フードロスを通じてSDGsに取り組む鮮魚丸松。地元福井の鮮魚と環境問題にかける想い
鮮魚をメインに、福井県で事業を展開する「鮮魚丸松」にインタビュー。フードロスを始めとするSDGsの取り組みについて、代表の五島さんにお話を伺いました。
事業を始めるに至った経緯や現状、具体的な事業内容から、SDGsへの想いやこれからの活動についてまで詳しくお聞きしました。
福井の新鮮な魚介で事業を展開する鮮魚丸松
福井で新鮮な魚を扱いSDGsに貢献している鮮魚丸松。事業を始めるに至ったきっかけは何だったのか、また、鮮魚丸松とはどんな会社でどのような特徴があるのかを聞いていきます。
家業の借金からのスタート。新たな資金集めのために鮮魚丸松を始める。
───本日はよろしくお願いします。まずは五島さんのご経歴をお聞かせいただけますか?
五島さん もう30年前の話になりますが、私の父親が鮮魚卸の会社を経営していました。私は次男だったこともあり、会社を継ぐつもりもなく、医学系の道に進むために大学に進学していました。しかし会社が倒産するという電話があり、帰らざるを得なくなったんです。
帰ってみると借金がかなりの額になっていることを知ったのですが、当時は金融の知識もなく「とにかく借金を返さなくてはならない」との想いだけで兄と一緒に事業を始めました。20年間で当初あった借金の60%から70%は返済できたのですが、それでもまだ数億円の借金が残っていたんです。そんなとき、兄が会社を離れてしまいました。
───では、それからはお一人で?
五島さん はい。私一人で借金を背負うことになるのですが、当時の会社をそのまま運営し続けるのは困難でした。そこで、借金の返済を続けつつ、新たに資金を集めることも同時に行いました。そして今から7年前に鮮魚丸松を立ち上げることができたんです。設立から1年後には銀行との取引も始まり、ドラッグストアと業務提携を結んで店舗展開をしたり、飲食や物販なども始めました。
───そんな経緯があったのですね。
五島さん 鮮魚丸松を立ち上げてからも課題の連続でした。
現在の魚の水揚げ量は、20年前の半分になっています。現状の水揚げ量で資源を有効活用する必要があり、そこで考えたのが、現在著しく進み始めた冷凍技術を利用して、魚を冷凍し、必要に応じて製品化するという方法です。
方針を基に事業計画を策定したのが今から3年以上前になりますが、2022年の2月に新工場が完成し、現在のビジネスに至っています。
現在は道の駅や寿司屋など複数事業を展開して良い流れに
───鮮魚丸松の事業を教えてください。
五島さん 鮮魚丸松では現在、全部で6店舗を運営しているのですが、まず福井市内に物販店舗が一軒あります。あと料理店が一軒と加工場が一軒です。
さらに、新幹線の越前たけふ駅前にできた「道の駅越前たけふ」の管理と運営を行っており、こちらでは物販と飲食の事業を行っています。
寿司屋も2軒経営しており、こちらはいわゆる「グルメ寿司」と呼ばれる100席程度の大型の店舗になります。
───いろいろな店舗を運営なさっているんですね。それだけの店舗数を運営するとなると、従業員もかなりの数になると思いますが。
五島さん 私たちのチームには職人だけでも20人から30人程が在籍しています。正社員は約50名、アルバイトさんを含めると全体で100名以上の規模になりますね。従業員数の増加に伴い責任も日々増え続けていますが、おかげさまで現状はかなり良い流れに乗れていると思っています。
抜群の鮮度を生かし、高評価と安定した収益を獲得
───鮮魚丸松の特徴と言えば抜群の鮮度を誇る魚だと思うのですが、やはり仕入れに秘訣があったりするのでしょうか?
五島さん まず第一に、私たちの店舗が全て港に近い立地にあるということです。そして私たちは港で魚を購入する権利を保有しており、福井県内の3ヵ所の港で競りに参加することが可能なんですね。
さらに大きいのが、中央市場で扱われる商品を、出す前の段階で競合よりも早く大量に手に入れられる点です。早く大量に仕入れることによって、鮮度があり、コストパフォーマンスの良い商品を店頭に並べることができるんです。
───新鮮な魚が手に入るのも納得ですね。
五島さん 一方、大量に仕入れた商品は工場で適切に加工もしているんです。結果、県内や地元のお客様から、新鮮で価格にも優れた商品を提供しているとの高い評価もいただいています。
全ての店舗が新鮮な魚を主力商品としているのですが、「道の駅越前たけふ」は中でも異色なんです。全国的に見ても、魚を扱う卸売業者が経営する道の駅は珍しく、それが他の道の駅との大きな差別化要因になっています。道の駅の運営によって、県外のお客様にも非常に新鮮な魚を見ていただくことが可能です。
───運営されているお寿司屋さんも、新鮮で美味しいんでしょうね。
五島さん 私たちの寿司屋に多くの引き合いがあるということは、味の点でも評価いただいていると受け止めています。私たちの寿司屋は金沢の有名な回転寿司をベースにしているのですが、そこのネタよりも大きく、新鮮である自信があります。
価格はさすがに100円寿司よりも高いですが、その分ネタの大きさは100円寿司の倍はあるので、コストパフォーマンスは高いです。そこが既存の寿司屋と差別化できている点ですね。
福井の新鮮な魚が、購入から最短30分で店頭に
───福井の魚の良いところを教えてください。
五島さん 福井の魚が他で取れる魚より優れているとは一概に言えませんが、それぞれの産地にはそれぞれ独自の良さがあると思っています。
例えば太平洋側で取れる魚、特にサバなんかは大きくて身が柔らかいことが多いですが、日本海側の福井や石川で取れる魚は、しっかりとした身が特徴です。そのまま下ろしてお刺身にすることが多く、「のどぐろ」などが有名ですね。こののどぐろやガスエビなど、産地に来ないと食べられないものがいっぱいあります。
当社では冷凍して鮮度を保ったまま販売しているので、いつ来ていただいても美味しいガスエビやカニなどを取り揃えて待っています。
───美味しそうですね。
五島さん 福井の海岸はリアス式海岸で湾が多いため養殖に適していて、福井県では産地特有の養殖魚のブランド化が進んでいるんです。福井サーモンや福井マハタ、若狭フグ、若狭ブリ、敦賀マダイなどが海岸で養殖されて水揚げされています。
水揚げされた魚は約半日で私たちの会社に届くので、道の駅のレストランや私たちの寿司屋で、新鮮なお刺身やお寿司として堪能していただくことが可能です。
さらに、私たちの店舗自体が港から約30分の位置にあるため、バイヤーが購入した商品を早ければ30分後には店頭に並べることができるんです。
鮮魚丸松はフードロスでSDGsに取り組む
新鮮で美味しい魚を提供している鮮魚丸松は、SDGsへの取り組みも積極的に行っています。どのような取り組みでSDGsに貢献しているのか、また、活動を通して大変だったことは何なのか。鮮魚丸松の具体的な取り組みについて聞いていきます。
魚へのリスペクトを忘れず、捨てられる魚をも有効活用している
───では次に、SDGsの取り組みについてお伺いします。どのような取り組みを行っていますか?
五島さん 主にフードロス削減に取り組んでいます。
まず、基本的な考え方として私が社員に伝えているのは、余った商品をただ古くなったからと言って捨てるのは許されないということです。例えばアジなら、骨を抜いて衣をつけて冷凍しておくなど、一手間加えることで商品の価値は大きく変わります。廃棄になる場合でも、捨てるくらいなら持って帰って食べるように指示します。実際に食べることで、自分たちの商品をどうすればもっと美味しくできるのか、どうすればもっと売れるようになるのかを考えるきっかけになるんです。
───従業員の意識にも働きかける、素晴らしい考えだと思います。フードロスに対する取り組みを始めるきっかけは何だったのですか?
五島さん かつて私たちは主に卸売りや問屋業を行っていましたが、商品が必ずしも完売するわけではなかったんです。余った商品を-2℃から-30℃程度の業務用冷凍庫で凍結保存していたのですが、それでも不良在庫が増えていきました。
何か手だてがないか考え、5年ほど前に私たちの板前でコンテストを開催したのですが、そこでできたのが現在も自社で製造している「エビカツ」です。結果、以前は無理に冷凍していた素材を、加工して商品化することが出来るようになったんです。
───コンテストがフードロスに対する取り組みの始まりだったのですね。現在はどのような取り組みを行っていますか?
五島さん まず、港で規格外の小さい魚が仕分けのときに捨てられているのを見て、この捨てられる魚を活用できないかと考えました。私たちは港で直接魚を買う権利を持っているので、捨てられる規格外の魚を買い取ることを組合長に提案したんです。
例えば捨てられる魚が5キロあったとします。1キロ100円だと5キロで500円、これが10ケースあれば5000円で買い取ることになり、少しでも漁師さんの収入になるんですよ。
───フードロスに対する取り組みで漁師さんたちの助けにもなっているのですね。
五島さん さらに私たちは、購入した規格外の魚を新入社員や技術の未熟な社員に扱わせることで技術の向上を図っています。自分で作った料理を食べることで、どうやったら美味しく作ることができるか考えるきっかけにもなっています。非常に安価で購入することで、食材を無駄にせず社員の技術向上が図れます。そして安く商品を提供することでお客様にも還元できるのです。
私たちの店の職人は、1年程度という短い期間で一定のレベルの技術を身につけられるのですが、それはこの取り組みによって魚を扱う機会が多いからです。鮮魚丸松の職人は他の店よりも早く成長します。さまざまな魚を扱える技術を持った職人を、およそ1年から2年以内には育て上げることができるんです。
鮮魚丸松では、魚に対するリスペクトを忘れずに商品を作り、その心掛けがお客様にも伝わることを目指しています。
特注の凍結機を使うことで、持続可能なビジネスモデルを展開
──美味しさの秘密は抜群の鮮度だけではなく、取り組みによって磨かれた職人の技術も大きいのですね。
五島さん 当社で導入している特殊な冷凍設備も鮮度に関係しています。プロトン凍結機という特殊な設備を使うことで、魚の細胞を壊さずに凍結させています。細胞を壊さずに凍結することで鮮度が保たれ、美味しさを閉じ込めたまま保存することができるんです。
ただ、通常のプロトン凍結機では追いつかないほどの量を扱うため、業者さんに発注してカスタマイズを行い生産能力を大幅に向上させています。
───鮮度を保つためにそんな凄い設備を使っているのですね。冷凍設備は具体的にどのように生かされているのですか?
五島さん 例えばブリが大量に水揚げされたとき、最初は高かった価格が1週間ほどで大幅に下落して、最終的に廃棄されるという問題があるのですが、この問題の解決に一役買っています。大量のブリを引き取り、凍結して在庫として保管し、1年かけて製品化していく取り組みをしているんですね。
結果として、旬の美味しい魚を必要な時に必要な分だけ解凍して提供することが可能になっています。
また、価格が下落するタイミングとは旬を迎えているときであり、最も美味しく価格が安い時期をどう生かすかも大切です。例えばブリが旬を迎えるのは年に2回から3回程度ありますが、夏のブリは脂が少なく、身もかたいため冷凍には向きません。しかし価格が安いため一定の需要があります。油が少ないということは変色も早くなるので、だし醤油に漬け込むなどして生臭さを消す工夫を行った上で凍結します。
取り組みによって、魚の知識が豊富な職人の技術を生かした保存方法も実現できました。
───鮮度を保ち旬の美味しさを提供するために、多くの工夫がされているのですね。
五島さん 私たちの取り組みが評価され、今ではさまざまな業者さんから製品の依頼をされていますが、この成功は丁寧で細やかな仕事を評価された結果だと受け止めています。良い流れが形成できたことで、商品を廃棄したり、安値で投げ売りしなければならないといった状況を回避することができるようになりました。ビジネスとしてだけではなく、SDGsの観点からも大きな意義があると思っています。
現状の問題に対する独自の解決策と持続可能なビジネスモデルを通じて、鮮魚丸松は海産物の業界に新たな価値を提供しています。資源の保護という観点からもとても重要な取り組みです。
漁獲量が減少する中、私たちが取り組むことで海の資源を無駄なく活用し、持続可能な未来をつくり上げていきたいと考えています。
売れ残った魚でさえも、さまざまな方法で活用されている
───売れ残った魚も有効活用されているという話を伺ったのですが、どのような形で活用されているのでしょうか?
五島さん 売れ残った魚は、まずは寿司屋で利用しています。例えばレディースセットなどの手まり寿司にして、飾りも美しく仕上げているんです。その他の魚は、冷凍機を使って凍結します。
7~8月は魚がほとんど取れない「夏枯れ」という時期にあたるのですが、売れ残って冷凍しておいた魚を、この時期に寿司や刺身といった加工品として店頭販売しています。もちろん販売するときには時期外れの魚になりますが、凍結することで旬の美味しさを閉じ込めているので、旬の時期と変わらない味を楽しんでいただけます。自社で冷凍商品を作っている経験があり、管理が行き届いているために可能な取り組みです。
大手との取引が増え、年間数百トンの廃棄を防いでいる
───売れ残った魚でさえも、やり方によってはさまざまな活用が可能なんですね。フードロスの効果を教えてください。
五島さん 現在、販路には商社や上場企業など、大手企業様からの引き合いが増えているんですが、その結果10年前と比べて購入量が格段に増えています。当時は1ヵ月に1トンも購入していなかったのですが、現在では1ヵ月に50トンから多いときでは100トンもの魚を購入しているんです。
購入量が増えたことで、以前なら廃棄されていたであろう魚を1ヵ月で30トン程度防げていると考えています。1年間だと何百トンもの廃棄を防いでいる計算になるんです。また、魚を安値で放出せざるを得ない事態も防いでいますし、魚の廃棄防止に対する取り組みが進んできていると感じています。
廃棄を出さない取り組みでもSDGsに寄与している
───取り組みによる成果が、はっきりと数字に表れていますね。その他にもSDGsの観点から取り組んでいることはありますか?
五島さん その他の取り組みとしては、環境に配慮した行動、具体的には「徹底して廃棄を出さない」取り組みをしています。例えば最近ではカニの甲羅を洗浄し、タイの業者に販売しているんです。以前は捨てていましたが、需要があることを認識し販売するようになりました。
また、ブリの頭など以前は捨てていたものも、アウトレットマートなどに登録して安く販売しています。店頭販売でも、お客様のご希望によりブリの頭などを無料で提供する取り組みをしており、喜んで持って帰っていただいているんです。
飲食店でも、タイの骨に身が付いている部分を焼いて味噌汁にして出すなど、無駄なく使う努力をしています。紅ズワイガニの小指など、そのままでは使いようがない部分でも、味噌汁に加えるとカニの風味が出て美味しくなるんです。
───捨てられて、環境にとってマイナスになるはずだったものを、お客様へのサービスにまで昇華させるのは素晴らしいですね。
五島さん ただ捨てるのではなく、サービスとして提供したり持ち帰って利用してもらうことでお客様に喜ばれ、それが私たちのモチベーションにも繋がっていますし、もっとこうしたサービスを提供したいという意欲も湧いているんです。同じ考えをもつ人がもっと集まってくれれば良いなと思っています。
在庫管理の課題もスタッフの成長で乗り越える
───さまざまな取り組みをするにあたって、大変だったことを教えてください。
五島さん 私たちのような取り組みをするにあたっては、在庫管理というのが大きな課題になります。魚を冷凍して保存するためには、管理する人間が必要ですよね。しかし、ブリの骨などを在庫として抱えることについては、金銭的な価値を見出せないと感じるスタッフの中で疑問を生じさせてしまうこともあるんです。スタッフの疑問を解消するため、面談で一人ひとりに丁寧に説明しています。
在庫管理の取り組みは、他の仕事量が増える中で組織を揺るがす可能性もありますし、個別の対応は非常に困難です。また、お客様から「こんなものをお金にするのか」といった声が上がることもありますし、ご理解を得るのはなかなか大変です。
───確かに価値観が分かれるような問題は、ご理解いただくのに時間がかかりそうですね。
五島さん 最近では取り組みに理解を示してくれるスタッフも増え、物量が増えて大変な中でもしっかり在庫管理が行われていることは、とても良い進歩だと思っています。入庫日や使用時期などをきちんと把握し、提案までしてくれる従業員が増えるのはとてもありがたいです。
鮮魚丸松はこれからも北陸から笑顔を届ける
さまざまな取り組みからSDGsに寄与している鮮魚丸松。取り組みを応援したい、また純粋に商品を購入してみたい人も多いのではないでしょうか。
現地まで行くのが難しい方のために、手軽に購入する方法をお聞きしました。また、鮮魚丸松のこれからの活動や取り組みへの想い、読者の皆さんへのメッセージもいただきました。
ふるさと納税にも提供し、ECサイトでも購入可能
───鮮魚丸松の商品を購入してみたいけど、現地までは行くのが難しい方も多いと思います。遠方の方が購入できる方法はありますか?
五島さん まず購入とはちょっと違うのですが、現在福井県内の越前市と鯖江市で、ふるさと納税の返礼品として私たちの商品を提供しています。また10月からは福井市でもふるさと納税の返礼品に加わりますので、ふるさと納税を通じて私たちの商品をさらに多くの人にお届けできる予定です。
───ふるさと納税で自治体に貢献しながら、鮮魚丸松の商品がいただけるのですね。
五島さん その他、当社の商品はECサイトからお買い上げいただけるのですが、ECサイトをご覧いただくと、主力商品にはそれぞれのストーリーが書いてあります。例えば冷凍寿司はお米から開発した商品で、添えられているだし醤油も私たちの板前が手がけたものです。だし醤油は、量販店のバイヤー様からもボトルで作って欲しいと言われるほどの評価を得ています。
私たちの職人の技術が詰まった冷凍寿司は、6巻入り1種類、2巻入り2種類の全3種類があるのですが、店頭ではほぼ販売していないんです。現在ではECサイトでご購入いただくか、ふるさと納税の返礼品でしか手に入りません。
───新鮮で美味しいお寿司が、冷凍で手に入るというのも珍しいですね。
五島さん 私たちの冷凍寿司は冷蔵庫での解凍をはじめ、電子レンジの解凍モードや流水での解凍、自然解凍など、解凍方法も多様になっています。例えば、仕事から帰宅したあと冷凍室から寿司を取り出し、ぬるま湯で流水解凍をするとします。そうすると着替えをして食事の準備をしている間に、お米がほんのりと温かい美味しく食べられる状態に解凍できています。
さらに一度しっかりと冷凍することで、全国的に問題となっているアニサキスによる食中毒の心配がなくなります。解凍時に鮮度が戻るので、その他の食中毒の心配もほぼないです。「ほぼ」と言ったのは、解凍後に長時間放置されると生ものであるためさすがに少々心配だからです。しかし寿司には酢が効いており、酢がもつ解毒作用や殺菌作用により長時間放置でもしない限りは心配なく召し上がることができます。お米の美味しさを生かしながらも、安全性に配慮した商品作りを心掛けています。
───生ものでありながら、安心していただけるのは嬉しいですね。味の面でもやはりこだわりがありますか?
五島さん 私たちの商品は、解凍後でも「本当にこれが冷凍だったの?」と思うほど高品質なものを提供しています。そのクオリティは、お客様が来る前に解凍をしておき、何気ない顔で食卓に上げても冷凍商品だとは気づかれないレベルだと自負しております。現在のレベルに達するまで開発に長い時間をかけ、衛生面にも細心の注意を払っていますので、ぜひ一度その品質を体感していただきたいです。
また、越前市の市長にも取り上げていただいた「流水で解凍する海鮮の具」という商品もあります。流水で解凍する海鮮の具は地元の方にはチルド商品として、県外の方には冷凍商品として大変人気を博しております。ネット上で「これは面白い」と高評価をいただいていますので、興味を持たれた方はぜひ購入していただき、この面白さ、美味しさを体験していただけたらと思います。
優れた冷凍技術と職人の腕で、一年中美味しい魚を提供していく
───今後の事業展開や展望などをお聞かせください。
五島さん 元々私たちは卸売りがメインの会社でしたので、美味しい商品をご提供できる範囲は福井県内に限られていたんです。競合他社との価格競争や、良い商品を適正価格で提供するといった商売の本質を果たせないといった問題も多々ありました。特に、チルド商品のコストパフォーマンスを良くする挑戦は、魚種や漁獲量の減少により難しさを増していました。
しかし、冷凍技術の進歩に伴い私たちの工場は、日本海側では珍しいほどの高品質な生食用製品の製造が可能な工場になりました。北陸三県の美味しい商品を全国の皆さまに鮮度を保ったまま提供できる体制が整いつつあります。現在は福井県産にこだわり、越前ブランドを前面に押し出して活動しています。
───全国どこにいても、北陸の美味しい魚が食べられるのは嬉しいですね。他にも何か展開していく事業はありますか?
五島さん 私たちが加工するカニも、10月から大規模に販売を再開します。越前紅ズワイガニは7月と8月を除いて漁が可能なのですが、11月や12月に購入すると1杯当たり3000円から4000円もするんです。しかし高かった越前ガニも時期外れになると1000円前後まで下がるので、価格が下がったものを購入して工場で加工し、食べやすく仕上げています。この作業には多くの職人の技が必要なため、鮮魚丸松ならではだと思います。
私たちが一年中美味しい越前の魚やカニ、エビなどを提供しようする場合、冷凍技術を用いてその時点の鮮度を封じ込めるのが必須だと思います。例えば、北陸に来なければ食べられないガスエビなどは数が限られています。
鮮魚丸松なら、港で購入した海産物を基本的に36時間以内に凍結し、鮮度を保っています。お客様はこれらの商品を、いつでもどこでも食べたいときに楽しむことができるのです。
これからもチャレンジを続け、お客様を笑顔に
───最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。
五島さん 私たちはこれからも、より良い商品を提供し続けたいと思っています。北陸に来るのが難しい方にも、北陸の美味しい海産物を優れた冷凍技術で鮮度を保ってお届けしていきたいです。
私たちは商品を作る際、お客様の笑顔を想像しながら作っています。今後もお客様への想いを忘れず、環境問題に配慮した良い商品を作り続けますので、ぜひ一度私たちの商品をご賞味いただければと思います。
───本日は貴重なお話をありがとうございました!
鮮魚丸松はSDGsを通じて美味しさと笑顔を作り続ける
フードロスや環境問題を通じてSDGsに貢献している鮮魚丸松。環境問題に取り組みながら美味しさや安全性をも追及する姿勢は、企業としてとても素晴らしいと感じました。
鮮魚丸松の取り組みや商品に興味を持たれた方は、ぜひホームページを覗いてみてくださいね。
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