循環型社会とは?必要な理由や実現のためにできる取り組みをわかりやすく解説

循環型社会とは?必要な理由や実現のためにできる取り組みをわかりやすく解説

2023.04.26(最終更新日:2024.06.24)
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「循環型社会って聞いたことはあるけど、内容まではよく知らない…」という方も多いのではないのでしょうか。
実は循環型社会は、全世界で実現に向けた取り組みを進めており、注目されています。さらに、循環型社会が実現することにより、昨今注目されている持続可能な開発目標(SDGs)の達成も実現できるのです。よって、循環型社会の内容を理解しておくことは、現代社会に生きる私たちにとって非常に大切なことといえるでしょう。
本記事では

  • 循環型社会とは何なのか
  • 循環型社会が必要な理由
  • 循環型社会の実現にむけての取り組み
  • 循環型社会に対して私たち個人ができること

などについて、わかりやすく解説します。

この記事を読めば、循環型社会がなぜ現代社会に求められているのかを理解でき、実現に向けて個人でできることを見つけられます。簡単にできることからはじめて、現代の環境問題解決に貢献していきましょう。

循環型社会とは

循環型社会とは、いったんどのような社会を表すのでしょうか。「循環」という言葉自体が聞きなれない人もいるかもしれません。
ではさっそく、循環とはそもそもどういうことを指しているのかみていきましょう。

そもそも循環とは何か

循環とは「めぐりめぐって、もとのところへ戻り、繰り返すこと」を指します。

中でも、循環型社会の指す循環とは、下記の2つが調和することです。

  • 自然の循環
  • 経済の循環

自然の循環でいえば、森林や植物が二酸化炭素を吸収し、酸素を作り出します。その酸素を動物や人間が吸収し、二酸化炭素を排出します。

このように、森林や植物などの自然が生み出したものを私たちが吸収する。また、人間や動物たちが出す二酸化炭素を自然が吸収し、自然が成り立つように、「めぐって繰り返すこと」を循環といいます。

経済の循環でいえば、生産から廃棄するまでの流れのことを指します。例えば、車を製造するとしましょう。車の製造過程には二酸化炭素が発生したり、廃棄処分する際にも環境に悪影響を及ぼす物質が発生する可能性があります。

その製造から廃棄するまでの過程で、できる限り環境に配慮した工程をふみ、経済を循環させていくこと。それが循環型社会の指す経済の循環です。

よって、循環型社会とは、自然と経済の循環がうまく調和した、環境に良い社会ということです。

循環型社会の目指す形

循環型社会が目指す社会は、環境への負荷をできる限り減らせている社会です。そのための方法として下記のようなことがあげられます。

  • ごみの発生そのものを抑える
  • ごみを再利用し、資源として活用する
  • 発生したごみは正しい方法で処分する

上記方法を事業者や私たち個人が行うことで、ごみ自体が減り、環境への負荷が減るため、自然と共存できた社会へと近づくのです。
(出典:群馬県循環型社会づくり推進計画
空になったペットボトルや瓶、紙箱が円状に置かれ、その中央に描かれたリサイクルマーク

循環型社会が必要な理由

では、循環型社会はなぜ必要とされているのでしょうか。その理由には現代の社会問題が大きく関わっています。
ここでは、循環型社会が現代で必要とされている理由についてみていきましょう。

人口増加・大量生産による廃棄物増大

世界に目を向けると、人口と廃棄物の量が爆発的に増加しています。世界人口は2022年に80億人を突破し、2010年から10億人以上も増えているのです。
(出典:NHK-世界の人口 80億人突破へ インドやアフリカなどで増加が顕著に-

人口が増えると同時に、食べものや日用品の消費が増えます。食べもの容器や日用品などは最終的にごみとして処分されるので、廃棄物が大量に増えることにつながるのです。

廃棄物は、環境省の調査研究によると、2050年には、なんと約270億トン(2000年の2.2倍)もの廃棄物量が予想されています。
(出典:環境省-世界の廃棄物発生量の推定と将来予測に関する研究-

廃棄物増大の理由は人口増加だけではなく、産業が発達し、大量生産が可能になったこともあげられます。

日本では1960年代から高度経済成長期がありました。この高度経済成長のタイミングで、コンビニやスーパーマーケット、ペットボトルが普及していきます。便利な生活を送れるようになったのは間違いないですが、その経済成長と同時にゴミが急増しています。
1960年に891万トンだったごみの量は、1975年には4217万トンにまで増大しています。
(出典:環境省-日本の廃棄物処理の歴史と現状-

このように、人口増加や経済成長に伴い、大量生産が可能となり、ごみの量が増大しているのです。このような「ごみの増加」を食い止めるべく、循環型社会が注目されました。

化石燃料などの資源がなくなる恐れ

循環型社会が必要とされる背景には、化石燃料がなくなるおそれがあることもあげられます。化石燃料とは、エネルギーを発生させる際に使われる燃料で、石油や石炭、ウランなどのことです。現代の状況のまま消費を続けていると、石油は50年、石炭・ウランは130年ほどでなくなってしまうのです。
(出典:TOKYO GAS NETWORK-天然ガスのひみつ-経済産業省資源エネルギー庁-第2節 一次エネルギーの動向-

化石燃料がなくなるとどのようなことが起きるのでしょうか。

化石燃料を燃やしたりすることで得られるエネルギーは、私たちの私生活の様々なところで使用されています。

例えば、車が動くにはガソリンが必要ですが、そのガソリンは石油です。その石油がなくなってしまうと車で出かけたりできなくなり、不便な生活を強いられてしまいます。

このように、化石燃料の枯渇は私たちの私生活に直結する問題なのです。よって、化石燃料を枯渇させないために、循環型社会が注目されはじめました。

地球温暖化の進行

地球温暖化の進行も循環型社会が求められている理由としてあげられます。1度は聞いたことのある地球温暖化ですが、循環型社会とどのような関係があるのでしょうか。

地球温暖化とは大気中の二酸化炭素濃度が上昇し、地球の温度が上昇することを指します。例えば、私たちが車を運転し、旅行に行くとしましょう。車を動かすには排気ガスが発生し、その排気ガスには二酸化炭素が含まれます。さらに、旅行先では空調の効いた過ごしやすいホテルや旅館で過ごせます。そのような空調の電力を発生させるためにも、資源が燃やされ、二酸化炭素が発生しているのです。

二酸化炭素は本来、太陽光を受け止め、地球の温度を温かく保つ役割があります。しかし、二酸化炭素が増えすぎると、大気中に留まる太陽光が増えることにつながり、地球の温度が上昇してしまうのです。
具体的には、人の活動により、工業化以前と比べ、2017年はで約1℃温暖化しています。対策をしなければ、2030年から2052年までの間に1.5℃に達する可能性が高いとされています。
(出典:環境省-第1章 地球環境の保全-

では、地球温暖化が進行するとどのようなことが起きるのでしょうか。例えば下記のようなことが発生します。

発生すること 理由
陸の減少 気温上昇により、南極や北極の氷が溶けるため
植物・動物の減少 地球温暖化で陸地が減ると、陸にあった植物は消滅してしまう
南極や北極の氷が溶けるとそこに生息している動物が生きていけないため
気候変動 氷が溶け、海が広がると雲の出来方や風に影響があり、気候変動が発生する
伝染病の増加 マラリアがアフリカなどの熱い地域で流行する恐れがある
マラリアは蚊に刺されることで伝染し、蚊は暑い地域に発生する傾向がある
食糧難 陸地が減少し、気候変動が発生すると田畑にも甚大なダメージを与える

これらの事態を防ぐためには、二酸化炭素の排出量を抑える必要がありますが、循環型社会にはその排出を抑える特徴があります。よって、循環型社会が現代社会で求められていることにつながるのです。

循環型社会の実現にむけて

ここまでなぜ循環型社会が必要とされているのか、その背景についてみてきました。それでは、その必要とされている循環型社会にむけて、世界や日本では具体的にどのような活動をしているのかみていきましょう。

世界の動き

世界の循環型社会の動きとしては下記のとおり、大きく3つの動きがあります。

  • アジア太平洋3R推進フォーラム
  • 使い捨てプラスチック流通禁止指令(EU)
  • サーキュラーエコノミーの推進

それぞれ詳しくみていきましょう。

【アジア太平洋3R推進フォーラム】
アジア太平洋3R推進フォーラムとは、簡単に言えば、アジア全体の循環型社会形成を目指す取り組みです。そして、3Rとは下記3つ頭文字を取ったもので、循環型社会の実現において非常に大切な考え方です。

3R 意味 具体例
Reduce(リデュース) ゴミを減らすこと ・買い物の際にマイバッグを持参する
・レジでお箸やおしぼりをもらわない
・食べ物を残さず食べる
Reuse(リユース) 使用済み製品や部品を繰り返し使うこと ・ビール瓶を洗浄・殺菌して使う
・洗剤やシャンプー容器に詰め替え品を入れて再利用する
・牛乳パックを小物入れとして利用
Recycle(リサイクル) 廃棄物をエネルギー源などに有効活用すること ・ペットボトルを衣類や食品用トレイに再生利用する
・ビニールを分解・洗浄し、パレットなどの製品へ利用する
・コンクリートのがれきを再度アスファルトやコンクリートへ再生利用する

アジア太平洋3R推進フォーラムは日本以外にも中国や韓国、オーストラリア、シンガポールなどのアジア39か国が参加しています。アジアが一丸となって、3Rを推進し、循環型社会の実現へと動き出しています。
(出典:環境省-アジア太平洋3R推進フォーラム-

【使い捨てプラスチック流通禁止指令(EU)】
欧州連合(EU)では、使い捨てプラスチック流通禁止指令があります。使い捨てプラスチック流通禁止指令とは、EU加盟国の使い捨てプラスチック製品の流通を禁止する法案です。流通が禁止されているプラスチック製品には下記のようなものがあります。

  • ストロー
  • マドラー
  • カップや食品などの容器

上記のようなプラスチック製品の流通を減らすことで、廃棄物発生量の削減に取り組んでいます。
(出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)-ビジネス短信-

【サーキュラーエコノミーの推進】
サーキュラーエコノミーとは上記3Rの取り組みに加え、更なるリサイクルや再利用を進めることにより、経済を活性化させることです。サーキュラーエコノミーにより、新たな雇用がうまれたり、産業の発達に寄与することが期待されています。

EUでは、2015年から「サーキュラー・エコノミー・パッケージ」を打ち出し、資源の循環とともに経済を活性化させる動きをみせています。具体的なパッケージ内容としては下記のようなことです。

  • 2030年までに食品廃棄物を半減する
  • 2030年までに包装材廃棄物を75%リサイクルする
  • 肥料に関する法令を改正し、有機肥料や廃棄物原料の肥料への認識を高める

このように、EU全体でサーキュラーエコノミーへ移行し、循環型社会の実現に向けて、動き出しているのです。

さらに、2020年にはサーキュラーエコノミーアクションが発表されました。2015年からのサーキュラー・エコノミー・パッケージの成果をふまえ、循環型社会形成に向けて取るべき行動をまとめています。重点分野として、電子機器と情報通信技術・バッテリー・車・包装・プラスチック・繊維・建築・食などがあげられ、循環する製品の設計や製造が進められています。

(出典:環境省-第2章 循環経済への移行-European Commission-Commission adopts ambitious new Circular Economy PackageEuropean Commission-Impacts of circular economy policies on the labour market Final report

日本の動き

日本では循環型社会の実現に向けて

  • 法整備
  • 官民連携

などを推進しています。それぞれ詳しくみていきましょう。

【法整備】
日本で循環型社会形成のために整えられた法律は下記のような法律があります。

法律 施行日 内容
循環型社会形成推進基本法 2001年1月 ・社会の物質循環の確保
・天然資源の消費抑制
・環境負荷の軽減
廃棄物処理法 2010年5月 ・廃棄物の排出、抑制、処理に関する法律
資源有効利用促進法 2001年4月 ・資源のリサイクル、分別回収に関する法律
グリーン購入法 2001年4月 ・国が率先して再生品などの調達を推進するための法律

<個別物品の特性に応じた法律>

法律 施行日 内容
容器包装リサイクル法 2000年4月 ・容器包装の市町村による分別収集
・容器の製造・容器包装の利用業者による再商品化
家電リサイクル法 2001年4月 ・廃家電を小売店等が消費者より取引する
・製造業者等による家電の再商品化
食品リサイクル法 2001年5月 ・食品の製造・加工・販売業者が食品廃棄物等を再生利用する
建設リサイクル法 2002年5月 ・工事受注者の建築物解体・廃材の再資源化
自動車リサイクル法 2005年1月 ・関係業者の使用済み自動車の取引
・フロンの回収、解体
・製造業者等のエアバッグ・シュレッダーダストの再資源化
小型家電リサイクル法 2013年4月 ・使用済み小型電子機器等を認定事業者が再資源化

※表は経済産業省-資源循環ハンドブック2021-をもとに作成

このように日本では、循環型社会推進基本法をもとに、周辺の法整備が進んでいきました。

【官民連携】
官民連携とは行政と民間が連携してサービスの向上をしていこうという取り組みです。循環型社会の例でいえば、「循環経済パートナーシップ(J4CE)」があげられます。

循環経済パートナーシップとは、行政と民間が連携して循環経済の理解と促進を強化していこうという取り組みです。J4CE(Japan Partnership for Circular Economy、ジェイフォース)とも呼ばれます。2021年に環境省と経済産業省、日本経済団体連合会が意見交換し、合意しています。

具体的な取り組み例でいえば、循環経済についての国内外への情報発信、日本の先進的な取り組みの発信などです。国、自治体、企業、個人が一丸となって取り組んでいます。
(出典:J4CE-循環経済パートナーシップ-

このように、日本では法整備と官民連携を推進することにより、循環型社会実現へ向けて動き出しているのです。

循環型社会の実現にむけた取り組み事例

ここまで、循環型社会が必要とされる背景や、世界・日本の動向をみてきました。では実際に循環型社会の実現に向けて、企業はどのような取り組みを行っているのでしょうか。

株式会社ユニクロ

ヒートテックやエアリズムなど、消費者にとってなくてはならない衣料品を提供している株式会社ユニクロ。各家庭にユニクロ製品があるといっても過言ではないほど、高機能で便利な製品を私たちに提供してくれています。

そんなユニクロですが、「RE.UNIQLO」という取り組みで循環型社会実現に向けて、貢献しています。RE.UNIQLOとは、ユニクロ製品をリサイクル・リユースする取り組みです。

ユニクロの店舗に行くと、「RE.UNIQLO回収ボックス」と呼ばれるユニクロ・ジーユー・プラステの服を回収するボックスがあります。そこに不要な衣類を入れると、リユースでそのまま活用するもの、リサイクルで新たに生まれ変わるものに仕分けられるのです。

リユースの場合、細かく18種類に分類され、世界各地の難民・避難民へ届けられます。リサイクルの場合は、独自の技術で商品に再生利用できるダウン・フェザーに再生されたり、二酸化炭素削減のための代替燃料に加工されるのです。

リユースもリサイクルも循環型社会の実現には欠かせない取り組みです。よって、リユース・リサイクルを行うユニクロは、循環型社会形成に大いに貢献しているといえるでしょう。
(出典:株式会社ユニクロ-RE.UNIQLO-

ナイキ

スポーツをする人にとって、欠かせないスパイクやユニフォームを提供しているナイキ。運動習慣のある人はナイキ製品を購入したことがあるのではないでしょうか。

ナイキも循環型社会実現に向けて動き出しています。例えば、下記のような取り組みがあげられます。

取り組み 内容
リサイクルポリエステルの使用 ・リサイクルポリエステルとは、回収されたペットボトル・繊維製品、フィルムくずから作られる再生原料のポリエステル
・このリサイクルポリエステルを使用し、デザイン、製品つくりをすることで、10億本のペットボトルが埋め立て地などに行くことを防いでいる
廃棄物 ・ナイキエアという製品の製造過程で出る廃棄物は90%以上再利用可能
・エアバッグなどに再利用されている
物流 ・空輸を減らす、電気自動車での配送により、温室効果ガスの排出量削減に貢献
使用後製品・不良品 ・使用後の製品または不良品を寄付、修理、リサイクルする数量を2025年までに現状の10倍にするという目標を設定
・米国とヨーロッパのNikeストアの一部では、シューズのリサイクルプログラムを実施している
・1992年以降、リサイクルによりNike Grind(Nike が開発したリサイクル素材のコレクション)としてよみがえったシューズの素材は、1億3,000万ポンド(およそ5,900万kg)にのぼる
梱包 ・ビニール製のエアー緩衝材の使用を止め、一連の廃棄物処理におけるプラスチック排出量を年間約90tの削減を実現

※表はNIKE NEWS-ナイキのサステナビリティへの取り組み-、NIKE-サステナビリティに配慮して古いシューズを処分するには-をもとに作成

ナイキの取り組みは、3R(Reduce、Reuse、Recycle)であり、循環型社会の実現になくてはならない活動といえます。

アート引越センター株式会社

引っ越しといえばアート引越センターといえるほど、日本で普及している引っ越し業者のアート引越センター株式会社。引っ越し業界でも循環型社会実現に向けて、企業努力を行っています。具体的な取り組み内容を下記表にまとめました。

取り組み 内容
ごみゼロの引っ越し ・「エコ楽ボックス」という梱包の際に紙資源を使わずに梱包できるボックスを使用
・使用済みダンボールを回収し、再利用する
資源ごみ削減 ・従業員にエコバッグを配布し、私生活の買い物でレジ袋を使用しない
オンライン見積 ・オンラインで見積もりが完結するため、営業担当が車で移動する必要がなくなり、二酸化炭素削減につながる
・オンライン見積で使用する資料はデジタル化されているため、紙資源の節約につながる
グリーンディーゼル車の導入 ・二酸化炭素、窒素酸化物、粒子状物質の排出量を減少させる環境性能に優れたクリーンディーゼル車を導入

※表はアート引越センター株式会社-アートグループのSDGs-をもとに作成

どの取り組みも、3Rのうちの1つ、Reduce(リデュース)につながっており、リデュースは循環型社会実現の取り組みです。よって、アート引越センター株式会社も循環型社会実現に向けて、貢献している企業といえるでしょう。

循環型社会の実現に向け、私たちができること

ここまで循環型社会の実現に向けた企業の取り組みをみてきました。それでは、私たち個人ができることとはいったい何なのでしょうか。その答えは5R(ファイブアール)を意識することです。5Rとは、先ほど紹介した3RにRefuse(リフューズ)とRepair(リペア)を加えた考え方です。

5Rを意識した生活をすることでごみそのものが減るため、循環型社会実現につながります。ここでは、私たちができる5Rの具体的な行動を紹介します。
リサイクル、リフューズ、リペア、リユース、リデュースと書かれたロゴが五角形に並べられ、中央に「5R」と書かれたイラスト

Reduce(リデュース):ごみを減らす

Reduce(リデュース)は「減らす」という意味なので、ごみの発生自体を減らしたり、なくすことです。例えば、下記のような行動がReduceといわれます。

  • 買い物に行く際、あらかじめ献立を立てて、消費できる量だけ買う
  • 食事する時は残さず食べる
  • 流行に左右されず、長く着られる服を買う


どれも簡単にできるので、本記事を読んで興味がわけば、すぐに意識してみてください。

Reuse(リユース):繰り返し使う

Reuse(リユース)とは「繰り返す」という意味で、ものをすぐに捨てずに、繰り返し使用するということを指します。私たちができるReuseは下記のような行動です。

  • リサイクルショップやフリマアプリを使用し、中古品を購入する
  • 割り箸を使用せず、何度も使えるお箸を買う
  • 不要になった衣類などを他人に譲る


「いらない」と感じたものが、他人にとって、必要である場合は多くあります。いらないと感じたらすぐ捨てるのではなく、アプリなどを利用し、他の人が必要としているか確認してみてはいかがでしょうか。

Recycle(リサイクル):再生利用する

Recycle(リサイクル)は「再生利用」という意味で、5Rの中でも最も聞いたことがある言葉ではないでしょうか。具体的な行動は下記のようなことです。

  • スーパーなどで置かれているリサイクルボックスにペットボトルなどを出す
  • ごみを分別ルールを守り、処分する
  • リサイクル商品を購入する


ペットボトル1つを取り上げてみても、ボトル、キャップ、ラベルと分けて捨てることができているでしょうか。最近ではラベルレスボトルも販売しているので、分別が面倒と感じる方はラベルレスボトルの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

Refuse(リフューズ):不要なものは断る

Refuse(リフューズ)は「断る」という意味です。不要なものを断り、ごみを減らすことは循環型社会の実現につながります。具体的な行動は下記のとおりです。

  • マイバッグを持参し、レジ袋をもらわない
  • 割り箸やお手拭きをレジでもらわない
  • 不要なサンプル品を断る


マイバッグはレジ袋有料化に伴い、かなり浸透しつつあります。レジでついつい受け取ってしまいがちな割り箸やお手拭きも、不要であれば断りましょう。

Repair(リペア):修理して使う

5Rの最後はRepair(リペア)です。Repairは「修理する」という意味で、ものを捨てる前に修理して使うことを指します。私たちができるRepairは下記のようなことです。

  • 壊れたものを修理できないか調べる
  • 汚れてしまった靴や洋服を捨てずに、専門店で修繕する
  • 服のボタンが取れたら、捨てるのではなく、縫って再度取り付ける


「修理できないかを調べる」という行動そのものもRepairにつながる行動です。「捨てる」から「修理」へ意識を変えていき、循環型社会の実現に貢献していきましょう。

まとめ:循環型社会の実現のためにできることからはじめよう

今回は、循環型社会について解説しました。重要な内容は以下のとおりです。

  • 循環型社会とは自然と経済の循環がうまく調和した環境に良い社会
  • 循環型社会は廃棄物増加、資源の枯渇、地球温暖化などの現代の社会問題が背景にある
  • 循環型社会の実現にむけて日本では、循環型社会形成推進基本法をもとに法整備が進んでいる
  • 循環型社会に対して私たち個人ができることは5Rを意識した生活を送ること


循環は「めぐって繰り返す」ことを意味し、循環型社会は自然と経済の循環が調和する社会のことです。循環型社会が注目された背景には現代ならではの社会問題を解決しようという目的があります。
そのような循環型社会実現に向け、世界各国が協力し、法整備を進め、動き出しています。国だけではなく、個人にもできることはたくさんあり、5Rを意識した生活を送ることで、循環型社会の実現に近づくのです。あなたも循環型社会に対して、簡単にできることからはじめてみませんか。

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。
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