未来の健康社会をつくる中日本カプセルのSDGs

未来の健康社会をつくる中日本カプセルのSDGs

2023.07.10(最終更新日:2023.11.13)
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健康食品の事業を展開しながらSDGsにも積極的に取り組んでいる中日本カプセル株式会社にインタビュー。事業内容や具体的な取り組み、SDGsへの想い、今後の展望などを詳しくお聞きしました。

中日本カプセルは健康食品事業からSDGsに貢献している

中日本カプセルとはどのような会社なのでしょうか。また、どのようにSDGsに取り組んでいるのかについてもお聞きします。

岐阜から健康社会に貢献する中日本カプセル

───本日はよろしくお願いいたします。まず、中日本カプセル株式会社についてご紹介をお願いします。

柳瀬さん 中日本カプセルは1996年に岐阜県大垣市で創業し、健康社会に貢献することを理念に掲げております。事業内容としましては、主に健康食品やサプリメントの製造、各種梱包などを行っています。
また、健康食品やサプリメントの中でもソフトカプセルとハードカプセルの剤型に特化していて、取引先ブランドの商品を多数製造しているんです。

SDGsの3つの目標に取り組んでいる

───SDGsにも積極的に取り組んでいるとのことですが、17ある目標のうち、どの目標について取り組まれていますか?

柳瀬さん 弊社は【「清流の国ぎふ」SDGs推進ネットワーク】に2021年6月より加入しています。現在では「目標8 働きがいも経済成長も」「目標12 つくる責任つかう責任」「目標13 気候変動に具体的な対策を」の3つの目標について具体的に活動しています。

「目標8 働きがいも経済成長も」へ向け健康経営に取り組んでいる

3つの目標に向けて取り組んでいる中日本カプセル。具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか。まずは「目標8 働きがいも経済成長も」への取り組みについて聞いていきます。

啓蒙活動で従業員の意識改革に取り組む

───ここからはSDGsへの具体的な取り組みについて聞いていきます。さまざまな取り組みをしているとお聞きしていますが、まずは「目標8 働きがいも経済成長も」への取り組みについて具体的にお聞かせください。

石部さん 弊社では健康経営に向けた取り組みをしています。まず、2020年10月に岐阜労働局の「新はつらつ職場づくり宣言」の登録証・宣言書の掲示、2021年5月に協会けんぽの「ぎふ健康経営認定事業所」に認定されました。

さらに従業員への啓蒙活動として、事業所健康度カルテ、扶養家族の健康診断受診ポスター、禁煙ポスターの掲示を気軽に確認できるよう、各工場の休憩室に掲示しています。

運動機会を提供し従業員の健康を守っている

───従業員の健康への意識改革を促す取り組みをされているんですね。その他にも取り組まれていることがあれば教えてください。

石部さん その他の取り組みとしましては、運動機会の提供として2022年7月にヨガのオンライン講座、2022年10月にウォークラリーのイベントに参加しました。

───運動機会の提供を始めようと思ったきっかけは何だったのですか?

石部さん まずは少子化による労働人口の減少により、一人当たりの労働生産性を高めるのがより重要になったと気づいたことです。また、高年齢者雇用安定法の改定により定年が引き上げられたため、従業員の健康意識を高めて長く健康で働いてもらいたいという思いもありました。
従業員の健康を考え始めたとき、岐阜県や協会けんぽから健康経営に関する認定制度があると案内を受け、具体的な取り組みを進めるに至りました。

「目標12 つくる責任つかう責任」はソフトカプセル製造で取り組んでいる

従業員の健康への取り組みを行っている中日本カプセルですが、会社の事業の中でSDGsに取り組んでいることには何があるのでしょうか。「目標12 つくる責任つかう責任」への具体的な取り組みについて聞いていきます。

生ごみ分解装置によるごみの削減

───従業員の方たちの健康を考える取り組みは、とても素晴らしいと感じました。次に「目標12 つくる責任つかう責任」への取り組みをお聞かせいただけますか?

川本さん 「目標12 つくる責任つかう責任」への取り組みは、基幹事業の1つであるソフトカプセルの製造を通して行っています。大きく分けて3つの取り組みがあるのですが、まずは「生ごみ分解装置の活用」について説明します。
ソフトカプセル充填時にゼラチンカスというごみが発生するのですが、このゼラチンカスを以前は無料で引き取ってもらえました。しかし引き取りが有料になったのを契機に、ごみをなくすための取り組みをしようと考えたのがきっかけです。
具体的には、ごみ分解装置に朝投入したごみが24時間かけて微生物により分解されることで、ごみの削減が実現しています。

離形油の再利用により廃棄を削減

───ゴミの削減という環境にとって大切な問題に取り組まれているのですね。2つ目の取り組みはどのようなものなのでしょうか。

細江さん 2つ目の取り組みは離形油の再利用です。現在弊社では、ソフトカプセル成形時に発生する廃油を、全量バイオディーゼルの製造元に引き取っていただいております。

───離形油の再利用を始められたきっかけは何だったのでしょうか?

細江さん 弊社ではソフトカプセル製造時のゼラチンシートの乾燥や、カプセル成型後に付着するのを防ぐために離形油を塗布していました。離形油の塗布量を調整したり循環させたりしていたのですが、どうしても継続的に廃棄が発生していたため打開策が必要になったのがきっかけです。

───離形油は具体的にどのように再利用されているのでしょうか?

細江さん 現在は引き取り先でバイオティーゼル燃料やチェーンソーオイルとして再利用いただいています。廃油の引き取りをお願いする上で、ただ引き取ってもらうだけではなく、その後どうなるのかまで意識する必要があるなど苦労することもありました。ですが結果として、廃油を廃棄するのではなく新たな資源として活用いただけて良かったと思っています。

ゼラチンネットは再利用で肥料やのり料に


───廃棄されていた離形油が、新たな資源として生まれ変わっているのですね。3つ目の取り組みをお聞かせください。

今村さん 3つ目の取り組みとして、ソフトカプセル製造時に発生するゼラチンネットを再利用する活動を行っております。ゼラチンネットはソフトカプセルを製造する際、カプセルを型抜きした後に発生するものであるため離形油や内容液が付着しており、当社では再利用することができませんでした。ほとんどのゼラチンネットは産業廃棄物として焼却処分が行われていたのですが、処分費用の高騰をきっかけにゼラチンネットの再利用方法について開発部を中心に模索を行っておりました。

───具体的にどのようなものに再利用されているのですか?

今村さん 弊社ではゼラチンネットを再利用するにあたり、ゼラチンに含まれる成分やゼラチンの持つ性質に着目しました。現在ではゼラチンの成分や性質を基に、他社様に肥料やのり料として有効活用していただいています。

「目標13 気候変動に具体的な対策を」に向け職場環境から取り組んでいる

ここまで2つの目標への取り組みについて伺ってきましたが、3つ目の「目標13 気候変動に具体的な対策を」についてはどのような取り組みを行っているのでしょうか。具体的な活動を聞いていきます。

古紙・段ボールは回収され再利用へ

───「目標13 気候変動に具体的な対策を」への取り組みについて教えてください。

石部さん 「目標13 気候変動に具体的な対策を」への取り組みとしましては、まず古紙・ダンボールの回収を行っています。弊社では1ヵ所のコンテナに古紙・ダンボールをまとめており、毎週月曜日に回収をしてもらっているんです。
1週間にだいたいダンボール500個、古紙120個、1ヶ月でダンボール2000個、古紙を480個回収してもらっています。回収された古紙・ダンボールはトイレットペーパーなどに再利用されています。

井水式クーラーで工場インフラを保全している

───かなりの量の古紙やダンボールが再利用されているんですね。他にも取り組まれていることがあればお聞かせください。

細江さん 弊社では、全工場の屋上に太陽光ソーラーパネルがあり、一部工場内では使用可能な井戸水もあるため「井水式クーラー」の設置をしております。

───井水式クーラーとはどういったものなのでしょうか?

細江さん 井水式クーラーとは、1年中温度が一定な井戸水を使用した熱交換型のクーラーのことです。井水式クーラー内に循環させた水を屋根に散水することで、屋根の輻射熱を抑えて室温を調整することができるんです。

───井水式クーラーを導入するに至った理由はどんなものだったのですか?

細江さん 一部の工場施設では天井が低く断熱対策が取れないため、夏場は非常に暑くなる環境にあったことが挙げられます。エアコンを設置しても部分的な冷却効果しかないため設置できず、懸念事項となっていました。

───井水式クーラーを導入したことで、どのような変化が生まれたのでしょうか?

細江さん 初めて設置する際は、屋根への散水方法で輻射熱を抑える効果が全く違ったことで、スプリンクラー式から定位置に散水する方法に変更するなどの試行錯誤が必要でした。
しかし井水式クーラーはフロンガスなどの冷媒装置を使用していないため、環境にも優しく一般的なエアコンと比較すると電気代も10分の1に抑えることができます。結果として設置箇所の保管環境が改善されました。

中日本カプセルはこれからも環境に貢献していく

───では最後に、今後の活動やSDGsへの想いなどをお聞かせください。

柳瀬さん 弊社ではさまざまな形でSDGsへの取り組みを進めておりますが、今後は社内でCO2の排出量を算出し、具体的な数字に表れる形で削減する取り組みを進めていきます。
中日本カプセルは引き続き、健康食品やサプリメントの製造を通じて身近な環境にも貢献する取り組みを進めて参ります。

───本日は貴重なお話をありがとうございました!

中日本カプセルはSDGsを通して未来の健康と環境を守っている

中日本カプセルはさまざまな活動でSDGsに取り組んでいます。従業員の健康を考え、環境問題にも積極的に取り組む姿勢は素晴らしいと感じました。
これからも新たな取り組みを進めていく中日本カプセルに興味がある方は、ぜひ1度ホームページを覗いてみてくださいね。

▼中日本カプセル株式会社のホームページはこちら
健康食品・サプリメントの受託製造OEMは中日本カプセル株式会社へ

▼中日本カプセル株式会社の公式YouTubeチャンネルはこちら
中日本カプセル株式会社 – YouTube

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。
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