株式会社シードのSDGs|コンタクトレンズを通して子どもの未来を見つめる取り組み
コンタクトレンズを通して、私たちに「みえる」の先にある喜びと感動を与える株式会社シード(以下、シード)。世界中の人々に高品質なコンタクトレンズを届けるだけではなく、環境や子どもたちの未来を守る取り組みでも知られています。
今回はコーポレートコミュニケーション部サステナビリティ推進課の及川さんに、シードの事業内容やSDGsに関わる取り組みについて詳しく伺いました。
※氏名・パーパス・ロゴについて、2025年5月時点の情報に基づいています。
目次
事業概要と主な取り組み
シードとはどのような企業なのでしょうか。まずは事業内容や、サステナビリティに関する取り組みについての概要をお聞きします。
世界で活躍するコンタクトレンズメーカー

───本日はよろしくお願いいたします。まずは、事業の概要について教えていただけますか?
及川さん 弊社はコンタクトレンズの製造販売を営んでいる国内メーカーです。多彩なラインナップの商品や医療機器の製造販売、50以上の国と地域へのコンタクトレンズの輸出を行っています。1957年の創立から数多くのコンタクトレンズを皆様にお届けしており、2027年度には創立70周年を迎えます。
売上高は2024年3月期で323億円、月間生産能力は現在6,500万枚です。弊社はコンタクトレンズを通してみえる世界を提供することが使命であり、価値であると考えています。
環境・地域・社会との調和を目指した取り組み

───サステナビリティ活動にもかなり力を入れていると伺っています。
及川さん 弊社では環境・地域・社会と調和した企業を目指して、サステナビリティ活動を行っています。まず環境に関しては、リサイクルの原材料を使用している、または第三者認証を受けた製品に対し、オリジナルのシードエコロジーマークを記載しています。他にもTCFD提言への対応やCO2排出量の削減などをKPIに定め、環境マネジメントシステムに取り組んでいます。
次に地域に関しては、皆様に気軽に参加していただけるリサイクル活動として、コンタクトレンズの空ケース(ブリスター)をメーカー問わず回収してリサイクルする「BLUE SEED PROJECT」を2019年6月から行っています。2025年3月までに累計で21,267㎏の回収をしており、地域の皆様と一緒にゼロカーボンシティに取り組んでいます。
また社会に関しては、働きやすい職場づくりやダイバーシティの推進など、社会と調和するための情報を常にアップデートしながら取り組んでいます。2024年度においては、人権デューディリジェンスに関して推進するために人権方針を策定し、ダイバーシティの推進に関してDE&I基本理念を改めて策定しました。
これはもともとあったD&I理念をアップデートし、社員一人一人にとってより働きやすい環境を作ることを目的としたものです。またLGBTQへの対応に関しては、地方自治体が発行している「パートナーシップ証明書」をもって、婚姻届と同等に扱うよう策定しました。
出前授業とBLUE SEED PROJECT
シードが展開するSDGsの取り組みの中でも特に、私たちに直接関係するものが2つあります。ここではその2つ、出前授業とBLUE SEED PROJECTについて詳しくお聞きしていきます。
楽しみながら学べる出前授業

───高校生以下の子どもたちを対象とした授業を行っているそうですが、こちらの取り組みについて詳しく教えていただけますか?
及川さん 2023年度から出前授業として、小学校・中学校・高校に実際に社員が赴いて授業をするという活動を行っております。授業内容は3つあり、まずはコンタクトレンズについての授業。そして環境問題に関する授業として、弊社が事業で扱うプラスチックについて学んでもらうために、オリジナルすごろくを扱った授業。最後は小学生向けのもので、コンタクトレンズの上蓋のアルミ部分と空箱で万華鏡を作る授業です。
それぞれ約1時間半の授業で、前段階として目が見えることの大切さやSDGsについて学んでもらった後、コンタクトレンズを触ってもらったり、すごろくをしてもらったり、工作物を作ったりといった授業に移ります。2024年度は60校88クラスに対して授業を行い、全体で3,251名の子どもたちにご参加いただきました。2023年度と2024年度の合計では、5,306名の方に体験していただいています。
他にも、各地方自治体や地域の夏祭りなどのイベントにお呼びいただくことが多く、その際にも万華鏡作りやコンタクトレンズを触ってもらう体験をしてもらっています。
きっかけは保育園の設立
───楽しみながら目の大切さや環境について学べる、とても素晴らしい授業ですね。出前授業を始められたのは、どのようなきっかけからだったのですか?
及川さん 弊社では次世代教育を大切にしており、2017年に60周年事業として鴻巣研究所の隣に、認可保育園である「ふくろうの森保育園」、企業主導型保育園である「シード保育園」、放課後児童クラブの「学童保育ふくろうの森」を設立しました。
ここでは、特に学童の子どもたち向けにスライムを作るなどの理科実験教室を開催し、子どもたちに目の大切さや科学の面白さなどを伝えています。そして、次世代を担う子どもたちに対しても、目の健康や環境問題に対する想いを伝えたいと考え、実現したという流れです。
2023年からの開始でコロナ禍もだいぶ落ち着いてからの時期だったため、私たちが学校に伺うことには支障はありませんでした。また学校側もコロナ禍においては外部の人たちを呼べなかったこともあって需要があったことも大きなきっかけになりました。
───出前授業はどういった体制で行っているのでしょうか?
及川さん コーポレートコミュニケーション部サステナビリティ推進課の2名体制です。多くの方からお声掛けいただくのですが、こちらの人員の問題もあって、現在は一都三県のみでの実施となっています。
ただ、高校や中学校だとより授業内容も専門的になりますし、特に中学1年生で始まる光の屈折の授業は、コンタクトレンズや見える仕組みに関連した内容です。そういった場合はより専門的な社員に対応してもらうため、学術部やデバイス技術部といったコンタクトレンズを開発する部署などと連携することもあります。また、70名などあまりにも人数が多い場合は、同じ部内の広報課にフォローを依頼することもあります。
視力の低い子どもに選択肢を

───実際に出前授業を行ってみて、子どもたちの反応にどのようなことを感じられましたか?
及川さん 眼鏡をかけなくてはいけない子どもと、かけなくても良い子どもが当然いますが、かけなくても良い子どもは特に、見えないことに対しての不安感や不満感が強いのかなと感じています。
実際に学校に伺うと、10年、15年前に比べると眼鏡をかけている子がとても増えている印象です。30人いるクラスの中で4人に1人は眼鏡をかけていることもかなり多く見受けられます。眼鏡やコンタクトレンズという選択肢を選べば、見ることを諦めなくて良いということを教えられるのは、活動を行ってきて良かったと思う点です。
また、子どもたちには万華鏡などを通してSDGsを学ぶことの楽しさを知っていただきます。また、その際にBLUE SEED PROJECT(コンタクトレンズの空ケースを回収している事業)の話をすると「家に帰って家族にも勧めてみるね」など、非常にポジティブな感想を多く聞くことができ、嬉しく思いました。
保護者も懸念する近視の低年齢化
───ご家族にも勧めてくれるのは嬉しいですね。保護者の方からは、何か反響などありましたか?
及川さん 出前授業では、参観日のような形で保護者の方に教室の後ろで見ていただくこともあります。授業後には質問が多く寄せられ、コンタクトレンズをつけて良い年齢についてのご質問や視力が低いと就けない職業に関するご質問、色の違いがわかりづらい色覚異常に関するご質問などをいただくことが多いです。
私たちは医師ではないため医学的な質問にお答えするのは難しいのですが、コンタクトレンズに関しても目に関することでも、具体的なご質問をいただくことが多くなっています。近視の発現が低年齢化しているということもあって、保護者の方が視力についてとても気にされているのが伝わってきます。
───やはり近視の低年齢化は進んでいるのですね。どのようなことが原因だとお考えですか?
及川さん こちらもあくまで個人の認識になりますが、やはりデジタルデバイスの普及や学力を求められる時代を背景として、近視が進んでいるのかなと感じます。出前授業に伺った際も、部屋の中ばかり見るのではなく窓の外も見ましょうなどといった啓発活動を行っています。
私はランドルト環を使った視力検査だと、一番上の大きなものでも裸眼状態だと全く見えないほど視力が悪いです。その話をすると、子どもたちにとても驚かれます。
しかし、普段からコンタクトレンズをつけているため一番後ろの人の顔も見えますし、家に帰ったら眼鏡を使っているため日常生活に不都合はありません。コンタクトレンズを使っているから眼鏡は必要ないというわけではありませんので、このようなコンタクトレンズと眼鏡の使い分けに関する啓発活動にも、さらに力を入れていかなければと考えています。
自社以外の空ケースも資源の循環のために収集

───BLUE SEED PROJECTでは、他メーカーの空ケースも集めておられると伺いました。自社以外の物だと原材料の違いから回収やリサイクルがしにくいのではないかと想像しますが、実際はいかがなのでしょうか?
及川さん BLUE SEED PROJECTにおいて、コンタクトレンズの空ケースをメーカー問わず集めている理由は2つあります。まず、コンタクトレンズの産業自体がプラスチックを多く使うものであることです。皆様から集めている空ケースやコンタクトレンズ自体もそうですし、メーカーにもよりますが、コンタクトレンズの箱のシュリンク包装もプラスチックのことがあります。
また、コンタクトレンズは高度管理医療機器であるため、どうしても純度の高いプラスチックをたくさん使う必要があります。SDGsの12番に「つくる責任つかう責任」とあるように、できるだけ多くの資源を循環できるように、メーカーを問わず空ケースを集めています。
もう一つは、他のメーカーの空ケースを集めるのがそれほど難しくない点です。弊社のケースにはポリプロピレン(PP)を使っていますが、だいたいどのメーカーも単一素材、バージンのプラスチックを使っているため、他のメーカーの空ケースも集めることにそれほど支障はありませんでした。
集まった空ケースは協力施設へ

───実際に空ケースを提供したい場合、どうすれば良いのでしょうか?
及川さん まずコンタクトレンズのユーザーに、お家でコンタクトレンズの空ケースを集めていただきます。そして一定量貯まったら、協力施設に持ってきていただくという流れです。
協力施設には眼科やコンタクトレンズ販売店、企業、学校などがあり、設置していただいた回収ボックスに空ケースを入れていただくという仕組みです。眼科やコンタクトレンズ販売店に関しては、コンタクトレンズを買うときや定期検診の際に空ケースを持って行き、企業や学校では従業員の方や生徒さんが出社や登校の際に持って行くという形になっています。
協力施設で一定量が集まりましたら、そのまま埼玉県の鴻巣市にある弊社のシード鴻巣研究所に送っていただきます。空ケースはリサイクル業者に販売し、その収益の全額を一般社団法人JEAN(ジーン)という海の保全団体に寄付するという流れです。
───近くの協力施設に持って行くだけなら簡単ですね。ご協力いただいているのは、どのような年代の方が多いのでしょうか?
及川さん 最近は大学生からの問い合わせが増えています。コンタクトレンズのユーザーが多いこともあって、大学生からの問い合わせが非常に増えてきた印象です。ボランティアサークルやゼミで集めて回収活動を促したいという、環境意識の高い学生が増えていると感じています。
───インターネットでコンタクトレンズを買う方も増えていますが、そういったユーザーはどうすれば良いでしょうか?
及川さん メーカーとしては3ヶ月に一度の定期検診を推奨しています。そのためネットで買われる方も、3ヶ月に一度眼科に行かれる際に協力施設に空ケースを持って行ってもらえたらと思います。また、家族分を集めているなどの理由で、3ヶ月に一度では溜まりすぎてしまう方もいらっしゃると思いますので、そういった場合は学校や企業に回収ボックスがあれば便利に利用していただけるのではと思っています。
未来への展望と想い

環境と子どもたちの「みえる」を守るシードの取り組み。今後についてはいったいどのような考えをお持ちなのでしょうか。ここでは、今後の展望と想いについて伺います。
取り組みのさらなる発展へ
───今後の展望についてお聞かせください。
及川さん 今後も、取り組み自体は変わらず続けていきます。しかし、例えばBLUE SEED PROJECTで皆様から集める空ケースを2030年には13,000kg集めようといった数値目標を達成するために、どう動いて行けば良いのかは常に模索していきます。
出前授業に関しても、現在一都三県しか回れていませんが、県をまたいで来てほしいというお声をかなりいただいています。今後はこういったご希望に応えられるように、人員配置の体制を整えていきたいです。
多様なみえる喜びを創造できる社会の実現へ
───最後に、読者のみなさんへのメッセージをお願いします。
及川さん 弊社はこれからも変わらずに、環境・地域・社会に根差した企業であり続けること、そして多様なみえる喜びを創造できる社会の実現を目指していきます。コンタクトレンズがご入用の際は、弊社のコンタクトレンズをご選択いただければ幸いです。
───本日は貴重なお話をありがとうございました。
環境も子どもたちの未来も守り続ける
環境を守り、子どもたちの「みえる」の先にある喜びや感動まで守るシードの取り組みは、未来をより明るく映し出す可能性を秘めた素晴らしいものでした。
コンタクトレンズで私たちの暮らしを鮮明に、そして豊かにするシードの事業や取り組みに、これからも注目していきたいと思います。
シードの製品や取り組みに興味をお持ちの方は、ぜひ一度ホームページを覗いてみてはいかがでしょうか。
▼ 【公式】コンタクトレンズのシード「SEED」
▼ サステナビリティ | SEED
SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
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