プラザクリエイトは写真業で培った技術でSDGsが創る未来を写す

プラザクリエイトは写真業で培った技術でSDGsが創る未来を写す

2023.11.22
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株式会社プラザクリエイトは、写真業を始めとしたさまざまな事業を行っている企業です。中でもその1つ、全国に展開しているフォトサービスショップ「パレットプラザ」は利用したことがある人も多いのではないでしょうか。
写真事業やモバイル事業など、私たちにも関わりが深い事業を行っているプラザクリエイトは、SDGsに貢献している企業としての一面も持っています。
今回は広報担当の伊藤さんに、プラザクリエイトの概要や理念、具体的なサステナビリティ事業についての想いや今後の目標、展望などを詳しくお聞きしました。

写真業から始めた事業をサステナビリティ活動に発展


さまざまな事業を行いながらSDGsにも取り組んでいるプラザクリエイトですが、具体的にはどのような企業なのでしょうか。ここでは、プラザクリエイトがさまざまな事業を行うことになった経緯や企業理念、そしてサステナビリティ活動を行うことになったきっかけについてお聞きします。

写真業が原点で他事業にも進出


───本日はよろしくお願いします。まず、プラザクリエイトのご紹介をお願いできますか?

伊藤さん ソウゾウ事業本部広報室の伊藤と申します。プラザクリエイトはもともと、写真屋の「パレットプラザ」を展開していた企業です。創業者の大島が学生時代に始めた写真業が原点となり、時代や環境の変化に合わせてさまざまな事業を展開してきました。写真と携帯端末が切っても切り離せない関係となったことから、2007年からはモバイル事業へも進出しています。2022年には大島から新谷に代表のバトンが渡され、現在は第2創業期のフェーズとして今まで以上にさまざまな事業に取り組んでいます。

つながりや人と人の暖かさを大事にすることが理念

───事業を行うにあたっての理念などを教えてください。

伊藤さん 弊社は「みんなの広場をつくる。」をミッションとして掲げています。時代や環境が変わっても、その時々で必要とされるつながりをつくりたい、人と人とのあたたかさを大事にして笑顔あふれる未来を実現したいと考えています。

こうした理念に基づき、創業事業である「イメージング事業」、SoftBankやY!mobileなどの「モバイル事業」、新規事業を中心に展開している「ソウゾウ事業」の3つの事業を展開しています。

サステナビリティ活動の大きな方針は、ミッションでも掲げている「みんなの広場をつくる。」です。これまで事業の中で「広場」を作ってきたことと同じように、サステナビリティ活動の中でも広場づくりをしたいとの思いからスタートしました。

2021年に取り組みを始めて現在に至る

───SDGsの理念とも通じる、持続可能な未来を創る素晴らしい理念ですね。サステナビリティ活動に力を入れ始めたのはいつ頃からですか?

伊藤さん ここまでの活動変遷としましては、まず2021年に入社2年目、3年目の若手メンバーを中心に活動自体を立ち上げ、身近な地域社会の課題にフォーカスした企画を実施しました。2022年にはデザインプラットフォームの「Canva」と協業し、自分の人生を振り返る人生史を作成する企画を実施しました。また、これまでの活動をまとめたサステナビリティページの公開をしたのもこの年です。

2023年は引き続き、自社の持つリソースで地域社会に何ができるかというところを模索しているところです。しかし、活動人員の不足や、取り組みと事業が分かれてしまっているところに課題感を持ち始めた年でもあります。

もともと各事業で行っていたものを会社としての取り組みへ

───サステナビリティ活動に取り組むことになったきっかけは、どのようなことだったのですか?

伊藤さん 2021年以前から、パレットプラザでのカートリッジのリサイクルや、ソフトバンクのモバイルショップでのスマホ教室など、各事業での取り組みは行っていました。しかし、会社としてサステナビリティという考えに則った形での取り組みは行っていなかったため、会社としてしっかりと取り組んだ方が良いのではという意見が出たのがきっかけです。

また、会社としてはサステナビリティな活動を行うことと若いメンバーの成長機会の創出を兼ねております。会社にとって何が必要かを自ら考え、企画して実行していくことを会社のサステナビリティな活動につなげています。

多くの人やアパレル業界のためにサステナビリティ活動を展開

事業単位でしかなかったサステナブルな取り組みを、会社全体での取り組みにまで発展させているプラザクリエイト。持続可能なその取り組みの内容はどのようなものでしょうか。ここでは、プラザクリエイトの行っている具体的なサステナビリティ活動について詳しく聞いていきます。

3つのカテゴリーを軸にサステナビリティ活動に取り組む


───ここからはサステナビリティ活動の中身に触れていきたいと思います。まずは、どのような観点からの取り組みを行っているのか教えていただけますか?

伊藤さん 3つのカテゴリーを軸に展開しており、1つ目は「地域社会への貢献」です。パレットプラザやモバイルショップなどの、地域に深く関わっている店舗を展開しているため、私たちの持つサービスや技術を活用して、地域社会に還元していくというところに重きを置いて活動しています。

2つ目が「多様な仲間と広場をつくる」です。弊社のミッションとして掲げている「みんなの広場をつくる。」が指す「みんな」とは多様な人びとや仲間のことを指します。誰にとっても働きやすい環境づくりや、多様な人びととの広場づくりを意識して取り組んでいます。

3つ目は、SDGsの目標の中にもあります「つくる責任つかう責任」です。店舗を展開している企業である一方、メーカーとしてものづくりを行っている企業でもあるため、持続可能な生産と消費にも積極的に取り組んでいます。

さまざまな人に貢献する活動


───それぞれのカテゴリーでの、具体的な活動を教えて下さい。

伊藤さん 地域社会への貢献に関する具体的な活動としては、地域の保育園と協力して、子どもたちの描いた家族の似顔絵でTシャツを作るワークショップである「ニコニコT」を開催しました。もともとパレットプラザでオリジナルTシャツを販売しており自社工場でTシャツを生産できる体制が整っておりましたので、そちらを活用して地域の子どもたちのために何かできないかというところから始めた取り組みです。

多様な仲間と広場を作るというところでは、経済産業省の補助事業である「生理用品設置をきっかけにしたコミュニケーションデザイン事業」の実証実験へ参加しました。この取り組みは、女子社員は急に生理になってしまうと業務効率が落ちてしまうというお話を聞いたことと、生理用品に関する活動をされている方と会う機会があり、何か一緒にできないかというお話をいただいたことから始まった企画です。

また、同時に社内で生理についてのセミナーを実施しました。普段なかなか話す機会がないことを話すことで、女性の働きやすさを考えるきっかけ作りにもつながりました。さらに、弊社の関連企業である「ストアクロス」で働いている障がい者の方に、マグカップや缶バッチの生産をお願いしています。

───子ども、女性、障がいを持った方と、さまざまな方のための活動を行っているのですね。つくる責任つかう責任に関してはどのような活動を行っていますか?

伊藤さん ソウゾウ事業の一環として、立体のウッドパズルやミニチュアハウスキットを展開している「つくるんです®」というブランドを立ち上げています。それらを製作・検証する中で出る、使わないパーツや余った部分を集めて、「chokipetasu-チョキペタス-」という工作室に提供させていただいています。
この取り組みは、四角い木製のパーツを抜き取った後の本来使われない枠組みが、子どもたちの自由な発想によって箱につけられることで電車の窓の形などになり、新たな作品に生まれ変わるというものです。このように、小さなことから少しずつ取り組みを行っています。

社員の意識のギャップが課題

───サステナビリティ活動を行うにあたり、どのような点が課題だとお考えですか?

伊藤さん 社員間で、SDGsに対する温度感の差があることが課題です。今まではどちらかというとCSRに寄った社会貢献の要素が強い取り組みを行っていたため、事業の売り上げや利益を追っているメンバーとはモチベーションにギャップが生まれてしまったり、活動自体が社内から興味関心が決して多く集まらなかったという課題がありました。

しかし、サステナビリティという視点は、一部のチームだけではなく会社全体で考えるべきことです。ですので今後の方針として、CSRからCSVに移行して、「会社、事業の成長」と「社会課題の解決」の交わる部分を模索し、事業の中でできるサステナビリティ活動に軸を移していこうと考えています。

CSRとは、一言でいうと企業の社会的責任のことで、企業が経済的な利益を追求するだけでなく、環境や社会といったステークホルダー(利害関係者)に対して持っている責任を認識して果たすための取り組みを指します。
一方、CSVは共有価値の創出のことで、企業が自らのビジネス活動を通じて社会的課題を解決し、その結果として経済的な価値をも創出する考え方のことです。
企業が社会や環境に負う責任を中心に考えるCSR対し、CSVは社会的課題とビジネスの機会を結びつけ、共に価値を創出することを考えの中心に置いているという違いがあります。

HATTO CREATIVE PLAZAの運営でファッション業界の課題解決へ


───確かに、企業としては利益も同時に追求するCSVに寄せていくことも必要かもしれませんね。具体的に始めている取り組みはありますか?

伊藤さん 原宿の神宮前で「HATTO CREATIVE PLAZA」という、カフェとファクトリーが一体になった、サステナビリティ活動に取り組んでいる施設を運営しています。HATTO CREATIVE PLAZAをオープンさせたのは、アパレル産業が世界2位の環境汚染産業だと言われており、まだまだ多くの課題が残る業界であるからです。

ファクトリーに設置されている、Tシャツにプリントすることができる衣類プリンターは、「kornit Digital」というイスラエルの企業が開発したもので、とてもサステナブルなプリンターです。このプリンターを使用して、注文が入ってから生産する、受注ファーストの考えを取り入れていくことにより、アパレル業界の課題解決につながる取り組みを行っています。また、カフェを併設しているため、アパレル関係者やファッション業界の方がコーヒーを片手に、業界の課題などについて考えたりディスカッションしたりできるような場にしたいという想いで運営を続けています。

───併設しているカフェでは、どのような取り組みをしていますか?

伊藤さん 具体的な取り組みとしては、カフェで使用するコーヒー豆にレインフォレスト認証のものを採用したり、資材やテイクアウトカップに、環境に配慮した素材のものを積極的に採用したりしています。先ほどご紹介したプリンターも、従来のプリンターと比較して水やエネルギーの使用量を大幅に削減でき、使っているインク自体も環境に配慮したものを使っておりますので、このプリンターを使うこと自体が環境に配慮したサステナブルなものづくりになっています。

今後も、新しい事業だけでなく既存事業の中でも、サステナビリティな取り組みを考えて引き続き実行していきたいです。

アパレル業界の現状がプリンター使用のきっかけに

───Kornit Digital社のプリンターを使うことになったのは、どのような経緯だったのでしょうか。

伊藤さん まず、もともとパレットプラザでもTシャツなどの印刷を行っており、自社工場を埼玉の和光市に持っていました。ここでKornit Digitalのプリンターを導入していたという経緯があります。そして新しい社長が就任する段階で話をする機会があり、アパレル業界が置かれている現状やKornit Digitalのもつ最先端技術を知りました。これが弊社が課題にアプローチするために本格参入するきっかけとなりました。
作ったものをいかに売り切るかというビジネスモデルがアパレル業界全体の課題なのですが、弊社がもともと行っている写真の事業はその逆で、お客様が持ち込んだフィルムやデータなどを印刷するという形のため、余ったり無駄が出たりということは基本的にありません。ですので、写真事業の考え方を転用していくことにより、アパレル業界を少しでも良くしていくことができるのではと考え、本格参入に踏み切りました。

Kornit Digitalのプリンターは販売機会の損失が少ない

───アパレル業界全体への貢献も考えての採用だったのですね。このプリンターを採用することによる企業のメリットには、どのようなものがありますか?

伊藤さん Kornit Digitalのプリンターは、1時間に約130枚のTシャツに印刷できるという、プリンターの中では比較的スピードが速いものになっています。また、早い上に1枚から作れるため小ロット・短納期が実現でき、イベントなどで予定販売数を全て売り切ることができるか分からないとき、確実に売れるであろう数だけ印刷し、売れ行きを見て追加で生産するなどということが可能です。それも短納期でできるため、発注後すぐに納品できて無駄も出ませんし、実際に利用する企業にとって販売機会の損失が少ないというメリットがある機械になっています。

等身大のサステナブルな取り組みがみんなの笑顔をつくる

自社の持つ技術やつながりを最大限に活かした、数々のサステナブルな取り組みを行っているプラザクリエイトですが、今後の展望はどのようなものでしょうか。ここでは、サステナビリティ活動を通して得た反響や、今後の企業としてありたい姿についてお聞きします。

高校生や子どもとの触れ合いが励みに

───サステナビリティ活動を行う際に一般の方と触れあう機会もあると思います。励みになるような嬉しい反響などはありましたか?

伊藤さん 高校生が描いたイラストやグラフィックをTシャツに印刷するという企画を行った際、自分が実際に描いたイラストやグラフィックが目の前で印刷されていく過程に、皆さん釘付けになってくださっていたのが印象的でした。プリンター自体が非常に高価なものであるため、高校生にとってはなかなか体験する機会がないと思いますし、こうした機会は今後も作っていきたいです。

また、ウッドパズル「つくるんです®」に取り組むワークショップを夏休みに行いました。子ども達には少々難しいものだったのですが、完成した際の達成感に満ち溢れた子どもたちの笑顔を見ることができ、とてもやりがいを感じました。余剰在庫を使っているため会社のサステナブルな取り組みにもなりましたし、子どもたちに作る楽しさを味わってもらえる良い機会にもなりました。

事業にサステナビリティな視点を持つことが大切

───今後もサステナブルな取り組みを続けるにあたって、どのような企業を目指していきたいとお考えですか?

伊藤さん 大きな企業にはしっかりとした基盤があるため、プラスアルファとして社会貢献要素の強い活動に人員やリソースを割くことは難しくないと思います。しかし、弊社のような中小企業にとっては目の前の売上や利益はとても大切なものであり、そこを優先させると取り組みが思うように進まないことがネックとなっています。きっと同様の企業も多いのではないでしょうか。持続可能性に関する活動は、活動自体も、そして活動を行う私たちも持続可能でなければいけないと思うのですが、人員やリソースが不足する中で活動を行うのはやはりとても大変です。

ですので、事業の中でサステナビリティという要素を考えていくことが大切であると考えます。会社・事業の成長と社会課題の解決が交わる部分をいかに見つけるかが、自分の成長にも事業の成長にもつながっていくのだと思います。「課題に対して社会貢献できることは何なんだろう?」という視点を社員全員が持って事業に取り組むことが、サスナテビリティな状態なのではないでしょうか。
弊社が今後目指していきたいのは、新しい事業や施策を行う際、必ずサステナビリティな視点が入った企画や事業・サービスが始まっていくという持続可能な企業です。

等身大のサステナブルな取り組みを共に行っていきたい

───最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

伊藤さん サステナビリティ活動を担当することになり、情報収集や勉強のため、セミナーに参加した際に「サステナビリティな活動は、完璧を目指すと実施が難しい」というお話を聞きました。そこで学んだのは、途中の段階であっても、自身の取り組みたいことや活動方針などを発信していくことで協力者が現れたり、取り組みのハードルをクリアにしてくれるパートナーが現れたりするということです。加えて、SDGsの目標17は「パートナーシップで目標を達成しよう」ですので、やはり協力して取り組むことはとても大切であるとも感じました。

弊社は「等身大のサステナブルな取り組み」から始めていくことが本当に大事だと考えています。ですので、SDGsを始めたいけど何から取り組めば良いのかわからないと考えている企業がもしいらっしゃったら、自社でできることから少しずつでも始めて、それを発信していって欲しいです。
弊社が一緒にできることがあればぜひお声がけいただきたいとも思っていますので、もし興味を持っていただけた方がいらっしゃいましたら、一緒にサステナブルな社会のために取り組んでいきましょう。

───本日は貴重なお話をありがとうございました。

プラザクリエイトはサステナブルな取り組みで人びとの笑顔を写し出していく


写真業を始めとした、自社が持つ技術や経験を余すことなく発揮した取り組みでSDGsに貢献しているプラザクリエイトですが、多くの人や企業と手を取り合い、さまざまな人のために取り組んでいるサステナブルな活動はとても素晴らしいものでした。事業にサステナブルな活動を取り入れるための考えは、参考になる企業も多いのではないでしょうか。

プラザクリエイトの事業やサステナブルな取り組みに興味を持たれた方は、ぜひ1度ホームページを覗いてみてください。

▼プラザクリエイトのホームページはこちら
株式会社プラザクリエイト(株式会社プラザホールディングス連結子会社)

▼プラザクリエイトのサステナビリティについて、詳しくはこちら
サステナビリティ活動について | PLAZA CREATE

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。
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