじめとしたそうそうたる企業に導入していただいています。

───インパクトアカデミーでは、具体的にどのような取り組みがされていますか?

樋口さん ここ数年、様々な場所でSDGsを学ぶ機会は増えていますが、単にSDGsの目標17項目を覚えるだけでは何も解決につながりません。だからこそ、プログラムを進めるにあたり私たちが1番大切にしていることは、まず「心に火をつける」ということを大切にしています。
インパクトヒーローたちの取り組みの動機や背景、彼らが行ったアプローチ方法などを知ることで、心を動かし、自分にもできることがあるのではないかと思わせるためのプログラムになっています。インパクトヒーローの動画教材もありますし、場合によっては彼ら自身から声をもらうこともできるプログラムです。

また、私たちは最終的に行動に移すところまでを重視しているので、実践型のプログラムのオプションも提供しています。

自社企業の予算の都合などでプログラムの導入は難しいけれど、個人的に受けてみたいという方へは、「Regenerative Futures Camp」という社会人に向けて行っているオンライン研修もあります。

Regenerative Futures Campでは、リジェネラティブを体系的に学ぶだけではなく、アクションプランを作っていくことまで行っています。インパクトヒーローをモデルに、個人レベルや企業レベルでどのようなアクションができるのかということを、私たちも共に参加しながら進めていくというプログラムになっています。

───インパクトアカデミーは、どのように申し込めば良いのですか?

樋口さん 社会人向けの個人単位でのプログラム「Regenerative Futures Camp」はホームページからお申し込みいただけます。

▼Regenerative Futures Camp 第4期のご案内はこちら
Earth Company|Regenerative Futures Camp

企業単位でのお申し込みについては、1度ご連絡いただき、プログラムの概要説明をさせていただいてからのお申し込みという形になりますので、まずは気軽にお問い合わせいただければと思います。

次世代に未来をつなぐために体験型のさまざまな取り組みを行っている

───「Mana Earthly Paradise」(以下Mana)という、バリ島で行っている取り組みを拝見したのですが、こちらの取り組みについて教えてください。

樋口さん 私たちは「次世代につなぐ未来」というミッションを掲げていますが、どのように実現すれば良いのかは具現化しないとわかりづらいです。事業が発展すればするほど地球も人間社会も良くなっていく循環型の仕組みはどのように作れるのか、また、エコやエシカルはどうしても窮屈なことに思えてしまいやすいため、広まりにくいという想いがありました。
そこで、実際に体験して楽しんでもらうことで広めていこうと思い、Manaの取り組みを始めたのです。2019年に立ち上げたのですが、世界でサステナブルトラベルのニーズがどんどん広がっていったことも、私たちの背中を大きく押してくれました。

───実際に体験して楽しんでもらうとのことですが、具体的にはどのような体験ができるのですか?

樋口さん 大きく3つの特徴があるのですが、まず1つ目のヴィラは、土を土嚢袋に入れて用いることで、木を使わずに壁を作ることができるアースバッグ技法で建てられています。アースバッグ技法のメリットとして、外気を半日かけて室内に取り込むことで、外が暑いときは中が涼しく、外が寒いときは中が暖かくなるという効果があります。また、照明を太陽光発電で、水を地下タンクに貯水した雨水で、共に施設全体を賄っていることも大きな特徴です。

ヴィラは室内にもサステナブルな特徴があり、リースで使えるマットレスを利用していますので、建物自体を使わなくなる状況になったとしても、引き取ってもらえる仕組みになっています。トイレも、内部を分けることで少量の水でリフレッシュされる仕組みのエコトイレですし、シャワーも、空気を混ぜることで水圧をキープしつつ水の量を少なくできる、環境に優しいものです。

さらに、エコなソープやアップサイクルのグラスを使っているなど、エシカルなアイテムを取り入れることで、自分の生活をとても心地よくできることを実感していただける工夫が施されています。

2つ目の「Mana Kitchen(マナ キッチン)」は、ホテルの周りにある畑で収穫した、原種から育てたオーガニック野菜を使っているレストランです。端材や食べ残しは施設内のコンポストで循環させています。また、Mana Kitchenの柱や梁の部分には新しい木を使わず、廃棄されるローカルの建材を再利用しています。使われている木には四角いプレートが貼られていて、「どこから来た柱です」ということが書いてあるなど、取り組みが理解しやすく楽しんでもらえる工夫を随所に盛り込んでいます。

3つ目が「Mana market(マナ マーケット)」で、地域で作られ、なおかつエシカルな商品のみを厳選して販売しているお店です。

他にも、瞑想やヨガ、ワークショップなどが行えるヨガ シャラ、Mana Kitchenで利用されているパーマカルチャー ガーデン、ノマドワークなどで働く親御さんが、子どもたちが遊んでいるのを見守りながらカフェ利用できるキッズ プレイグラウンドがあります。

環境や社会課題を扱ったイベントも定期的に行っていて、アースアワーという、WWF(世界自然保護基金)が主催する企画に賛同したイベントなども実施しています。

世界的に価値が高いB Corp認証を取得している

───数々の受賞歴や認証の取得などがあるそうですが、事業を行う上で、中でも大きかったものを紹介していただけますか?

樋口さん 最近のトピックスとして1番大きかったのは、「B Corp」というサステナブル認証を取得したことです。2022年の10月に取得したのですが、日本ではこの認証を取得している企業はまだあまりなく、環境やガバナンス(企業の管理体制)、労働環境などが配慮されているかなどをチェックされる認証です。

アメリカの認証団体による認証なのですが、取得していることで世界的な信頼性を高めることができます。認証自体の取得がとても難しいこともあり、いろいろなところからインタビューなどのお声がけをいただいています。

これからも行動することを大切に、成長を続けていく

Earth Companyの人材支援や体験型の取り組みは、未来を創ることにつながる素晴らしいものですが、今後についてはどのように考えているのでしょうか。ここでは、Earth Companyの今後の展望やSDGsや地球環境に対して大切にしている想いを聞いていきます。皆さんへのメッセージもいただきました。

事業の連携が相乗効果を生み順調な成長につながっている

───渡航型の研修をはじめバリ島での取り組みをされていることで、コロナ禍は苦労もあったと思います。そこも踏まえ、今後の展望についてお聞かせ下さい。

樋口さん 新型コロナのパンデミック直後、エシカルホテルはほぼ営業できない状態でした。途中からレストランの営業をさせていただいたのですが、やはり利用者が少ない中での営業でしたし、宿泊客もほぼいなかったので本当に大変な状況が1年ほど続きました。
しかし、パンデミックが明けた今では日本からも多くの方がいらっしゃるなど、おかげさまで順調に成長していくことができています。

全ての事業がそれぞれ連携することで、事業の成長やチェンジメーカーの支援への相乗効果につなげるようにしています。パンデミックのときにはできなかったのですが、宿泊費の5%をチェンジメーカーの支援に充てる仕組みも作られていますし、今後もこうした事業を継続していきたいです。

子孫から借り受けている地球を大切にするための格言を大切にしている

───SDGsに関して、想いや大切にしていることなどがあれば教えてください。

樋口さん Earth Companyは設立時から、「この地球は、先祖から継承したのではなく、私たちの子どもたち、子孫から、借りているのです。」という、ネイティブアメリカンの格言を大切にしています。
私たち人間というのは物事を短期的に考えがちですが、今の地球は自分たちの子孫から借りているものであると思うことで、大切にできるというものです。自分たちが、どれだけ未来の世代に対してポジティブな影響をもたらせるかが、Earth Companyが存在する意義でもありますし、リジェネラティブという私たちが掲げているミッションの本質を表す言葉として、とても大切にしています。

直接ではなくとも行動に移すことが大切

───最後に、読者の皆さんへ向けてメッセージをお願いできますか?

樋口さん 私たちは、SDGsについて知るだけではなく、どのような形でも良いので行動に移すことが1番重要だと考えています。自分で直接何かを行うことは難しくても、インパクトヒーローのような、自分の代わりに世界を良くしてくれる人たちに対して支援や応援を行うことはできると思います。

また、研修プログラムを受けることによって、自分ができる取り組みがもっと具現化していくかもしれません。Mana以外にも、さまざまなエコ・エシカルなサービスがあると思うので、そういったものをまずは体験したり、投資をしたりすることが大切だと思います。

そして、自分が良いと思ったことを事業の中に落とし込んで、1つひとつ積み重ねていくこともとても大事なことですので、皆さんぜひ一緒に行動していきましょう。

───本日は貴重なお話をありがとうございました。

Earth Companyはこれからも人や環境を支援しながら未来をつないでいく

日本とバリ島で、人も環境も考えたさまざまな活動を展開しているEarth Company。未来のヒーローを支援し、SDGsを誰もがわかりやすく体験できるその取り組みは、素晴らしいものがあると感じました。

これからも子孫へとつながるリジェネラティブな未来をつくっていくEarth Cmpanyの活動に注目していきたいと思います。Earth Companyの理念や取り組みに興味がある方は、1度ホームページを覗いてみてはいかがでしょうか。

▼Earth Companyのホームページはこちら
一般社団法人Earth Company:次世代につなぐ未来のために

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。
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