LGBTQとは?Qの意味や性的マイノリティの状況まで徹底解説

LGBTQとは?Qの意味や性的マイノリティの状況まで徹底解説

2023.09.29(最終更新日:2024.06.19)
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「LGBTの意味はわかるけど、LGBTQの「Q」の意味はわからない」という方は多いのではないでしょうか。LGBTQの「Q」は、Questioning(クエスチョニング)、Queer(クィア)のこと。つまり、性的指向や性自認が明確でない人のことを指しています。

本記事では、そのようなLGBTQを含め、下記のような内容について解説します。

  • 性のあり方を考える方法
  • LGBT、LGBTQ、LGBTQ+、LGBTQIAPKについて
  • LGBTQとSDGsの関係
  • LGBTQの現状や課題、困った事例
  • 企業のLGBTQに関する取り組み事例
  • LGBTQに関して私たちができること

この記事を読めば、LGBTQが日本や世界でどのように認識されているかを知り、性の多様性を理解するきっかけになるでしょう。まずは、LGBTQを知ることからはじめて、性的マイノリティの人たちが生きやすい世の中を作っていきましょう。

目次

セクシャリティを考えるアプローチ方法

はじめに、性のあり方を考える上で大切なアプローチ方法について解説します。
性のあり方とセクシャリティ(Sexuality)は同じ意味です。性のあり方を考えるには下記4つの方法があります。

  • 生物学的性
  • 性自認
  • 性的指向
  • 性別表現

それぞれ詳しくみていきましょう。

生物学的性(Sex)

生物学的性とは、外性器、内性器などの生物学的特徴により、性のあり方を考えることです。わかりやすくいえば、身体の性といえるでしょう。例えば、女性は妊娠出産や授乳ができますが、男性はできません。そのような、生物としての機能の違いから性に対してアプローチするのが生物学的性なのです。

性自認(Gender identity)

性自認とは、自分がどの性別であるかの認識のこと。例えば「男性」、「女性」、「男性と女性のどちらでもある」、「どちらでもない」というように、自分の性の認識はさまざまです。このように、自分の認識から性のあり方へアプローチする方法を性自認といいます。

性的指向(Sexual orientation)

性的指向とは、自分の性的な感情がどの性別に向けられているのかを示します。性的指向には異性愛、同性愛、両性愛から全く性的な関心がない人までさまざまな形があるのが特徴です。

性別表現(Gender expression)

性別表現とは、服装やしぐさ、言葉遣いなどから性へのアプローチをすることです。
上記で紹介した性のあり方を考える4つのアプローチをまとめると下記のとおりです。

性のあり方へのアプローチ 内容
生物学的性(身体の性) 戸籍に登録されている性。出生後に医師が性別を判断。
性自認(心の性) 自分の性に対する感じ方。身体的特徴が男性でも自分を女性と認識するなど、多様な形がある。
性的指向(好きになる性) 自分が誰を性的に好きになるか。異性だけでなく、同性や男女両方好きになることもある。一方で男女両方好きにならない形もあり、多様である。
性別表現(表現する性) 服装、言葉、しぐさなどからアプローチする性。上記、性自認が女性で性表現が男性という形もある。つまり、性自認と性表現は必ずしも一致しない。

生物学的性、性的指向、性別表現、性別表現を複合的に考えて、性のあり方にアプローチすることが大切といえるでしょう。

LGBTとは

LGBTQに入る前に、LGBTとはいったい何のことを指すのでしょうか。LGBTとは以下4つの単語の頭文字です。

  • Lesbian(レズビアン)
  • Gay(ゲイ)
  • Bisexual(バイセクシュアル)
  • Transgender(トランスジェンダー)

レズビアン、ゲイ、バイセクシャルは性的指向(好きになる性)による分類、トランスジェンダーは性自認(自分の生まれ持った性)による分類です。それぞれ詳しくみていきましょう。

それぞれ詳しくみていきます。

Lesbian(レズビアン)

LGBTのLはLesbian(レズビアン)のことです。レズビアンとは「女性を好きになる女性」を指します。つまり、「性的指向が女性」である女性ともいえます。

Gay(ゲイ)

LGBTのGはGay(ゲイ)の頭文字です。ゲイとは「男性を好きになる男性」。つまり、「性的指向が男性」の男性を指します。

Bisexual(バイセクシュアル)

続いて、LGBTのBはBisexual(バイセクシュアル)です。バイセクシャルとは、異性を好きになることもあれば同性を好きになることもある人たち。つまり、性的指向が男とも女ともいえるでしょう。

Transgender(トランスジェンダー)

最後はLGBTのTでTransgender(トランスジェンダー)。トランスジェンダーとは、生まれた時に医師に診断された性別とは異なる性を望む人たちです。トランスジェンダーは性同一性障害を含みます。
「セクシャリティを考えるアプローチ方法」、「LGBTとは」は下記参照
熊本市-LGBTなどの性的マイノリティサポートハンドブック-久喜市-別冊 LGBTなど性的マイノリティに関する用語解説-

性同一性障害:性同一性障害(GID: Gender Identity Disorder)とは、自分の生まれ持った身体の性と、心の性が一致していない状態。1953年にアメリカの内科医によって報告された。近年では、「性別違和」という言葉が使われている。理由は、「性同一性障害」では精神疾患の一つとして捉えられてしまうため。性同一性障害は精神疾患として捉えるより、「性の多様性の一部」として捉える動きが広まっている。
(出典:北九州市-こころのメッセージ-

LGBTQのQはQuestioning(クエスチョニング)、Queer(クィア)のこと

ここまでLGBTについて解説しましたが、現在では、LGBTQ・LGBTQ+・LGBTQIAPKといった関連する言葉があります。内容は下記のとおりです。

単語 意味
LGBTQ 「Q」はQuestioning(クエスチョニング)、Queer(クィア)の意味。性的指向や性自認が明確でない人、定義づけたくない人、わからずに悩んでいる人を指す。性的少数者を包括する言葉。
LGBTQ+ 「+」は性の多様性を表す。世の中にはたくさんの性のあり方があるため、包括的な意味を持たせている。
LGBTQIAPK LGBTにI(Intersex)A(Asexual)P(Pansexual)K(Kinky)が加わった言葉。「LGBT以外にも様々な性の多様性があることを示す。

LGBTQとは簡単にいえば、LGBT以外にもたくさんの性に対する考え方があるということを示すことです。「Q」は2つの意味があり、下記2つの意味を示します。

  • Questioning(クエスチョニング):自分の性を定義していないことを表す単語
  • Queer(クィア):性的マイノリティを包括的に表す単語

このLGBTQにもっと包括的に性の多様性を含めた言葉を「LGBTQ+」といいます。
LGBTQIAPKとは、LGBTにI(Intersex)A(Asexual)P(Pansexual)K(Kinky)が加わった言葉です。それぞれの内容は下記のとおりです。

単語 意味
I(Intersex、インターセックス) 身体的性が一般的に定められた男性・女性の中間もしくはどちらとも一致しない状態を持つ人。
A(Asexual、アセクシュアル) 他者に対して性的欲求を抱くことがないこと。
P(Pansexual、パンセクシャル) 相手の性のあり方に関係なく人を愛すること。
K(Kinky、キンキー) 特殊な性的嗜好を持つ人。

また、「LGBTQIAPK+」という言葉もあります。LGBTQに「+」がついて「LGBTQ+」というのと同様で、LGBTQIAPKに「+」をつけて性の多様性を表しています。
(出典:和歌山県-LGBT/LGBTQとは-明石市-LGBTQ+/SOGIEの基礎知識-自分らしく生きるPROJECT-LGBTQIAPKの意味とは?わかりやすく解説。LGBTだけではない性のあり方があることを理解しよう。-

LGBTという言葉はいつから使われ出した?
2006年にモントリオール宣言が出されてから広まったといわれている。モントリオール宣言とは、今まで性差別を受けてきたLGBTやインターセックスの人権確保を求める宣言。
(出典:公益財団法人日本女性学習財団-LGBT-

LGBTQに関する日本や世界の動き

では、LGBTQなどの性の多様性を認めるために、日本や世界はどのような活動を行っているのでしょうか。

【日本】
日本では、2004年に「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が施行。この法律により、トランスジェンダーの人が一定の要件を満たせば、戸籍上の性別を変更できるようになりました。

2015年には東京都渋谷区・世田谷区をはじめとして、「パートナーシップ制度」が導入されます。パートナーシップ制度とは、同性カップルやLGBTQ+のカップルを自治体が支援する制度。同性カップルを「互いを人生のパートナーだと誓い合う関係」として自治体が支援します。パートナーシップ制度は広がりをみせ、2023年には328もの自治体で導入されているのです。実際にパートナーシップ制度を利用したカップルは5171組にも上り、性の多様性の認知が広がっています。

【世界】
世界的な動きをみてみると、1990年にWHO(世界保健機関)が同性愛を精神疾患リストから削除。「同性愛は病気ではない」ということが世界的に認められています。

2011年にはSOGI(性的指向と性自認)に関する決議が国連人権理事会で採択されました。性的マイノリティの人権がいかに大きな課題であるか、国際連合を通じて世界的に認識されることになります。

続いて、2022年に発行されたWHOの国際疾患分類(ICD-11)。この新たな精神疾患の分類により、「性同一性障害」が疾患から除外されました。それに代わって、「性の健康に関する状態」という分類に「性別不合」が新設されます。つまり、性同一性障害が疾患ではないということを意味しているのです。

カップルの法的保障に注目すると、1989年にはデンマークで、婚姻に準ずる登録パートナーシップ法が成立しました。2001年にはオランダで世界初の同性婚が実現。さらに、2019年にはアジアで初となる同性婚が台湾で成立しました。そして、2023年現在、35もの国と地域で同性婚が認められている状況です。

このように、日本・世界でも性的マイノリティの人たちが生きやすい方向に進んでいるのは事実です。ですが、現在でも日本では同性カップルの法的保障がなかったり、世界でも同性間の関係が犯罪とみなされることも現実なのです。よって私たち一人ひとりが性的マイノリティの理解を深め、性の多様性が当たり前と思える世界を作っていくことが大切でしょう。
(出典:明石市-LGBTQ+/SOGIEの基礎知識-NIJI BRIDGE-LGBTQ等の性的マイノリティに関する「データ」と「アクション」を紹介-

多様な性のあり方

水色の壁一面に貼ってあるたくさんの色の人型の色紙
LGBTQやLGBTQIAPK以外にも性のあり方はさまざまです。ここでは、多様な性のあり方について解説します。

Xジェンダー

Xジェンダーとは、男性でも女性でもないと認識している性のあり方です。例えば、下記のような人が該当します。

  • 自分を男女の中間に位置する性と考える人
  • 男性でも女性でもあると考える人
  • 状況によって性自認が変化する人

LGBTのTransgender(トランスジェンダー)との違いがわかりにくいので、違いを下記のとおり記載しておきます。

  • トランスジェンダー:生まれつき与えられた性(男女どちらか)があるという前提で、他方の性へ移行を望む。生物学的性とは異なった性で生きるという性の移行を目指す。
  • Xジェンダー:男女のどちらかという男女二元論的な解釈をもたず、目指す性のあり方を明確にできない

トランスジェンダーは、仮に生まれた時点で医師に「男性」と診断されたとします。ですが、身体が男性でも女性になりたいという思いがあり、女性を目指す形です。与えられた「男女」という性に基づいて、他方をめざすことを指します。

一方でXジェンダーは生まれた時点で診断された「男女」という2つだけの認識(男女二元論的な解釈)を持ちません。男女の中間や男女両方といった性の認識をします。
(出典:J-Stage-Xジェンダーを生きる-

アンドロセクシュアル、ジニセクシュアル

アンドロセクシャル、ジニセクシャルの意味は下記のとおりです。

  • アンドロセクシャル:性自認(心の性)に関わらず、性的指向(好きになる性)が男性
  • ジニセクシャル:性自認にかかわらず、性的指向が女性

アンドロセクシャルとジニセクシャルの違いは、性的指向が男性か女性かの違いです。その際、自分がどのように性を認識しているかは問いません。
また、アンドロセクシャルはマセクシュアル、ジニセクシャルはウーマセクシュアルともいいます。

なぜアンドロセクシャルやジニセクシャルといった呼び方が必要なのでしょうか。それは、性の多様性に合わせた分類が必要だからです。

例えば、LGBTQのG(ゲイ)とは、男性を好きになる男性、つまり、「性的指向が男性」の男性を指します。しかし、ゲイだけでは、性自認が男性かわからない人のようなLGBTQのQ(クエスチョニング、クウィア)の人たちを呼ぶ方法がありません。そこで登場するのが、アンドロセクシャルやジニセクシャルです。アンドロセクシャルやジニセクシャルは性自認があいまいな人でも性的指向がわかれば分類できます。

デミセクシュアル、デミロマンティック

続いて、デミセクシュアル、デミロマンティックです。まず、「~セクシュアル」、「~ロマンティック」という言葉は下記を意味します。

  • ~セクシュアル:性的指向を表す接尾語
  • ~ロマンティック:恋愛指向を表す接尾語

つまり、両者の違いは恋愛感情と性的欲求の違いがあります。この違いを押さえたうえで、デミセクシュアルとデミロマンティックをみていきましょう。

デミセクシュアルとデミロマンティックの意味は下記のとおり。

  • デミセクシュアル:強い信頼関係がある人に対して抱く性的欲求
  • デミロマンティック:強い信頼関係がある人に対して抱く恋愛感情

デミセクシュアル、デミロマンティックの違いは信頼関係がある人に抱く感情が「性的欲求」か「恋愛感情」かの違いです。デミセクシュアルの人もデミロマンティックの人も、めったに性的欲求や恋愛感情を抱きません。強い友情や長い付き合いからうまれる信頼関係のある人にのみ、性的欲求や恋愛感情をもつ特徴があります。ちなみに「アセクシュアル、アロマンティック」という言葉もあり、他人に対して性的感情、恋愛感情を抱かない人を指します。

また、「~セクシュアル、~ロマンティック」という言葉は他にもあり、例えば、リスセクシュアル、リスロマンティックです。それぞれの意味は下記のとおり。

  • リスセクシュアル:相手に対して性的欲求を持つが、その相手から性的な感情を持たれることを望まない。
  • リスロマンティック:相手に対して恋愛感情を持つが、その相手から恋愛感情を持たれることを望まない。

リスセクシュアルもリスロマンティックも「相手からどのような感情を持たれるか」が重要です。リスセクシュアルは相手に自分と同じ性的欲求を持たれると感情が冷める特徴があります。リスロマンティックは相手に自分と同じ恋愛感情を持たれると自分の恋愛感情が冷める特徴があるのです。

このように、性のあり方は多種多様であることを知り、認知していくことが大切といえるでしょう。
(出典:JobRainbow-ウーマセクシュアル/マセクシュアルとは?【ジニセクシュアル/アンドロセクシュアルとも】-盛岡市-Marble~好きな色で生きる-

性的マイノリティに関する用語一覧

ここまで数多くの性的マイノリティに関する用語がでてきました。下記のとおり、大切な用語を一覧でまとめましたので、性的マイノリティを学習する際に参考にして下さい。

単語 意味
セクシュアリティ 性のあり方のこと。
~セクシュアリティ 性的指向を表す接尾語。
~ロマンティック 恋愛感情を表す接尾語。
生物学的性 生まれた時に医師に診断される性。戸籍上の性別。
性自認 生まれ持った性別にかかわらず、自分の性をどのように考えるか。
性的指向 どのような対象に性的欲求を抱くか。
性別表現 服装やしぐさ、言葉遣いなどから性へのアプローチをすること。
レズビアン 性自認が女性で女性を好きになる人。
ゲイ 性自認が男性で男性を好きになる人。
バイセクシュアル 男性・女性どちらも恋愛の対象になる人。
トランスジェンダー 生物学的性とは異なる性を生きたいと考えている人。
クエスチョニング、クィア 自分の性的指向や性自認がわからない人。
LGBTQ 「Q」はQuestioning(クエスチョニング)、Queer(クィア)の意味。性的指向や性自認が明確でない人、定義づけたくない人、わからずに悩んでいる人を指す。性的少数者を包括する言葉。
LGBTQ+ 「+」は性の多様性を表す。世の中にはたくさんの性のあり方があるため、包括的な意味を持たせている。
LGBTQIAPK LGBTにI(Intersex)A(Asexual)P(Pansexual)K(Kinky)が加わった言葉。「LGBT以外にも様々な性の多様性があることを示す。
Intersex(インターセックス) 身体的性が一般的に定められた男性・女性の中間もしくはどちらとも一致しない状態を持つ人。
Kinky(キンキー) 特殊な性的嗜好を持つ人。
アンドロセクシュアル 性自認(心の性)にかかわらず、性的指向(好きになる性)が男性。
ジニセクシャル 性自認にかかわらず、性的指向が女性。
デミセクシュアル 強い信頼関係がある人に対して抱く性的欲求。
デミロマンティック 強い信頼関係がある人に対して抱く恋愛感情。
リスセクシュアル 相手に対して性的欲求を持つが、その相手から性的な感情を持たれることを望まない。
リスロマンティック 相手に対して恋愛感情を持つが、その相手から恋愛感情を持たれることを望まない。
SOGI 全ての人が多様な性の当事者であることを表す。性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字からきている。
シスジェンダー 性自認と生物学的性が一致している人。
ヘテロセクシュアル 異性愛者。
アセクシュアル 他者に対して抱く性的欲求が少ないか性的欲求そのものがない人。
アロマンティック 他者に対して恋愛感情を抱かない人。
Xジェンダー 性自認が男性・女性に当てはまらないと感じている人。中性・両性・無性・不定性等とも表現される。
パンセクシュアル 男性・女性にかかわらず、性的指向が多様な性に対して向く人。
ノンバイナリー 男性・女性の性別に当てはまらない性のあり方。
アライ 性的マイノリティに対して理解し支援すること。
カミングアウト 自分の性自認や性的指向を打ち明けること。
アウティング 本人の承諾なしに、本人の性的指向や性自認を暴露すること。

上記以外にも性のあり方や、表現はあります。何よりも大切なのは、多様な性があることを知り、理解することだといえるでしょう。
表は下記サイト参照
法務省-多様な性への理解と対応ハンドブック-

LGBTQとSDGsの関係

では、近年話題であるSDGsとLGBTQはいったいどのような関係にあるのでしょうか。SDGsとは、簡単にいえば「現代の環境や人権、社会問題などを解決して継続的に維持できる社会を目指す目標」です。SDGsには17の目標と169のターゲット(目標達成ための方法)があります。
その17の目標のうち、LGBTQが大きく関わるのが目標5「ジェンダー平等を実現しよう」と目標10「人や国の不平等をなくそう」です。それぞれ詳しくみていきましょう。

目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

SDGsの目標5では「ジェンダーと平等を実現しよう」という目標を掲げています。内容は下記のとおりで、「5-1」のように「-」の後に数字がきているのが目標を表します。また、「5-a」のようにアルファベットがきているのがターゲットを示しています。

目標・ターゲット 内容
5-1 すべての女性と女の子に対するあらゆる差別をなくす。
5-2 女性や女の子を売り買いしたり、性的に、また、その他の目的で一方的に利用することをふくめ、すべての女性や女の子へのあらゆる暴力をなくす。
5-3 子どもの結婚、早すぎる結婚、強制的な結婚、女性器を刃物で切りとる慣習など、女性や女の子を傷つけるならわしをなくす。
5-4 お金が支払われない、家庭内の子育て、介護や家事などは、お金が支払われる仕事と同じくらい大切な「仕事」であるということを、それを支える公共のサービスや制度、家庭内の役割分担などを通じて認めるようにする。
5-5 政治や経済や社会のなかで、何かを決めるときに、女性も男性と同じように参加したり、リーダーになったりできるようにする。
5-6 国際的な会議※で決まったことにしたがって、世界中だれもが同じように、性に関することや子どもを産むことに関する健康と権利が守られるようにする。※国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画、北京行動綱領とそれらの検証会議の成果文書
5-a それぞれの国の法律にしたがって、女性も財産などについて男性と同じ権利を持てるようにし、土地やさまざまな財産を持ったり、金融サービスの利用や相続などができるようにするための改革をおこなう。
5-b 女性が能力を高められるように、インターネットなどの技術をさらに役立てる。
5-c 男女の平等をすすめ、すべての女性や女の子があらゆるレベルで能力を高められるように、適切な政策や効果のある法律を作り、強化する。

(出典:日本ユニセフ協会-5.ジェンダー平等を実現しよう-
では、上記目標5とLGBTQはどのように関係しているのでしょうか。「5-1」をみてみると、「すべての女性と女の子に対するあらゆる差別をなくす」とあります。LGBTQのLはLesbian(レズビアン)のことで、「女性を好きになる女性」を指すことは紹介しました。レズビアンのような性的指向の価値観が広く認知され、生きやすい世の中になることは、女性の差別がなくなることです。

つまり、女性の性の多様性を認めることが、SDGsの目標5を達成することにつながるといえるでしょう。

目標10「人や国の不平等をなくそう」

目標10「人や国の不平等をなくそう」もLGBTQと大きく関係しています。目標の内容は下記のとおりです。

目標・ターゲット 内容
10-1 2030年までに、各国のなかで所得の低いほうから40%の人びとの所得の増え方が、国全体の平均を上回るようにして、そのペースを保つ。※所得:お給料など働いて得るお金や、持っている資産からの収入など。
10-2 2030年までに、年齢、性別、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態などにかかわらず、すべての人が、能力を高め、社会的、経済的、政治的に取り残されないようにすすめる。
10-3 差別的な法律、政策やならわしをなくし、適切な法律や政策、行動をすすめることなどによって、人びとが平等な機会(チャンス)をもてるようにし、人びとが得る結果(たとえば所得など)についての格差を減らす。
10-4 財政、賃金、社会保障などに関する政策をとることによって、だんだんと、より大きな平等を達成していく。
10-5 世界の金融市場と金融機関に対するルールと、ルールが守られているか監視するシステムをより良いものにして、ルールが、よりしっかりと実行されるようにする。
10-6 世界経済や金融制度について何か決めるときに、開発途上国の参加や発言を増やすことによって、より効果的で、信頼できる、だれもが納得することのできる制度を作る。
10-7 計画にもとづいてよく管理された移住に関する政策を実施するなどして、混乱がなく安全で、手続きにしたがい責任ある形の移住や人びとの移動をすすめる。
10-a 開発途上国、特にもっとも開発が遅れている国ぐにに対して、世界貿易機関(WTO)協定にしたがって、貿易において、特別な、先進国と異なる扱い※をする。※先進国に安く輸出したり、国内産業を守るために輸入品に高い関税をかけるなど
10-b もっとも開発が遅れている国や、アフリカ諸国、開発途上の小さい島国、内陸の開発途上国などの、もっとも資金を必要とする国ぐにへ、それらの国の計画にそって、政府開発援助※や直接投資などの資金が流れるようにする。※政府開発援助(ODA):先進国の政府などが、開発途上国の経済や社会の発展、福祉の向上に役立つために、資金・技術を提供すること。
10-c 2030年までに、移住労働者※が、自分の国にお金を送る時にかかる費用が「送る金額の3%」より低くなるようにし、「送る金額の5%」を超えるような費用がかかる送金方法をなくす。※移住労働者:開発途上国から出稼ぎに出ている人など、母国をはなれて外国に出て働いている人

(出典:日本ユニセフ協会-10.人や国の不平等をなくそう-
こちらの目標10もどのような点がLGBTQと関わりがあるのかみていきましょう。

上記表の「10-3」には「差別的な法律、政策やならわしをなくし、適切な法律や政策、行動をすすめる」とあります。現在(2023年)、日本では、性的な差別をなくす政策がすすめられています。例えば、性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進に関する会議。この会議の目的は、性的指向やジェンダーアイデンティティの多様性を理解し、共生できる社会を目指すことです。

このような性的な差別をなくす動きは、SDGsの目標10を達成することに大きく関わるといえるでしょう。
外のガーデンのような場所で、木のテーブルを囲み談笑している様々な男女6人

LGBTQの現状と課題

ここまで性のあり方には多様な形があることを解説しました。では、LGBTQを取り巻く現状や課題はどのようなことがあげられるのでしょうか。

日本におけるLGBTQなどの性的少数者の割合は、5~8%という割合が出ています。つまり、20人に1人という割合で性的マイノリティの人たちは身近に存在しているのです。そのような身近な存在のLGBTQの人たちは、いったいどのような課題を抱えているのでしょう。

抱えている問題が表面化しにくい

LGBTQの課題として、抱えている問題が当事者以外に表面化しにくいことがあげられます。

理由は、LGBTQなどの性的マイノリティであることを打ち明けることができないためです。他人に性的マイノリティであることを打ち明けるには勇気がいります。打ち明けたとしても周囲に受け止めてもらえない場合もあります。そのような「打ち明けにくさ」が一人で問題を抱え込むことにつながってしまうのです。

カミングアウトの難しさ

本人が性的マイノリティであることを表明することを「カミングアウト」といいます。国の調査によると、「職場で自身の性的マイノリティを誰かに伝えているか」との問いに対して得られた結果は下記のとおりです。

  • シスジェンダー※のレズビアン:8.6%
  • シスジェンダーのゲイ:5.9%
  • シスジェンダーのバイセクシャル:7.3%
  • トランスジェンダー:15.8%

※シスジェンダー:生まれたときに割り当てられた性別と性同一性が一致し、それに従って生きる人
上記結果から、職場でカミングアウトできている割合は1割前後であり、カミングアウトの難しさがわかります。

アウティングの問題

カミングアウトに対して、本人の了解を得ず、本人が公にしていない性的指向や性自認を他人に広めることを「アウティング」といいます。

上記と同様の国の調査で、「アウティング」という言葉について「言葉も意味も知っている」と回答した割合は1割も満たしませんでした。つまり、アウティングを行っていたとしても、その行為自体がアウティングに該当するかわからない状況といえるでしょう。

性的マイノリティの当事者たちは、仮に相談窓口などが存在していても、アウティングを恐れて相談できないという問題があるのです。

トランスジェンダーの抱える問題

LGBTQのTはTransgender(トランスジェンダー)で、生まれた時に医師に診断された性別とは異なる性を望む人たちです。つまり、書類上の性別と自認する性別が異なります。そのことにより、トランスジェンダーの人たちは下記のような課題を抱えています。

  • 洋服屋で試着しようとしても試着を拒否される
  • 不動産屋から物件を紹介してもらえない
  • 自認する性別のトイレを利用できない

このように、トランスジェンダーの人たちは、日常生活を送る上で、生活しにくさを感じているのです。
「LGBTQの現状と課題」は下記参照
兵庫県-多様な性への理解を深めるために-厚生労働省-職場におけるダイバーシティ推進事業報告書-法務省-多様な性への理解と対応ハンドブック-

LGBTQ当事者が日常生活で困った事例

では、実際に性的マイノリティの人たちは日常生活を送る上でどのようなことに困っているのでしょうか。シーン別にみていきましょう。

学校生活

まずは学校生活での困った事例です。LGBTQの人たちは、学校生活において下記のような生活しづらさがあります。

  • 男女で分けられた校則により、髪の長さや服装が男女で決められている
  • トイレや更衣室が使用しにくい
  • 性的マイノリティであることでいじめに発展する

いじめに関しては、宝塚大看護学部の日高庸晴教授(社会疫学)が実施した調査があります。この調査によると、性的マイノリティの10代当事者の47.4%がいじめの経験があると回答しているのです。よって、多くの性的マイノリティが学生時代にいじめを経験していることが判明しました。

上記調査結果から、学校生活において、教師や子どもたちに性の多様性に対する正しい教育をすることが大切だといえるでしょう。

就労・就職活動

続いて、就労や就職活動における課題です。下記のような事例があげられます。

  • リクルートスーツが男女でわけられていて、抵抗がある
  • LGBTQであることを簡単にカミングアウトできる企業が少ない
  • カミングアウトしたとしても働き続けられるのか不安がある
  • 相談できる窓口がなく、悩みを1人で抱え込んでしまう
  • 社員寮に入居できない
  • 家族手当・扶養手当が認められない
  • 同僚や上司が性的マイノリティに対して理解がなく、差別的な発言を受ける

仮に企業に相談窓口があったとしても、その相談窓口からアウティングにつながり、広まってしまう可能性もあるのです。また、「男女」という2つの分け方自体が性的マイノリティの人たちにとっては生きづらさにつながっています。性の多様性を社会がもっと認知していく必要があるでしょう。

医療・公共サービス

医療や公共サービスを利用する際にも、LGBTQの人たちは困ることがあります。下記のような事例です。

  • 問診表で自身の性別を記入する際、自認する性別を記入できない
  • 呼び出しの際、フルネームを呼ばれることで他人にアウティングされる恐れがある
  • 病院の説明に同行することや同意書のサインが、同性パートナーに認められない
  • 同性パートナーでは面会を拒否される
  • 同性パートナーではルームシェア扱いになり、物件が探しにくい

病院での呼び出しの際、自認する性と生物学上の性が異なると、アウティングにつながる恐れがあります。病院側はそのことを認識して、名字だけで呼ぶなどの工夫が必要です。

企業のLGBTQに関する取り組み事例

ここまでみてきたように、性の多様性を社会全体が認めることは、性的マイノリティの人たちの生きやすさにつながります。では、企業はそのような性の多様性とどのように向き合っているのかみていきましょう。

川崎重工株式会社

海上輸送や鉄道車両製造を行い、日本のライフラインを支えている川崎重工株式会社。川崎重工株式会社では、LGBTQについて、下記のような取り組みを実施しています。

  • 社内セミナー開催
  • 社長メッセージの発信
  • LGBTハンドブックの発行
  • 「Kawasaki LGBT ALLYマーク」の配布
  • 「Kawasaki-LGBT行動宣言」の策定
  • 「同性パートナー登録規程」の作成
  • 「ビジネスネーム制度」の作成

社長によるLGBTについての発信や、社内のセミナー、LGBTハンドブックの作成。これらの活動は性の多様性を認める働きやすい環境作りにつながります。

「Kawasaki LGBT ALLYマーク」とは、自身がLGBTの支援者であることを周囲に示すことです。Kawasaki LGBT ALLYマークが社内で浸透し、アライが広く認知されること。それは、性的マイノリティの人たちが、自分の性のあり方に不安なく働けることにつながるのではないでしょうか。

さらに同社は、2020年に「同性パートナー登録規程」が作成しています。条件を満たしていれば同性パートナーとの婚姻関係を認める性の多様性を認める規定です。

また、2022年には、「ビジネスネーム制度」を新設。「ビジネスネーム制度」とは、従業員の性自認に応じた氏名で働ける制度です。

上記のような取り組みで、川崎重工はLGBTQの人たちが働きやすい環境作りに貢献しています。
(出典:川崎重工-ダイバーシティ-

三菱電機株式会社

テレビやエアコン、冷蔵庫などの家電製品で馴染みのある三菱電機株式会社。三菱電機株式会社では、LGBTQなどの多様性を尊重した働き方を重視しており、下記のような取り組みを行っています。

取り組み 内容
ダイバーシティ推進体制 ダイバーシティ推進室を設置し、LGBTQの当事者が働きやすい環境作りに貢献する。多様性に関する社内の施策や啓発活動に取り組む。
アライを増やす取り組み アライ希望者には、サポートブックの配布やLGBTQに関するイベントの参加を促し、性の多様性を周知する。
社員の理解促進 2020年から、LGBTQに関する研修実施。全従業員対象の「e-learning」を使ったLGBTQの理解を深める研修も予定している。
社外相談窓口の設置 外部専門機関による社外相談窓口を設置。社内ポスター等で広く周知し、LGBTQの人たちが相談しやすい環境を実現。

これらの取り組みを通じて、三菱電機株式会社では、LGBTQの人たちが働きやすい職場作りを目指しています。
(出典:三菱電機株式会社

スターバックスコーヒージャパン株式会社

都会では目にしない方が珍しいくらい有名なスタバ。皆さんも1度はスターバックスのコーヒーやフラペチーノを飲んだことがあるのではないでしょうか。

そのような、私たちの日常生活に溶け込んでいるスターバックスですが、LGBTQに関する取り組みが盛んに行われています。スターバックスでは、下記のような取り組みでLGBTQの人たちが生活しやすい社会を目指しているのです。

  • 「性別適合手術のための特別休暇」制度の導入
  • 「同性パートナーシップ登録」制度の導入
  • 「レインボー学校プロジェクト」の実施
  • インクルージョン&ダイバーシティ-NO FILTER –

スターバックスでは、2017年に2つの制度を導入しました。1つ目は「性別適合手術のための特別休暇」制度。性別適合手術により連続して5労働日以上にわたり就業が困難である場合、勤続年数に応じた日数の有給休暇が取得できる制度です。

2つ目の制度は「同性パートナーシップ登録」制度。申請のあった同性カップルに対し登録した同性パートナーを「結婚に相当する関係」、「配偶者と同等」とみなします。よって、同性パートナーは慶弔見舞等の特別休暇、育児や介護休職、転勤に伴うサポートや支援を受けられるのです。2021年には16名が同性パートナーシップに登録しています。このように、スターバックスでは、社内制度を通して性的マイノリティの人たちが働きやすい職場を実現しているのです。

また、スターバックスでは「レインボー学校プロジェクト」を実施。レインボー学校プロジェクトとは、LGBTQについて理解を深める出張授業を提供することです。2020年から「認定NPO法人ReBit」とともに共同で提供しています。教育関係者や若い人たちに対してLGBTQの理解を促し、認知を広めているのです。出張授業では、性的マイノリティの当事者や支援者がそれぞれの経験を語る場面もみられます。

さらに、レインボー学校プロジェクトに関連した商品も出しており、その売り上げの一部が寄付されています。つまり、レインボー学校プロジェクトは、LGBTQの人たちが生きやすい社会作りに貢献しているといえるでしょう。

上記のスターバックスのLGBTQに関する活動は「インクルージョン」と「ダイバーシティ」という考え方をもとに行われています。

インクルージョンは、人材の属性に捉われることなく平等に機会が与えられ、一体感を持って働く環境があること。ダイバーシティは、人材の多様性を認め互いに受け入れ合うことです。

そして、「NO FILTER」とはスターバックスが掲げるインクルージョン&ダイバーシティのメッセージ。つまり、「インクルージョン&ダイバーシティ-NO FILTER -」は、先入観や偏見などのフィルターを持たないことを指しています。全員がお互いを認め合い、一人ひとりが自分らしくいられることへの思いが込められているのです。

2019年の調査では、LGBTQ+の子どもの約7割がいじめを経験しています。一方で、LGBTQ+について学んだことがある中学生はわずか11%にとどまっているのが現実です。スターバックスの活動は、現在の状況から、性の多様性が広く認知される未来につながる活動といえるのではないでしょうか。
(出典:スターバックスストーリーズジャパン-受け入れ合う社会へ。スターバックスから広がるNO FILTER-スターバックスストーリーズジャパン-スターバックス コーヒー ジャパン 性の多様性に関する取り組みが評価され、「PRIDE指標」最高評価の「ゴールド」受賞および最も優れた事例に選定-認定NPO法人ReBit-多様な性に関する授業がもたらす教育効果の調査報告-

LGBTQに関して私たちができること

では、LGBTQについて、私たちができることはいったい何なのでしょうか。

性的マイノリティに関して知り、理解すること

まずは、性的マイノリティについて知り、理解することが大切です。「性的マイノリティに関する用語一覧」でも紹介しましたが、性のあり方は多様に存在します。

仮にその多様性を認知せずに生活していると、自分が意図しない形で性的マイノリティの人たちを傷つけてしまう恐れがあります。そのような事態を防ぐためにも、まずは性的マイノリティについて知ることからはじめて、認知することからはじめましょう。

SOGIハラ(そじはら)をしない

SOGIとは、全ての人が多様な性の当事者であることを表します。性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字からきている用語です。「SOGI」に「ハラスメント」がついてSOGIハラといわれます。つまり、多様な性のあり方を否定することがSOGIハラに該当します。

例えば、性的マイノリティの人たちに差別的な言動をとったり、嘲笑したりすることです。また、企業や学校でいえば、不当な解雇や入学拒否もSOGIハラに該当します。SOGIハラは性的マイノリティの人たちを精神的に追い込み、日常生活が困難な状況を作り出します。そのような状況を作らないためにも、私たちはSOGIハラしないことを徹底する必要があるでしょう。

アライ(Ally)になる

アライとは、性的マイノリティの人たちを理解し、支援していこうとする人です。アライが広く認知され、理解が進めば、性的マイノリティの人たちがより一層過ごしやすい世の中になるでしょう。

性的マイノリティの人から相談を受けたり、カミングアウトがあったら、拒否せず、受け止めることがアライにつながります。「性のあり方は多様である」という認識があれば、私たちでも簡単にできることです。

まとめ

今回は、LGBTQについて解説しました。重要な内容は下記のとおりです。

  • 性のあり方には4つのアプローチ方法があり、生物学的性、性自認、性的指向、性別表現
  • LGBTQの「Q」は「Q」はQuestioning(クエスチョニング)、Queer(クィア)の意味
  • LGBTQはSDGsの目標5、10に大きく関わる
  • LGBTQの当事者はカミングアウトの難しさやアウティングの恐れを抱えている
  • 企業や私たち一人ひとりが、LGBTQについて学び、理解することが大切

性のあり方(セクシュアリティ)にアプローチするには、4つの方法がありました。生物学的性(身体の性)、性自認(心の性)、性的指向(好きになる性)、性別表現(表現する性)の面から考える必要があります。

そのような性のあり方を象徴する言葉として、LGBTQが有名です。LGBTQの「Q」は「Questioning」、「Queer」を指し、性的指向や性自認が明確でない人を意味します。LGBTQに関連する言葉として「LGBTQ+」や「LGBTQIAPK」がありました。それぞれ、LGBT以外にも様々な性の多様性があることを示しています。

LGBTQはSDGsとも関わりがあり、特に目標5と10が大きく関係します。目標5は「ジェンダー平等を実現しよう」。目標10は「人や国の不平等をなくそう」です。

LGBTQの当事者が抱える問題を解決するためには、カミングアウトとアウティングを知ることが重要です。カミングアウトとは本人が性的マイノリティであることを表明すること。アウティングは、本人の了解を得ず、本人が公にしていない性的指向や性自認を他人に広めることです。当事者からカミングアウトを受けたら、絶対にアウティングせず、受け入れることが大切といえるでしょう。
私たち一人ひとりが、LGBTQについて深く学び、理解することが性的マイノリティの人たちの生きやすさにつながります。性の多様性を認め、よりよい社会作りに貢献していきましょう。

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。
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