MDGsとは?SDGsとの違いは何?わかりやすく簡単に解説!

MDGsとは?SDGsとの違いは何?わかりやすく簡単に解説!

2023.12.13(最終更新日:2024.06.05)
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現在、世界各国では持続的なエネルギー開発や環境問題の解決のため、「SDGs」を共通目標として掲げています。メディアやニュースなどで取り上げられることが多く認知されているSDGsですが、その前身となった「MDGs」はご存じでしょうか?

この記事では、SDGs以前に世界で取り組まれていたMDGsについて解説していきます。SDGsができたきっかけや、現在取り組まれている目標が設定された理由などを細かく解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。

MDGsとは国際社会共通の開発目標のこと

MDGsは2000年の国連サミットによって採択された、各国共通の開発に関する目標を指します。
MDGsの詳しい内容を解説していきます。

MDGs(ミレニアム開発目標)の概要

MDGs(ミレニアム開発目標)は正式名称を「MIllenium Development Goals」と言い、開発分野における国際社会共通の目標を指します。2000年9月にニューヨークで開催された「国連ミレニアム・サミット」で定められた国際ミレニアム宣言をもとに、世界中の貧困や飢餓を撲滅するための8つの目標と21のターゲットで構成されています。2000年から2015年までの間に達成を目指すと各国共通で認識し、各国政府が主導となって取り組むことで、2015年までに一定の成果をあげることができました。残された課題や改善点は2030年までの新たな目標に引き継がれ、現在はSDGsとして世界中で取り組まれています。

MDGs掲げられた理由

MDGsが採択される以前、1980年代ごろより開発途上国の経済状況や、その国に暮らす人々の生活を問題視する声は多数上がっており、国際社会の活動は始まっていました。そこから開発途上国の開発を促進するため、「構造調整プログラム」による支援が試みられましたが、思うような効果が得られず、貧困は悪化する結果となってしまいます。さらに、開発途上国には貧困問題以外にも飢餓や感染症など、多くの問題があったため、より包括的なアプローチが求められました。これらのことから国際ミレニアム宣言が採択され、世界中で共通の目標として取り組んでいくためにMDGsが採択されたのです。

「私たちは、よりよい世界の実現に向け、ミレニアム宣言の約束を果たすよう国際社会に期待する数十億の人々を裏切ってはなりません。約束を守ろうではありませんか。」
-潘基文(パン・ギムン)国連事務総長

引用:外務省 ODA(政府開発援助)ミレニアム開発目標

MDGsの8つの目標と21のターゲット

MDGsは8つの目標と、達成するための21のターゲットで構成されています。
MDGsの各目標とターゲットを表でまとめました。

目標 ターゲット
目標1「極度の貧困と飢餓の撲滅」 ターゲット1.A
1990年から2015年までに、1日1ドル未満で生活する人々の割合を半減させる。

ターゲット1.B
女性や若者を含め、完全かつ生産的な雇用とすべての人々のディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を達成する。

ターゲット1.C
1990年から2015年までに、飢餓に苦しむ人々の割合を半減させる。

目標2「普遍的な初等教育の達成」 ターゲット2.A
2015年までに、すべての子どもたちが、男女の区別なく、初等教育の全課程を修了できるようにする。
目標3「ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上」 ターゲット3.A
できれば2005年までに初等・中等教育において、2015年までにすべての教育レベルで、男女格差を解消する。
目標4「幼児死亡率の引き下げ」 ターゲット4.A
1990年から2015年までに、5歳未満の幼児の死亡率を3分の2引き下げる。
目標5「妊産婦の健康状態の改善」 ターゲット5.A
1990年から2015年までに、妊産婦の死亡率を4分の3引き下げる。

ターゲット5.B
2015年までに、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の完全普及を達成する。

目標6「HIV/エイズ、マラリア、その他の疫病のまん延防止」 ターゲット6.A
2015年までに、HIV/エイズのまん延を阻止し、その後、減少させる。

ターゲット6.B
2010年までに、必要とするすべての人々は誰もがHIV/エイズの治療を受けられるようにする。

ターゲット6.C
2015年までに、マラリアその他の主要な疾病の発生を阻止し、その後、発生率を下げる。

目標7「環境の持続可能性の確保」 ターゲット7.A
持続可能な開発の原則を各国の政策やプログラムに反映させ、環境資源の喪失を阻止し、回復を図る。

ターゲット7.B
生物多様性の損失を抑え、2010年までに、損失率の大幅な引き下げを達成する。

ターゲット7.C
2015年までに、安全な飲料水と基礎的な衛生施設を持続可能な形で利用できない人々の割合を半減させる。

ターゲット7.D
2020年までに、最低1億人のスラム居住者の生活を大幅に改善する。

目標8「開発のためのグローバル・パートナーシップの構築」 ターゲット8.A
開放的で、ルールに基づいた、予測可能でかつ差別のない貿易および金融システムのさらなる構築を推進する。

ターゲット8.B
後発開発途上国の特別なニーズに取り組む。

ターゲット8.C
内陸開発途上国および小島嶼開発途上国の特別なニーズに取り組む。

ターゲット8.D
開発途上国の債務に包括的に取り組む。

ターゲット8.E
製薬会社との協力により、開発途上国で必須医薬品を安価に提供する。

ターゲット8.F
民間セクターとの協力により、情報通信技術をはじめとする先端技術の恩恵を広める。

引用:国際連合広報センター MDGsの8つの目標

MDGsとSDGsの違いとは?

SDGsの17の目標ロゴ
SDGsとその前身となったMDGsにはどのような違いがあるか解説します。

SDGsには17の目標と169のターゲットがある

MDGsが8つの目標と21のターゲットで構成されているのに対し、SDGsでは17の目標と169のターゲットが設定されています。より多くの項目と細分化されたターゲットにより、どうすれば課題を解決できるのかが明確に表されているのです。

SDGsの17の目標には以下のようなものがあります。
目標1「貧困をなくそう」
目標2「飢餓をゼロに」
目標3「すべての人に健康と福祉を」
目標4「質の高い教育をみんなに」
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
目標6「安全な水とトイレを世界中に」
目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
目標8「働きがいも経済成長も」
目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
目標10「人や国の不平等をなくそう」
目標11「住み続けられるまちづくりを」
目標12「つくる責任 つかう責任」
目標13「気候変動に具体的な対策を」
目標14「海の豊かさを守ろう」
目標15「陸の豊かさも守ろう」
目標16「平和と公正をすべての人に」
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

MDGsとSDGsの比較

MDGsとSDGsにはどのような違いがあるのか、表で比較してみていきましょう。

MDGs SDGs
目標 8 17
ターゲット 21 169
対象 開発途上国のみ 開発途上国と先進国
目標設定 国や地域、多様性などは考慮しない。 国や地域レベルでターゲットを設定する。
取り組みの主体となる人 政府 政府・各自治体・企業・個人

SDGsはMDGsを引き継いだもの

MDGsは主に開発途上国の問題を解決することを目的として掲げられました。各国の政府が主導し目標達成に向けて取り組みましたが、開発途上国ではない国にも人々の抱える問題はあったため、取り残される人が生じてしまうこととなりました。また、持続可能な未来を実現するためには、環境や開発などさまざまな目標を達成しなければならず、目標の再設定と達成のための取り組みを見直すことが必要です。MDGsで達成できなかった課題をふまえ、持続可能な「誰も取り残さない世界」を実現するためにSDGsがかかげられました。

SDGsの達成には1人1人の協力が必要

SDGsの目標を達成するには、世界中に暮らす一人ひとりが協力する必要があります。環境問題の解決や、持続的なエネルギー開発を行っていくには、政府や企業の努力だけでは達成不可能です。現在問題となっているプラスチックゴミ問題や温室効果ガス削減のための取り組みなど、一人ひとりの小さな協力が大きな目標達成につながります。そのための第一歩は、SDGsの各目標や達成のためにできることを知ることです。そして小さなことから行動し始め、周りの人にもその大切さを伝えていくことが、SDGsという大きな目標を達成するためのカギとなります。

MDGsからSDGsになった理由とは?

2015年の国連総会により、MDGsから現在のSDGsへと世界共通目標が変わりました。
なぜMDGsからSDGsへと変化したのかを解説します。

MDGsは2015年を達成期限としていた

MDGsは2000年に国連で採択され、2015年を期限として取り組まれていました。期限までに達成できなかった課題もありましたが、それらはSDGsの達成目標とターゲットに包括され、現在も世界中で取り組まれています。それらはMDGsで解決できなかった脆弱な部分をカバーし、2030年までに完遂することを目標としているのです。

達成できなかったために「取り残された人々」

MDGsでは開発途上国の貧困や飢餓を解決するための取り組みが行われてきました。しかし、期限となった2015年になっても課題が残され、そのために「取り残された人々」が浮き彫りになってしまったのです。具体的には貧困問題における男女の差や、5歳未満児の死亡件数が多いこと、開発途上国の妊産婦の死亡率が高いことなどが挙げられます。この他にも教育の差や衛生的な水の使用などに不平等が生じており、2015年になっても多くの方々が苦しい生活を強いられている状況だったのです。

MDGsは失敗だったのか?

MDGsに対しては、達成できなかった課題が残ったことで「失敗したのでは?」という声もあがりました。掲げた目標が現実的ではなかったり、見逃していた問題が浮き彫りになったことで「失敗した」と言われているのです。

しかし、MDGsへの取り組みによって貧困率の減少やインターネットインフラの整備が進んだことも事実です。また、SDGsがより多くの問題に対して目標設定をできているのも、前身であるMDGsの取り組みがあったからこそと言えます。課題の残ったMDGsですが、決して失敗ではなく、世界中が次の目標達成に向かうための「経験値」になったと言えるでしょう。

MDGsの目標と達成状況

川沿いにある貧困層が暮らす住居
MDGsで掲げられた目標と、2015年時点での達成できた目標を見ていきましょう。

目標1「極度の貧困と飢餓の撲滅」

【ターゲット】
ターゲット1.A:1990年から2015年までに、1日1ドル未満で生活する人々の割合を半減させる。
ターゲット1.B:女性や若者を含め、完全かつ生産的な雇用と全ての人々のディーセント・ワークを達成する。(ディーセント・ワーク=働きがいのある人間らしい仕事)
ターゲット1.C:1990年から2015年までに、飢餓に苦しむ人々の割合を半減させる。

【最終成果】

  • 1日1.25ドル未満で暮らす貧困の人々は、19億人から8億3,600万人へ半減した。
  • 途上国や貧困地域における栄養不良の人の割合が23.3%から12.9%へ減少した。
  • 5歳未満児のうち、低体重の子供の割合が半減した。

【残された課題】

  • 男女間の賃金格差や所有する資産の差があり、女性の貧困率が高い。
  • 南アジアやアフリカの人々に貧困層や低体重児が集中している。

大きな枠組みでの貧困率は半減する成果となりましたが、途上国やジェンダー間の格差が生じていることがわかります。

目標2「普遍的な初等教育の達成」

【ターゲット】

ターゲット2.A:2015年までに、すべての子どもたちが、男女の区別なく、初等教育の全過程を終了できるようにする。

【最終成果】

  • 途上国の初等教育純就学率は80%から91%へ増加した。
  • 学校に通っていない初等教育学齢期の子どもは1億人から5,700万人へ減少した。
  • 15〜24歳の識学率は、83%から91%に向上した。

【残された課題】

  • 学校に通えていない子どものうち、3,300万人がサハラ以南のアフリカで生活している。
  • 初等教育の未就学児3,300万人のうち、55%が女子である。
  • 開発途上国内での最貧層世帯の子どもは、再富裕層世帯の子どもと比べて初等教育課程を終了していない割合が5倍以上を占める。

初等教育や15歳以上が学習する環境は改善が見られましたが、開発途上国の貧富の差と男女格差による就学率の問題が課題として残されています。

目標3「ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上

【ターゲット】
ターゲット3.A:できれば2005年までに初等・中等教育において、2015年までにすべての教育レベルで、男女格差を解消する。

【最終成果】

  • 途上国の3分の2以上で、初等教育の就学率の男女格差が解消。

【残された課題】

  • 初等教育の就学率に関する男女の格差が解消していない途上国のうち、56%がアフリカの国々である。

初等教育における男女格差は大幅に改善されたものの、開発途上国の男女格差が残される結果となりました。目標2で残った未就学児の多くが女子であることも含め、教育の男女格差が問題となっていることがわかります。

目標4「乳幼児死亡率の削減」

【ターゲット】
ターゲット4.A:1990年から2015年までに、5歳未満の用事の死亡率を3分の2引き下げる。

【最終成果】

  • 5歳未満児年間死亡数は1,270万人から590万人と、53%減少した。

【残された課題】

  • 毎日16,000人の5歳未満児が命を落としており、その大半は予防可能な病気が原因である。
  • 年間の5歳未満児死亡数は、アフリカ地域が最多の300万人、南アジアが180万人と特定の地域や開発途上国に多かった。

目標4でもやはり開発途上国の問題は深刻であり、飢餓や貧困、医療体制の不十分さによって多くの子どもが命を落としていることが示唆されました。

目標5「妊産婦の健康の改善」

【ターゲット】
ターゲット5.A:1990年から2015年までに、妊産婦の死亡率を4分の3引き下げる。
ターゲット5.B:2015年までに、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の完全普及を達成する。

【最終成果】

  • 妊産婦の死亡率は10万人あたり380人から210人に減少した。(死亡率は45%減少)
  • 熟練した医療従事者の立会いの下での出産は59%から71%に増加した。

【残された課題】

  • 妊産婦の死亡数はアフリカや南アジアなど開発途上国に集中しており、2013年における世界全体の86%を占める。
  • 医療従事者の立会いの下で出産できる地域には格差があり、東アジアが100%なのに対し南アフリカと南アジアでは52%に留まった。

経験豊富な医療従事者が出産に関わるようになったことで、妊産婦の死亡率は軽減しましたが、質の高い医療を提供されていない地域もあり、格差が生じることとなってしまいました。

目標6「HIV/エイズ、マラリア及びその他の疾病の万円防止」

【ターゲット】
ターゲット6.A:2015年までに、HIV/エイズのまん延を阻止し、その後、減少させる。
ターゲット6.B:2010年までに、必要とする全ての人々は誰もがHIV/エイズの治療を受けられるようにする。
ターゲット6.C:2015年までに、マラリアその他の主要な疾病の発生を阻止し、その後、発生率を下げる。

【最終成果】

  • HIVの新たな感染は、推定350万人から210万人と、約40%減少した。
  • 2000年〜2015年の間に推定620万人以上の命がマラリアから、2000年〜2013年の間に推定3,700万人の命が結核から守られた。

【残された課題】

  • 新規にHIV感染した若者(15〜19歳)のうち、3分の2は女性であること。
  • 15〜24歳の男女が有する、HIVに関する正しい知識は、経済状況や地域によって格差があり、経済的に貧しく、また農村部で暮らす若者のほうが、正しい知識を得にくい状況にある。

HIVから守られる若者は増加したものの男女格差があり、またHIVについての知識を学ぶことができる人も限られていることが課題となりました。

目標7「環境の持続可能性の確保」

【ターゲット】
ターゲット7.A:持続可能な開発の原則を各国の制作やプログラムに反映させ、環境資源の喪失を阻止し、回復を図る。
ターゲット7.B:生物多様性の損失を抑え、2010年までに、損失率の大幅な引き下げを達成する。
ターゲット7.C:2015年までに、安全な飲料水と基礎的な衛生施設を持続可能な形で利用できない人々の割合を半減させる。
ターゲット7.D:2020年までに、最低1億人のスラム居住者の生活を大幅に改善する。

【最終成果】

  • 改善された水源から安全な飲料水を入手できる人の割合は、76%から91%に向上した。
  • 新たに安全な飲料水を使用できるようになった人は26億人増加した。
  • 2015年までに、世界の人口の68%、新たに21億人が改善された衛生設備を利用できるようになった。

【残された課題】

  • 地表水を使う人の90%が農村部で生活している。(衛生的でない水を利用している。)
  • 貧富の差がトイレの利用率の差と関連しており、都市部や社会から離れて生活している人ほどトイレを利用できていない。

目標が掲げられた1990年と比較し、非常に多くの人が安全な飲料水や衛生環境を利用できるようになりました。しかし、2015年時点でも農村部や地方に住む人々は浄水されていない地表水を利用しており、地域格差が生じたままとなっています。

目標8「開発のためのグローバル・パートナーシップの推進

【ターゲット】
ターゲット8.A:開放的で、ルールに基づいた、予測可能でかつ差別のない貿易および金融システムのさらなる構築を推進する。
ターゲット8.B:後発開発途上国の特別なニーズに取り組む。
ターゲット8.C:内陸開発途上国および小島嶼開発途上国の特別なニーズに取り組む。
ターゲット8.D:開発途上国の債務に包括的に取り組む。
ターゲット8.E:製薬会社との協力により、開発途上国で必須医薬品を安価に提供する。
ターゲット8.F:民間セクターとの協力により、情報通信技術をはじめとする先端技術の恩恵を広める。

【最終成果】

  • インターネット普及率は世界人口の6%から43%まで増加し、新たに32億人がインターネットを利用できるようになった。
  • 2015年時点で世界人口の95%が検体電話の通話可能域で生活できている。

【残された課題】

  • 開発途上国のインターネット普及は遅れており、先進国の82%に対し、開発途上国では人口の3分の1に留まった。

インターネットの普及率増加は著しく、多くの人が情報を得られる社会に変化しました。しかし、途上国はインフラ整備が思うようには進まない結果となり、また多くの達成できなかった課題が残ることとなりました。

参考:日本ユニセフ協会 ミレニアム開発目標(MDGs)
引用:国際連合広報センター MDGsの8つの目標

MDGsの結果を受けてSDGsに求められること

MDGsの成果報告によって判明した、SDGsで達成すべき目標や取り組みを紹介します。

世界中の格差をなくす

世界中には現在も多くの格差が生じています。ジェンダーによる格差、先進国と開発途上国の貧富の差、宗教や思想の違いから生まれる格差など、その原因もさまざまです。日本でも働き方改革を実施するなど、所得格差を無くすための取り組みが試みられています。国内・国外問わず格差を無くしていくために、社会全体での取り組みと国際的な協力が必要とされているのです。

貧困と教育の不平等改善

MDGsでも取り上げられた貧困に苦しむ人を減らす取り組みは、SDGs目標1において「極度に貧しい暮らしをしている人をなくす」として引き継がれています。貧困を無くすことで世界中の人が安全かつ幸せに暮らせる世界を作らなければなりません。

また、開発途上国では貧困によって教育を受けられない子どもたちも大勢います。学習の機会や職業訓練を受けるための体制が整うことで、国そのものの経済が安定し、さらに開発が進むことでしょう。

5歳未満児の死亡数を減らす

MDGsへの取り組みによって5歳未満児の年間死亡率を減少こそできましたが、未だに年間500万人もの死亡が確認されています。飢餓や劣悪な環境、医療の脆弱さによって多くの子どもたちの命が失われているのです。SDGsでは5歳未満児の死亡率を2.5%以下まで減らすことを目標としており、達成のために開発途上国や辺地への支援が必要とされています。

妊婦死亡率を減らす

2015年時点では妊産婦死亡率が減少しましたが、2020年の報告では年間約29万人の妊産婦が亡くなっていることが明らかになりました。10万人あたりの死亡者数も2015年より増加しています。医療従事者の立会いの下、安全に出産できる環境の整備を進めなければなりません。そのためにも所得格差や地域格差を減らしていく必要があると言えるでしょう。

開発途上国に目を向ける必要がある

MDGsが採択されたきっかけでもあり、多くの課題を残すこととなったのが開発途上国の問題です。所得格差、インフラ未整備、飢餓や衛生問題など、多くの課題はアフリカや南アジアなどの開発途上国に残されています。開発途上国の問題を解決するためには、先進国を筆頭とした国際的な協力や支援が欠かせません。JICAユニセフなどの活動を通し、先進国に住む私たちも小さな協力をしていく必要があるでしょう。

「誰ひとり取り残さない世界」の実現のために

MDGsを経て掲げられたSDGsでは、世界中の不平等や格差を無くし、すべての人が幸せに暮らせる社会の実現を目指しています。達成すべき目標は多く困難にも思えますが、MDGsで達成できたことを見れば不可能ではありません。一人ひとりの協力と世界中の問題への認知により、2030年までの目標達成に近づくことができます。「誰ひとり取り残さない世界」の実現のため、自分にできる小さなことから目を向けていきましょう。

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。
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