不登校の原因や対応とは。その現状や解決策を分かりやすく解説

不登校の原因や対応とは。その現状や解決策を分かりやすく解説

2023.11.27(最終更新日:2024.07.05)
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「不登校」は年々増加しており、社会問題となっています。コロナ渦による生活や教育環境の変化もあり、子供達にとって大きなインパクトもありました。
「不登校」はSDGsにおける教育や不平等の目標にも関わる問題であり、定義や現状を確認しながら、対応・支援し、安心して教育が受けられる環境を整える必要があります。
これらのことを含め、不登校の原因や引き起こりうる問題、具体的な支援策などを分かりやすく紹介します。

不登校とは

まずは、具体的な「不登校」の定義や、混同されやすい「引きこもり」等との言葉の違いを確認しましょう。
不登校によって起こりうる問題やリスクについてもご紹介します。

不登校の定義

「不登校」について、文部科学省が公表している定義は以下の通りです。
「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。
出典:文部科学省-不登校の現状に関する認識

年間で30日以上の継続的な欠席があり、その理由が「病気」や「経済的理由」、さらに「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除いた場合を「不登校」と定めています。
不登校の具体例としては、友人や教職員との関係に課題があるため登校しない、遊びや非行のために登校しない、無気力で何となく登校しないなどが挙げられます。

さらに、国立教育政策研究所では、「準不登校」の基準を設けており、不登校になりそうな子供を事前に把握し、未然防止するための指標となっています。
「準不登校」は、以下の数式で導いた日数によって定めています。
欠席日数+保健室等登校日数+(遅刻早退日数÷2)=15日以上30日未満
出典:岐阜県教育委員会-不登校の未然防止 これだけは!

「ひきこもり」や「長期欠席」との違い

「不登校」と混同されやすい言葉として、「ひきこもり」や「長期欠席」がありますが、それらとの違いを見ていきましょう。
「ひきこもり」について、厚生労働省は以下のように定めています。
様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念
出典:厚生労働省-「ひきこもり」の定義など

「ひきこもり」は、6か月以上にわたる長期間、家でふさぎ込んでいる状況を指します。
「不登校」は学校に行かない高校生までの子どもを指すのに対し、「ひきこもり」はそれ以上の年齢の方を含む点で異なります。
「長期欠席」は、不登校の定義に含まれなかった病気や経済的理由などにより、学校に通えていないことを指し、やむを得ず欠席している状況となります。

不登校による問題は、勉学の遅れや社会的自立

不登校になることで何が問題なのか、詳しくは関係省庁等でもほとんど公表されていませんが、起こりうるリスクや問題を見ていきながら一緒に考えてみましょう。

・勉学の遅れ
学校へ行かないことで授業を受けることができず、勉強が遅れてしまいます。
勉強の遅れは、その後の進路に大きく影響することがあります。

・自己肯定感や自信の低下
周りが学校へ通っているにも関わらず、自分ができていないことに自信を無くしてしまう場合があります。
また、何かに挑戦する意欲を無くしてしまったり、周りの目を気にして外へ出にくくなってしまったりと、自己肯定感が低下し様々な問題につながる可能性があります。

・コミュニケーション機会の減少
学校へ行かないことで、多くの人と交流する機会が減り、集団行動の中で学んでいく協調性や多様性などの価値観を得られない可能性があります。
学校で様々な人と交流しながら活動していく経験や学びは、これから社会人となる上でも大切な土台となります。

日本における不登校の現状

外のベンチで黒いランドセルを抱えながら座っている男の子
続いて、日本における不登校の現状について具体的に見ていきましょう。
2022年度の小・中学校、高等学校の不登校数が発表され、過去最多に増えていることが分かりました。
実際の数値や傾向を確認しながら、不登校になる原因についても探ってみましょう。

小・中学校の不登校は激増し、過去最多

令和4年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、小・中学校における不登校は以下の状況です。

  • 小・中学校の不登校者数は299,048人(前年度244,940人)
  • 前年度より54,108人(22.1%)増加し、過去最多
  • 不登校児童生徒数は10年連続で増加
  • 在籍生徒に占める不登校生徒の割合は3.2%(前年度2.6%)
  • 過去5年間の傾向では、小・中学校ともに不登校児童生徒数及びその割合は増加中

小・中学校における全体の長期欠席者数は460,648人(前年度413,750人)となっており、新型コロナウイルスの感染回避によるものは23,660人(前年度59,316人)いることが分かっています。
小・中学校の不登校者数は年々増加を続けており、前年度に比べると2割以上が激増し過去最多となっている状況です。
小・中学校の不登校者数における内訳を見てみると、小学校105,112人、中学校193,936人となっており、小学1年から中学2年までは学年が大きくなるごとに不登校生徒数が増加していきますが、中学2年と3年はほとんど同じ人数となっている傾向にあります。
中学校の不登校生徒数は大幅に多く、反抗期や思春期がある時期でもあり、家庭で言い合いが多くコミュニケーションが上手くとれていない場合もあり、些細なことで心のバランスが崩れてしまうケースも多いでしょう。

そして、学校内外の機関等で相談・指導等を受けていない不登校生徒のうち、欠席日数が90日以上の者は59,232名となり、不登校生徒全体の19.8%を占めている状況です。(欠席日数が90日未満は54,985人、不登校生徒全体の18.4%)
不登校生徒のうち、学校内外の機関等で相談や指導を受けている生徒は、61.8%(前年度63.7%)に当たる184,831人(前年度156,009人)であり、そのうち、指導要録上出席扱いとした児童生徒数は、32,623人(前年度27,997人)と、増加傾向にあります。
また、不登校生徒のうち、自宅におけるICT等を活用した学習活動により指導要録上出席扱いとした児童生徒数は10,409人(前年度11,541人)いるとされています。

出典:文部科学省-令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要

高等学校の不登校も激増中

令和4年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、高等学校における不登校は以下の状況です。

  • 高等学校における不登校生徒数は60,575人(前年度50,985人)
  • 1,000人当たりの不登校生徒数は、20.4人(前年度16.9人)
  • 前年度から9,590人(18.8%)増加
  • 在籍生徒に占める不登校生徒の割合は2.0%(前年度1.7%)
  • 90日以上欠席した者は、不登校生徒数の17.2%(欠席日数30~89日は50,145人、不登校生徒数の82.8%)

高等学校における全体の長期欠席者数は122,771人(前年度118,232人)でしたが、新型コロナウイルスの感染回避によるものは9,256人(前年度12,388人)と減少傾向にあります。
高等学校における不登校生徒数の推移としては、令和2年度はコロナ渦による影響もあり減少していますが、令和3年度から再び増加を続け、令和4年は過去最多の不登校生徒数となっています。

出典:文部科学省-令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要

最も多い不登校の原因は「無気力・不安」

続いて、不登校になってしまう原因について、小・中学校のケースを見ていきましょう。
小・中学校における不登校の要因としては、理由が細かく分類されており、「学校に係る状況、家庭に係る状況、本人に係る状況」の3つに分けて集計されているので、割合の多いものからご紹介します。

1.学校に係る原因
・いじめを除く友人関係をめぐる問題は全体で27,510人、9.2%(不登校生徒数に対する割合)
・学業の不振は14,545人、4.9%
・入学、転編入学、進級時の不適応は9,303人、3.1%
・教職員との関係をめぐる問題は3,607人、1.2%

2.家庭に係る原因
・親子の関わり方による原因は 22,187人、7.4%
・家庭の生活環境の急激な変化による原因は7,722人、2.6%
・家庭内の不和による原因は4,831人、1.6%

3.本人に係る原因
・無気力、不安は154,772人、51.8%
・生活リズムの乱れ、あそび、非行は33,999人、11.4%

出典:文部科学省-令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

不登校になる原因として、半数以上が「無気力・不安」を挙げており、次いで「生活リズムの乱れ、あそび、非行」による本人由来の理由が多い状況となっています。
その他、友人や教職員との関係、親子関係といった人間関係に関連した理由も比較的多い割合です。
特に低学年においては、親と離れて過ごすことに対する分離不安や親族との別れなど、家庭環境の変化がきっかけとなるケースもあります。
中学校においては不登校生徒数が最も多いとお伝えしましたが、反抗期等が重なる多感な時期でもあることから、入学時の配慮や注意が必要でしょう。
学校に係る要因としては、学校のきまり等をめぐる問題や進路に係る不安など多くの理由が挙げられるため、その生徒に合わせた対応が重要となります。

高等学校における不登校の要因としては、以下のことが挙げられます。

  • 無気力、不安は24,223人、不登校生徒に占める割合は40.0%
  • 生活リズムの乱れ、あそび、非行は9,651人、15.9%
  • いじめを除く友人関係をめぐる問題は5,576人、9.2%
  • 入学、転編入学、進級時の不適応は5,070人、8.4%
  • その他の理由は4,858人、8.0%

出典:文部科学省-令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

上位の理由は、小・中学校とほとんど同じですが、高等学校においては「生活リズムの乱れ、あそび、非行」による要因がやや増加し、親子関係による要因が少ない傾向が見られます。
その他の理由が8%あることから、その生徒によって様々な要因があることも考えられますが、本人も理由が分からない場合もあります。
高等学校は義務教育ではないため、不登校から中退・転校する場合やフリースクールに通うなど、生徒や保護者の意向により様々な選択がされています。

不登校への対応

誰もいない教室
不登校の現状は、小・中学校ならびに高等学校で過去最多を記録する状況であることが分かりましたが、文部科学省としては「再び登校する」ことが目標ではなく、「社会的自立」を目指す考えがベースにあります。
それらを踏まえて子供達に対してどのように対応していけばいいのか、持つべき視点や対応法を分かりやすくご紹介します。

5つの視点で対応する

生徒と向き合う上で、課題や解決目標、支援方法などを関係者がしっかり認識することで、より効果的に不登校に取り組むことができます。
不登校への対応として、文部科学省は以下5つの視点を持って取り組むよう勧めています。

1.将来の社会的自立に向けた支援の視点
生徒の「社会的自立」が不登校解決の目標となりますが、不登校は「心の問題」や「進路の問題」であるとの認識を持ちます。
今後の進路の助けとなる学習支援や情報提供、心のケアなどを積極的に行うことが必要です。

2.連携ネットワークによる支援
生徒は様々な問題や悩みを抱えており、状況に応じた細やかな支援が大切です。
そのためには、生徒の状況や必要な支援を見極め、適切な支援と多様な学びの場を設け、学校・家庭・地域で密に連携していくことが必要です。
また、社会的自立に向けた進路の選択肢を広げる支援は特に重要であり、教育行政機関や民間施設、NPO等との積極的な協力・連携を取ります。

3.将来の社会的自立のための学校教育の意義・役割
義務教育における学校では、社会性を育て、生涯で学び続けるための学力を育てるための学習支援の場として、大切な意義と役割があります。
学校教育を充実し、学校生活に関わる問題の解消のために、学校や教職員の最大限の努力が必要です。

4.働きかけることや関わりを持つことの重要性
生徒の主体的な社会的自立や学校復帰に向けて、周囲が関りを持って状況を見極め、必要な働きかけを行います。
一人一人の生徒の状況を理解しようとすることなく、必要な支援をただ待つだけでは状況の改善にはならないことを認識します。

5.保護者の役割と家庭への支援
保護者の対応は重要であり、その役割を果たせるよう、家庭や子どもへ必要なタイミングで適切な働きかけを行う等、学校・家庭・関係機関との連携は必要不可欠です。
保護者への働きかけの中で、保護者を追い詰めてしまうこと等がないよう、保護者と共通意識を持って対応します。
また、保護者を支援するための気軽な相談窓口や保護者同士のネットワークづくりなどの支援、保護者と学校等が相互に意見交換を行える場も大切です。

出典:文部科学省-不登校への対応にあたって(5つの視点)

家庭での対応は、親だけで抱え込まないこと

不登校に対して5つの視点で向き合うことをご紹介しましたが、子供にとって家庭や保護者の対応は重要なものです。
家庭でできる不登校への対応として、文部科学省が勧めている対策を含めご紹介します。

・学校と十分に連絡をとる
子供が不登校になった場合やその傾向が見られた場合、在籍している学校と連絡をとることが大切です。
特に担任の先生は、生徒の性格や勉学の様子などを把握しているので、クラスの雰囲気や状況を踏まえ、より現実的な話を共有できます。

・専門機関と連携する
親や家庭だけで不登校による課題を抱え込まないよう、必要な専門機関と協力して取り組むことが必要です。
専門の人に相談することで、新たに有効な対策が見つかる等、適切なアドバイスをもらうことができます。
教育委員会では、「教育センター」や「教育相談所」など、生徒に関する教育相談を行うための窓口を設けています。
「教育支援センター(適応指導教室)」では、不登校に関する支援や、不登校生徒に対するカウンセリングや教科指導、体験活動などを行っています。
また、厚生労働省による児童相談所や保健所、精神保健福祉センターなどにおいても相談活動を行っています。
地域によって機関の名称は異なるので、最寄りの市区町村にて確認しましょう。

・子供と十分に対話する
日頃からコミュニケーションがとれていれば、些細な変化にも気付きやすく、子供も心の内を打ち明けやすいですが、仕事が忙しい等の理由で親子の会話が足りていない場合もあるでしょう。
子供との対話は親子の信頼関係につながるので、子供の意見を否定せずに、しっかりと話を受け入れることが大切です。

・安易に登校を催促しない
文部科学省による報告では、登校への促しは状況を悪化させるとの指摘があると同時に、一部の誤った解釈により必要な関わりまでも控えてしまう、との懸念も指摘されています。
子供が不登校となった原因や背景、状況などを把握し、適切に個人に合わせた対応をする姿勢が大切であり、強引な登校の催促や機械的な働きかけは逆効果になってしまい、子供を追い詰めてしまうことがあります。

学校での対応は未然防止も大切

学校での対応としては、未然に防ぐための「不登校とならないための魅力ある学校づくり」、不登校へ向けた「不登校児童生徒に対するきめ細かく柔軟な対応」の大きく2つの対策が挙げられています。

1.不登校とならないための魅力ある学校づくり(未然防止の取組)

  • 生徒が精神的な充実と自身の存在を実感できる「心の居場所」となり、社会性を身に付けるための「絆づくりの場」として魅力ある学校を目指す
  • いじめや暴力行為などの問題行為を許さず、教職員による体罰等の人権を脅かす行為は行わない、安心して通うことができる学校を目指す
  • 学業不振が不登校のきっかけになることがあるため、生徒の理解状況や習熟度に合わせたきめ細やかな指導を充実する
  • 生徒が人間関係を築き、学校における居場所づくりができるよう、学級活動や学校行事などの特別活動を充実する
  • 生徒が自身の生き方や夢、目的意識について考えられるきっかけとなるような体験活動、指導内容などを充実する
  • 中学校になると不登校が大幅に増加するため、小・中学校の連携を進め、オリエンテーション等により入学時の不安を解消する

これらのことを含め、学校は地域の団体やNPOなどと連携し、生徒が社会と関わりを持てるような多様な体験活動等を提供し、学校と社会のつながりが深い開かれた学校づくりを行うことが求められています。
子供達にとっても、学校や家以外の居場所ができることで、友人や家族には言いにくいことを話せる機会になるなどのメリットが挙げられます。

2.不登校児童生徒に対するきめ細かく柔軟な対応(不登校への対応)

  • 生徒に対してきめ細やかな対応が必要となる教員を支援するため、教頭やスクールカウンセラー、相談員などと日頃から連携し、学校全体の指導体制を充実する
  • 教員とスクールカウンセラー等が効果的に連携・協力できるよう、研修等でそれぞれの職務内容を理解する
  • 保護者や関係機関との連携において情報共有できるよう、個別指導記録を作成する
  • 不登校の学習支援や進路指導を行うため、学校内外における学習状況を把握し、その評価を生徒や保護者に積極的に伝える
  • 教職員は生徒に与える自身の影響力を自覚し、正しい判断ができるよう、精神医学等の他分野の基礎知識を身に付け、教職員の資質向上を目指す
  • いじめや教員の不適切な行動などが不登校の原因となっている場合、保護者や生徒の意向を尊重し、クラス替えや転校などを柔軟に対応する
  • 生徒が学校生活に自発的に適応することができるよう、保健室や相談室などの学校内の居場所を充実し環境を整備する

これらのことに取り組みながら、学校内における連絡調整や情報収集と、学校外の関係機関と連携・協力するためのコーディネーターのような役割を持つ不登校対応の担当を明確に設置する必要があります。

出典:文部科学省-学校における取組

不登校への対策・支援

不登校に対する「家庭での対応」の章では、教育センターや教育相談所、教育支援センター、児童相談所などで不登校に関する相談ができるとお伝えしました。
続いて、不登校への具体的な対策や支援事例をご紹介します。

COCOLOプランで柔軟な学びを

「COCOLOプラン」は、不登校により学びにアクセスできない生徒をゼロにすることを目指した文部科学省による不登校対策です。
小・中・高等学校の不登校が激増し、学校内外の専門機関等で相談や指導を受けられていない小・中学生が4.6万人いることを受け、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現するため、以下3つのことから取り組まれています。

1.不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える
不登校になったとしても、学びたい時に多様な学びにつながることができるよう、生徒のニーズに応じた受け皿を整備します。
具体的には、不登校特例校や校内教育支援センターの設置促進、こども家庭庁やNPOなどと連携した多様な学びの場、居場所の確保などがあります。
※「不登校特例校」とは、一般的な学校より授業時間が少ないなど、柔軟に学ぶことができる小・中・高等学校のこと

2.心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する
不登校を防止するため、「チーム学校」による支援を行い、1人1台の端末を使ってSOSに早期に気付くことができるようにすると同時に、不登校の保護者も支援します。
「チーム学校」は、教師やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどが連携し、一丸となって生徒や保護者への支援を行います。

3.学校の風土の「見える化」を通じて、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする
学校の風土と欠席日数には関連があるとのデータがあり、学校の風土を「見える化」して、学校関係者が共通認識を持ち、安心して学べる場所にするよう取り組みます。
問題行動への毅然とした対応の徹底や学校環境整備、障害や国籍などの違いを受け入れ共生社会を学ぶ場にするなど、柔軟な学びを実現します。
これらの取組の実効性を高めるため、不登校生徒の必要な支援に繋がっているかどうか、学びの状況等を把握し実態調査を行い、エビデンスに基づいた効果的な支援方法を確立します。
そして、教員が子供と接する時間を十分にとれるよう、教職員定数の改善や支援スタッフの配置、学校DXの推進などにより、学校での働き方改革を推進します。

出典:文部科学省-「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)

支援事例

神奈川県相模原市内の小・中学校の不登校対策・対応取り組み事例として、「ひとまず言っておくね」でつながる支援をご紹介します。
児童支援専任教諭と支援教育コーディネーター、青少年教育カウンセラーが気になったことは「ひとまず言っておくね」と言い合える風通しの良い関係の中で情報共有することで、担任教諭をサポートしながら不登校を未然に防止する取組となっています。
毎日生徒と関わることでいつもと違う様子にいち早く気付き、気になる生徒を情報共有、井戸端会議のように対応を相談し合い、役割や見通しを確認して支援を行います。
教職員が共通認識を持って一致した対応で取り組み、見通しを立てながら安心して生徒をサポートできるようになり、生徒・保護者・担任の先生がつながる支援として実践されている事例です。

出典:相模原市立青少年相談センター-不登校対策・対応取り組み事例集

学校以外の選択も視野に

学校以外にも不登校の子供達や保護者を支援する団体があります。
文部科学省は、不登校生徒の社会的自立への支援のため、フリースクールなどの民間施設やNPOなどと積極的に連携し、相互に協力・補完し合うことの意義は大きいとしています。
不登校生徒が学校外の施設で教育等を受けている場合、生徒の努力を評価し支援するため、一定の要件を満たして当該施設で指導等を受けた日数を指導要録上「出席扱い」とすることもできるようになりました。
民間施設における教育等が適切であるかどうか、学校長や教育委員会が連携して判断することとなっており、保護者や学校との間に十分な協力関係があるかどうか、生徒の社会的自立を助ける上で有効かなど、出席扱いとするには要件を満たす必要があります。
フリースクールやNPOなどの支援団体は、それぞれの地域に点在しているので、お近くの施設を探してみるといいでしょう。
全国のフリースクールを繋ぐ「NPO法人フリースクール全国ネットワーク」のホームページでは、不登校やフリースクールの情報を得ることができます。

出典:NPO法人フリースクール全国ネットワーク-ホーム

子供に寄り添い、安心して学べる環境を支援しよう

小・中・高等学校の不登校は急増し、過去最多を記録する現状ですが、勉強の遅れやコミュニケーション機会の減少などにより問題が起こる可能性があり、喫緊の課題となっています。
不登校の原因として半数以上を占めているのは「無気力・不安」であり、特に中学校は不登校生徒数が大幅に多く、思春期や反抗期が重なる多感な時期であることから配慮・注意が必要です。
不登校の解決として、「再び学校に通う」ことが目標ではなく、「社会的自立」を目指すことが基本的な考えとなっており、保護者や学校は共通認識を持って取り組むことが大切です。
また、生徒や保護者、担任の先生が一人で抱え込んでしまわないよう、スクールカウンセラーや教育支援センターなどの専門機関と連携し、地域や民間施設と協力しながら支援していく姿勢を持つといいでしょう。
学校以外の選択肢も増えており、要件を満たせば出席扱いとすることが可能なので、子供の状況等を考慮して、より良い選択をすることができます。
不登校は、子供に特有の問題があるわけでなく、誰にでも起こりうることなので、子供としっかり対話し、安心して学び生活できる環境を整えてあげることが大切です。

<参考文献/参考資料>
出典:文部科学省-児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説
出典:文部科学省-不登校への対応について
出典:文部科学省-「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」

この記事の執筆者
EARTH NOTE編集部
SDGs情報メディア
「SDGsの取り組みを共有し、循環させる」がコンセプトのWEBメディア。SDGsの基礎知識や最新情報、達成に取り組む企業・自治体・学校へのインタビューをお伝えし、私たちにできることを紹介します。
身近なアイデアを循環させて、地球の未来をつなげていきましょう。皆さんと一緒に取り組んでいけたら幸いです。
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