プラントベースのプロテインで環境への負荷を減らし、健康を手に入れよう!

プラントベースのプロテインで環境への負荷を減らし、健康を手に入れよう!

2023.05.15(最終更新日:2023.09.14)
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こんにちは、ライターの石川未夢です。
近年、環境問題の取り組みにより、プラントベースの食品や飲料が注目を集めています。さらに、コロナ明けをきっかけにジム、ヨガ、ピラティスをする人も増え健康や、美のためにプロテイン飲料を飲まれる方も増えています
今回は、デンマークのプラントベースプロテイン飲料メーカーに勤めていた私が紹介するプラントベースのプロテイン飲料の魅力について紹介していきます。

ゼロから知れる食と環境の関係性について。各国の取り組みの特徴

現在、世界中で環境問題に対する取り組みが活発化しています。特に、地球温暖化、大気汚染、水質汚染、土壌劣化などが植物の育成を妨げる原因として問題視されています。こうした問題の一つに、温室効果ガスが挙げられます。2020年11月に発表された米国の科学誌サイエンスの研究論文によると、温室効果ガスの3/1は食料生産に関連しています。家畜から排出される温室効果ガスは世界の温室効果ガスの約14%を占め、全ての乗り物から排出される温室効果ガスの総量に匹敵することが明らかにされました。例えば、牛のゲップから排出される温室効果ガスであるメタンガスが環境汚染の原因の1つであることが分かっています。このため、私たちが普段何気なく食べている動物性の食品が環境汚染につながっていることがわかります。

サステナブル先進国デンマークの食と環境問題の取り組み


環境問題の観点で、各国では食の見直しが広がっており、プラントベース(※1)のプロテインを使用した食品が注目を集めています。また、畜産業に比べて温室効果ガスの排出が少なく、植物性食品の生産によって森林を保護し、生物多様性を守ることが出来るのです。例えば、サステナブル先進国デンマーク(※2)では肉消費量が減少しているのです。OECDが発表したデータによると、2019年のデンマークの肉消費量は1人あたり61.5kgで、EU平均の肉消費量(64.5kg)よりも低い水準となりました。この肉消費量の低下は、デンマーク政府が実施した肉消費の削減政策が大きな影響を与えており、肉消費の削減を目的として、植物性食品の普及促進や肉代替品の開発支援などを行っているのです。
(※1)植物性食品を中心にした食生活のことをプラントベースと指します。
(※2)引用元:Sustainable Development Report(SDSN)。
デンマークは、2019年に世界のSDGsの目標達成国ランキングで加盟国157か国中1位。

日本での食と環境問題の取り組み

日本での食と環境問題の取り組みはどのような対策が取られているのか紹介します。

実は、私たち日本人は他国に比べて肉の消費量が低く、OECDによると1人あたり7.7kgの肉の消費量です。

引用元:OECD-肉の消費

肉の消費量が低い日本ですが、環境問題によって今後起こりうる食糧問題、食糧危機にそなえて、農林水産省が2020年4月にフードテック研究会を設立しました。こちらの研究会では、人工肉や植物性肉など、新しいタイプの食品の開発や、食品ロスの削減、食品の安全性確保のための技術の開発などが取り組んでいます。そのため、最近、コンビニやスーパーでプラントベースの商品を目にする機会が増えました。

プラントベースのプロテイン飲料を紹介。飲む理由や特徴


プラントベースのプロテインとは、肉、魚、卵、乳製品などの動物性の食品を一切使用せず、豆類、ナッツ、種子、大豆製品、グリーンリーフ野菜などの植物性の食品から得られるタンパク質のことを指します。
実は、多くの野菜にも豊富なプロテインが含まれており、野菜を食べるだけでプロテインは自然と摂取することができるのです。また、植物性の食品には、筋肉の修復や成長に必要なアミノ酸、鉄分、亜鉛、ビタミンBなどの栄養素が含まれており、動物性の食品と比較して、脂肪やコレステロールが少なく、繊維質が多いため、心臓病や糖尿病などの病気の予防にもなるのです。さらに環境にもやさしいというメリットがあり、プラントベースの食生活は、肉食を控えたい人や、動物愛護や環境問題に関心がある人々にとって、健康的で持続可能な食生活の選択肢として注目を集めています

今大注目!プラントベースのプロテイン飲料

プラントベースのプロテインを利用した代表的な商品の一つが、プラントベースのプロテイン飲料です。

コロナ明けで、ジムやヨガ、ピラティスなどに通う方も増えています。運動後の栄養補給や、朝食代わりにプロテイン飲料を飲むことで、栄養バランスの良い食生活を維持することができます。また、環境にも配慮した製品であるため、手軽に取り入れることができ、さらに地球環境に貢献することができます。さらに、プラントベースのプロテイン飲料は、豆や大豆製品、ナッツ、グリーンリーフ野菜などの植物性の食品から抽出されたプロテインを配合した飲料で、健康的で栄養価が高いので健康や美容にも良いのです。手頃な値段で購入することができるため、気軽にプラントベース生活をスタートすることが出来ます。

プロテイン飲料を飲む理由


プロテイン飲料を飲む理由は、筋肉量を増やしたい場合や、運動後の筋肉の回復を早めるためです。特に、運動後にプロテイン飲料を飲むことで、筋肉を修復や成長を促進する効果があります。

また、多くは、食事では補うことができない栄養素をプロテイン飲料で補充をする目的ですが、最近は、運動をしていなくても置き換えダイエットでプロテイン飲料を飲む人も増えてきており、プロテイン飲料で置き換えダイエットをしている人がいます。

ホエイプロテイン飲料とプラントベースプロテイン飲料の違い

現在プロテイン飲料には大きく分けて2種類あります。1つ目は、ホエイプロテイン飲料です。2つ目は、プラントベースプロテイン飲料です。

ホエイプロテイン飲料は、乳製品の副産物であるホエイ(乳清)から抽出されたタンパク質を主成分としているため、動物性のタンパク質を含んでおり、身体への吸収スピードが速く疲労回復をするスピードも速いです。

一方、プラントベースプロテイン飲料は、植物性のタンパク質を主成分としており、大豆、アーモンド、ピーナッツ、豆乳などを原材料として使用することが一般的で、身体への吸収スピードはホエイプロテインに比べて遅いですが、効果はあります。また、腹持ちが良く繊維質やビタミン類などの栄養素も含まれているため、健康にも良いとされています。

ますます広がるプラントベースのプロテイン飲料。メリットと注意する点

プラントベースのプロテイン飲料は、植物由来のたんぱく質を含み、肉や乳製品よりも消化吸収が良いとされ、ヴィーガンやアレルギーのある人にも適しています。また、環境に優しく、エシカルな選択肢でもあることから、プラントベースのプロテイン飲料を選択する人も増えています。地球にも自身の身体にも優しく健康的なプラントベースのプロテインなので多くのメリットがありますが、プラントベースのプロテイン飲料を取り入れる際に注意しておく点も踏まえておくと、安心して選択することが出来ます。

アスリートもプラントベースのプロテイン飲料を飲んで世界で戦う時代

ホエイプロテイン飲料に比べてプラントベースのプロテイン飲料は身体への吸収スペードが遅いですが、一定の効果を保っており、アスリート界でも注目を集めています。実は、ヴィーガンやベジタリアンのアスリートも増えて、プラントベースのプロテイン飲料の知名度が広がっています
例えば、オリンピックの陸上競技で金メダルを獲得したモハメド・ファラー選手や、テニスの元世界ランキング1位であるセリーナ・ウィリアムズ選手などが挙げられます。さらに、2020年東京パラリンピックに出場をした元水泳選手の一ノ瀬メイさんもヴィーガンでありながら5つの日本記録保持者です。
このように、アスリート界でも環境問題と向き合ってプロテイン飲料をプラントベースにし世界で戦っている人が多く存在します。プラントベースのプロテイン飲料でも効果があり、環境にやさしいだけでなく健康面にも優しいのが魅力的です。

プラントベースのプロテイン飲料のメリット

プラントベースのプロテイン飲料のメリットは、動物性の食品アレルギーがある人でも安心して摂取することができます
また、繊維質、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれていることで、腹持ちがよく美を意識した人でも手軽に摂取することが出来ます。
さらに、ホエイプロテイン飲料に比べ、脂肪やコレステロールが少ないため、心臓病や糖尿病などの病気の予防になるので、健康面という観点からもメリット尽くしです。
そして、すべての使用製品が一切動物性を使っていないことから、SDGsの観点からも環境にやさしく、プラントベース生活をスタートしたい方や興味がある方でも始めやすいので明日からでもプラントベース生活をスタートさせることが出来ます。

プラントベースのプロテイン飲料で注意するべき3つの観点

メリット尽くしで環境にも優しいプラントベースのプロテイン飲料ですが、始める前に注意をする点があります。

1つ目は、アレルギー項目の確認です。プラントベースの食材でも、アレルギー反応を引き起こす場合があります。例えば、大豆やナッツ類などが含まれている場合は、アレルギーを持つ人にとっては危険です。必ず成分表を確認し、自分のアレルギーに合わせたプラントベースのプロテイン飲料を選択するようにしましょう。

2つ目は、タンパク質含有量が適切であるか確認です。プラントベースのプロテイン飲料には、ホエイプロテイン飲料と比較してタンパク質含有量が低いものがあります。タンパク質を補給する目的でプラントベースのプロテイン飲料を選ぶ場合は、含有量が適切であることを確認するようにしましょう。

3つ目は、過剰摂取に注意することです。置き換えダイエットや健康、美のためにプラントベースのプロテイン飲料を摂りすぎると、過剰摂取になる場合があります。実は、過剰なタンパク質の摂取は、体に負担をかける原因となり、健康に悪影響を与える可能性があるため、適切な量を摂るように心掛けましょう。また、プロテイン飲料だけでなく他の食事も合わせて見直すことが大事です。

プラントベースのプロテイン飲料で地球と身体に優しくなれる。4つのポイント

プラントベースのプロテインで環境への負荷を減らし、健康を手に入れるポイントは4つです。

1.今一度、ご自身の中で食と環境問題について調べてみることです。そして自身の食生活を見直してできることから始めてみましょう。
2.プラントベースのプロテインを取り入れてみることです。普段何気なく食べている野菜などに注目をし、意識を向けることで、偏りなく植物性食品からプロテインを得ることが出来ます。
3.プラントベースのプロテイン飲料で美と健康、そして地球を守ることです。特にコロナ明けでジムやヨガ、ピラティスを始める方も増えています。健康志向が高まる中で、プロテイン飲料を飲み始める方も一定数います。そんな時、気軽に始められるプラントベースのプロテイン飲料からプラントベース生活をスタートしてみてください。
4.プラントベースのプロテイン飲料を飲み始める前に事前に成分などの確認を怠らないことです。憧れのモデルさんやアスリートがプラントベースのプロテイン飲料を飲んでいる影響で取り入れる人もいますが、まずは自分自身の身体に合う成分が入っているのか、アレルギー製品は入っていないかなど事前に確認をしましょう。

また、プラントベースのプロテイン飲料は腹持ちがよく食物繊維も豊富なため置き換えダイエットにも向いていますが、過剰な摂取は悪影響を及ぼします。普段の食生活を見直しつつ、正しい方法でプラントベースのプロテイン飲料を選択肢の一つとしてみてください。

この記事の執筆者
石川未夢(ISHIKAWA MIYU)
2020年1月~2020年12月までサステナナブル先進国デンマークにての食と環境問題について学ぶ。
その後、デンマーク発のプラントベースのプロテイン飲料メーカーにて日本市場拡大に従事。
食と環境問題、SDGsについて興味関心があり実生活でも環境問題を意識した取り組みを実践中。
現在は、日本に帰国しSDGs17のゴールにも提示されている教育分野で学びの拠点つくりを奈良県曽爾村で活動中。
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