【2023最新】『てまえどり』していますか?消費行動と環境意識アンケート

【2023最新】『てまえどり』していますか?消費行動と環境意識アンケート

2023.07.25(最終更新日:2023.07.26)
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今回は「スーパーで買い物する」などの消費行動の際、環境について意識できているかを、EARTH NOTE編集部がアンケート調査しました。男女500人が対象です。
「なぜ環境を意識した消費行動を取ったのか」や「エコな製品が消費者の購買意欲に影響するか」などにも踏み込んで調査しています。

【調査概要】
調査対象:全国の男女
調査日:2023年7月11日
調査主体:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:500人(女性309人/男性186人/その他5人)

【調査結果データのご利用について】
本記事の調査結果は、出典元(当記事のURL)を明記していただければ、基本的にご利用いただけます。
出典元の記載方法については「調査結果データのご利用に関するお問い合わせ」にてご確認ください。
また、ご使用の際は「ケイティケイ株式会社 お問い合わせフォーム」までご一報ください。

賞味期限と商品選択の関係

商品を選ぶ際、賞味期限を確認している方は多いのではないでしょうか。では、実際どれくらいの人が賞味期限を意識して商品を選んでいるのでしょう。また、賞味期限を確認する理由についても調査しました。

回答者の属性


今回は全国の男女500人を対象にアンケート調査を実施しました。性別と年代は以下の通りです。

【性別】
男性:37%(186人)
女性:62%(309人)
その他/回答しない:1%(5人)

【年代】
10代:1%(6人)
20代:16%(81人)
30代:34%(169人)
40代:30%(152人)
50代:14%(68人)
60代以上:5%(24人)

食品を購入する際、80%もの人が賞味期限の遠い商品を選択


商品を購入する際、なんと80%もの人が賞味期限の遠い商品を選ぶようにしているという結果が得られました。
具体的な結果は下記のとおりです。

  • 賞味期限を確認し、期限が遠い(期限までの日数がなるべく長い)ものを選ぶ:80%
  • 賞味期限を確認し、期限が近い(期限までの日数が短い)ものを選ぶ:11%
  • 賞味期限は確認しない:9%

例えば、コンビニで買い物する際、商品のパッケージをみて賞味期限を確認してから購入する方も多いのではないでしょうか。そのような習慣が多いことが今回の調査結果からわかります。
コンビニやスーパーで陳列されている商品は全て賞味期限内の商品です。その日に消費する予定の食品であれば、前に陳列されている商品を選び、食品ロス削減に繋げてみてはいかがでしょうか。
また、その日に消費するのであれば、賞味期限の近い商品を選んでみてはいかがでしょうか。

賞味期限が近い商品を選ぶ人の理由は「廃棄がもったいない」


賞味期限が近い商品を選ぶと回答した人に理由を聞いたところ、以下の結果になりました。

廃棄になるともったいない:41人
その方が合理的だから:14人
そうするように教わったから:5人
期限が遠いものを選ぶ理由がない:5人

賞味期限が近い商品を選ぶ人の理由で、最も多かったのが「廃棄がもったいない」でした。その次に「その方が合理的だから」という理由があげられました。
コンビニやスーパーでは、毎日大量の廃棄が出ます。その廃棄削減のために、賞味期限が近い商品を選ぶ行動は環境面で非常に大切です。

賞味期限が遠い商品を選ぶ人の理由は「期限までに食べきれない」


賞味期限が遠い商品を選ぶ理由としては、以下の結果です。

期限までの日数が短いと食べきれない:322人
新鮮なものを選びたい:163人
期限が近いものを選ぶ理由がない:23人
そうするように教わったから:16人

賞味期限が遠い商品を選ぶ理由としては、「期限までに食べきれない」という理由が最も多く挙げられました。その他にも「新鮮なものを選びたい」や「期限が近いものを選ぶ理由がない」などの回答も得られています。
賞味期限が近くても、きちんと期限内に食べればおいしく食べられます。買い物の際には、あらかじめ献立を立てるなどして、期限の近い商品も消費できるようにするといいでしょう。

「てまえどり」はあまり浸透していない

「てまえどり」とは、陳列された商品を手前からとり、廃棄ロス削減に繋げることです。2022年の流行語大賞トップ10にも選出されましたが、実際の消費行動にはあまり移せていないことがわかりました。

商品購入時、奥から取る人は60%


今回のアンケートで、「食品を購入する際、並んでいる商品を手前から取りますか」という質問をしています。結果は下記のとおりです。

  • 奥から取る:60%
  • 手前から取る:40%

流行語大賞に選出されていても、実際の消費行動では、手前からよりも奥から商品を取る人が多いことがわかりました。環境に配慮した行動だとわかっていても、なかなか行動に移せない現状があります。

「手前から取る」理由は単純に取りやすいから


「食品を手前から取る」と回答した人はどのような理由で手前から取っているのでしょうか。
理由を尋ねたところ、以下の結果となりました。

手に取りやすい:132人
食品ロスを減らす:50人
賞味期限切れになるともったいない:38人
奥から取る理由がない:34人

最も多かった理由は「手に取りやすいから」でした。その他には、「食品ロスを減らす」、「賞味期限切れになるともったいない」という意見がありました。それぞれ、環境に配慮した行動であるとわかります。
販売側も商品の取りやすい位置に期限が近いものを置いており、その取りやすさが環境に配慮した消費行動につながっています。

「奥から取る」理由は新鮮な商品を選びたいから


「奥から取る」と回答した人の理由は以下の通りでした。

新鮮なものを選びたい:210人
感染症など、他人が触れたものは不安:123人
ほこりが被って汚れていそう:48人
手前から取る理由がない:19人

「新鮮な商品を選びたい」という意見が最も多く寄せられています。その他には、「感染症など、他人が触れたものは不安」や「ほこりが被って汚れていそう」という衛生面での不安があげられました。
賞味期限内の商品であれば問題なく鮮度は保たれています。また、衛生的にも販売側はできる限り清潔を意識しています。よって、環境に配慮した視点でいえば、奥から取らずに手前から取る消費行動が望ましいです。

環境ラベルに対する認識と影響

環境ラベルと聞いて、明確にイメージできますか?
環境ラベルとは、その商品がどのように環境負荷低減に資するかを教えてくれるマークです。例えば「エコマーク」「グリーンマーク」「カーボン・ニュートラルラベル」「FSC認証制度(森林認証制度)」「MSC認証制度(海のエコラベル)」などがあります。

私たちが日ごろ目にする「アルミ缶」「スチール缶」「紙パック」なども環境ラベルの一種です。
参考:環境省_環境ラベル等データベース

今回のアンケートで、環境ラベルについても調査しており、認知度の低さが結果に出ています。
普段目にするマークと「環境ラベル」という言葉が結びつかない人が多いと言えそうです。

「環境ラベル」を熟知している人はわずか3%


「環境ラベルを知っていますか」という質問で「よく知っている。いくつも具体的なマークが頭に浮かぶ」と答えた人はわずか3%でした。
「いくつか知っている」と答えた人も20%にとどまり、認知度の低さがわかります。具体的な数値は下記のとおりです。

  • よく知っている。いくつも具体的なマークが頭に浮かぶ:3%(16人)
  • いくつか知っている:20%(99人)
  • 名前は聞いたことがあるが、具体的なマークは思い浮かばない:41%(203人)
  • 知らない:36%(182人)

環境ラベルの具体的なマークまで自分で調べて知ることはなかなか難しいことかもしれません。しかし、知ってみると、コンビニやスーパーで非常によく目にします。「知ろうとする行動」も環境に貢献している行動といえるのです。

環境ラベルは購買意欲に多少影響する


では、環境ラベルの有無は消費者の購買意欲に影響を与えているのでしょうか。環境ラベルを「よく知っている」、「いくつか知っている」と回答した人に環境ラベルの有無が購買意欲に影響するか調査しました。結果は下記のとおりです。

  • とても影響する。環境ラベルがついている商品を優先的に購入する:8%(9人)
  • 多少影響する。環境ラベルがついている商品を見ると印象が良くなる:53%(61人)
  • 影響しない。環境ラベルの有無で商品を選ばない:38%(44人)
  • 無回答:1%(1人)

影響しないと回答した人が約40%、影響すると答えた人が約60%です。よって、環境ラベルは消費者の購買意欲に多少影響を与えているといえるでしょう。

環境的にイメージの良い言葉と購買意欲

「エコ」や「リサイクル」という言葉を耳にして、環境に良いイメージを持ちませんか?そのような環境に良いイメージがある言葉が消費者の購買意欲に影響するのか調査しました。

印象が良い環境の言葉、1位は「エコ」


環境に良いイメージの言葉をEARTH NOTE編集部で取り上げ、消費者がどの言葉に良いイメージを持つか調査しました(複数回答可)。結果は下記のとおりです。

1位:エコ(339人)
2位:リサイクル(308人)
3位(上記と同順):地球に優しい(306人)
3位(上記と同順):環境に優しい(306人)
5位:人に優しい(175人)
6位:サステナブル(165人)
7位:グリーン(159人)
8位:再生品(139人)
※印象が良いと感じる言葉はない(23人)

「エコ」が1位にランクインしました。2位にリサイクルが来ています。
確かに、エコやリサイクルという言葉はよく聞きますし、環境に良いイメージがわいてきそうです。一方で再生品という言葉はエコやリサイクルに比べるとそこまで浸透していないことがわかります。

購買意欲とエコは多少関係がある


先ほどの集計結果から、エコやリサイクルという言葉に消費者は良いイメージを持っていることがわかりました。それでは、それらの環境に関する言葉があれば、消費者の購買意欲は変化するのでしょうか。
環境に良いイメージの言葉が購買意欲に関係するか調査したところ、下記のような結果が得られました。

  • とても関係する。その言葉がついている商品を買いたい:7%(34人)
  • 多少関係する。値段や性能も検討して購入する:57%(285人)
  • 関係しない。印象の良い言葉を使っていても購入する理由にはならない:35%(175人)
  • 無回答:1%(6人)

約60%もの人が購買意欲に関係すると回答しています。よって「エコ」や「リサイクル」という言葉が使われている商品は、消費者の購買意欲に多少影響を与えるといえるでしょう。

エコバック利用率と個人の環境的な消費行動

エコという言葉を聞いて、エコバッグをイメージする人も多いのではないでしょうか。今回のアンケートでは、エコバッグの利用についても調査しました。

73%もの人がエコバッグをいつも持参していると回答


「エコバッグを使っていますか」という質問の結果は下記のとおりです。

  • 使っている。いつも持参している:73%(366人)
  • 使っている。必要なときのみ持参する:18%(89人)
  • 時々、思い出したら使う:4%(20人)
  • 使わない:5%(25人)

使わないと答えた人はわずか5%。残りの95%はエコバッグを使う習慣があることがわかります。よって、エコバッグは多くの消費者に普及しており、消費者のエコな生活に貢献しているといえるでしょう。
また、エコバッグ普及の背景にはレジ袋の有料化が影響しています。有料のレジ袋を買うくらいなら自分で袋を持っていくという方も多いのではないでしょうか。

日々の買い物の中で環境を意識していること

「日々の買い物で、環境や社会貢献の観点から心がけていること」を自由記述式でアンケート調査しました。結果は下記のとおりです。

【ごみ削減・分別】

  • エコバッグは常に持ち歩く、その日使う食材で割引になっているものは積極的に買う
  • エコバッグを忘れた時に自分のかばんに入りそうなぐらいの量ならレジ袋を貰わない
  • コンビニ・スーパーではお箸やお手拭きなどを受取らないようにしている
  • パッケージや梱包の量がなるべく少ないものを選ぶようにしている
  • フードロスにならないよう割引品を買う
  • ペットボトルや食品のパックトレーは洗ってスーパーのリサイクルボックスに入れられるものを購入している
  • ラベル無しの飲料を買うようにしている
  • 食べ切れる量、必要なものかをよく考えてから購入するため、献立を立てて買い物のメモを作りそれ以外を買わないようにしている
  • その日に食べる物は値引きシールの貼ってある物を選んで購入する。最近は物価高で食費が上がりなるべく節約を心がけているので、値引き商品はありがたい。なるべく廃棄をなくしゴミも減らしていけるよう1人1人が心がけていけたら良いと思う

【賞味期限・消費期限】

  • 消費期限は気にしつつ、その日に使いきれそうな食材は期限間近のものを買うようにし、食品ロスを無くすことを意識している
  • 賞味期限の近い食品を買って冷凍庫で保管するようにしている
  • なるべく買いだめをせず、賞味期限切れのないようにする
  • 見切り品や、消費期限が迫っているものに関しては、自分に合った形であれば積極的に購入する
  • 牛乳や、納豆など自宅でなるべく長く置いておきたいものは賞味期限を見て長いものを買うが、今日明日使う予定のものは手前から買うように、物によってできるだけフードロスにならないように考えて買うようにしている

【省エネ】

  • お店でも冷凍庫に入っている商品は決めてから取り出すようにし、なるべく開閉時間が短くなるようにしている
  • 車で買いに行く回数を減らす。徒歩圏内の買い物は健康面等も考慮し、出来る限り徒歩で買い物に出掛ける

まとめ:日常生活から環境を意識した消費行動を!

今回は「消費行動と環境意識」というテーマでアンケート調査を実施しました。重要なポイントは下記のとおりです。

  • 賞味期限と消費者の商品選択には関係があり、80%もの人が期限の遠い商品を選ぶ
  • 「てまえどり」はあまり浸透しておらず、60%の人が奥から商品を取っている
  • 環境ラベルは「名前を聞いたことがある」くらいの認識で浸透している
  • エコバックは95%もの人が使う習慣がある

てまえどりや環境ラベルのように、言葉だけが流行して実際の行動や内容を知ることにつながっていないことはよくあります。今回の調査結果で、少しでも環境に対して興味がわいたら、実際に調べてみたり、行動してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
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