万年筆おすすめ8選!初心者向け&安いモデル【文具バイヤー監修】

「万年筆を使ってみたいけど、どれを選べばいいか分からない…。」
「万年筆って高そうなイメージがあるけど、手頃なものはあるの?」
そんな方に向けて、本記事では「初心者でも使いやすく」「手頃な価格」で始められる万年筆を8選ご紹介します。
中には、100円台や数百円で購入できる驚きのコスパモデルもご紹介します。
さらに、文具バイヤーの視点からの選び方のアドバイスも。
「書くこと」がもっと楽しくなる、初めての1本を見つけてみませんか?
目次
失敗しない万年筆の選び方!初心者向けの基礎知識
「どんな万年筆を選べばいいのか分からない…」と悩んでいませんか?
自分にぴったりの1本を見つけるためには、万年筆の基本的な構造や種類を知ることが大切です。
ここでは、初心者が知っておきたい万年筆選びのポイントをわかりやすく解説します。書き心地や使い方の違いを理解すれば、自分に合った万年筆がぐっと選びやすくなりますよ。
ペン先の種類を知ろう

万年筆の書き味を大きく左右するのが「ペン先の太さ」です。細かい文字を書くのが好きな方、大胆に筆記したい方など、自分の筆記スタイルに合った太さを選ぶことで、ぐっと使いやすくなります。
さらに、海外製と日本製では文字文化の違いから好まれる太さも異なります。海外ではアルファベット、日本ではひらがなや漢字を書くことが多いため、海外製は太字、日本製は細字から中字の傾向にあります。
ペン先の種類と特徴を、以下の表にまとめました。
ペン先 | 太さの目安 | 特徴 | 向いている用途 |
---|---|---|---|
EF(極細字) | とても細い | 細かい文字も潰れずに書ける | 手帳・細字が好きな方に |
F(細字) | やや細い | 一般的な日本語筆記に最適 | ノート・日記などに |
M(中字) | 標準的 | なめらかな書き味でバランス良好 | ビジネス文書・手紙などに |
B(太字) | 太め | 筆圧をかけずにインクがしっかり出る | サイン・宛名書きなどに |
BB(極太字) | とても太い | 存在感のある筆記線 | ポスター・目立たせたい文字に |
カリグラフィー用 | 平らなペン先 | 書く角度で線の太さが変わる | 装飾文字・アートに最適 |
インクの供給方式の違い

インクの供給方式は3種類あります。
- カートリッジ式
- コンバーター式
- 吸入式
それぞれに特徴があり、使い勝手やインクの楽しみ方が異なります。
まず、カートリッジ式は初心者におすすめの方式。専用のカートリッジを差し込むだけで使えるため、インク補充がとても簡単です。
次に、コンバーター式は、聞き慣れない方も多いかもしれませんが、インクをためておける小さなタンクのようなパーツ(コンバーター)を装着することで、好きなボトルインクを使える仕組みです。インク選びを楽しみたい方に人気です。
そして、吸入式はクラシックな万年筆に多く見られる方式で、インク瓶からペン先を直接インクに浸して吸い上げます。万年筆らしい所作を楽しみたい方にはぴったりですが、少し慣れが必要かもしれません。
初心者の方には扱いやすいカートリッジ式がおすすめですが、万年筆は「使っていて気分が上がるかどうか」がとても大切。
ボトルインクを吸い上げる少し手間のかかる吸入式やコンバーター式も、慣れてくるとその“手間”が楽しさに変わっていきます。
それぞれの特徴を知ることで、あなたにぴったりの万年筆スタイルがきっと見つかりますよ。
ペン先素材にも注目
万年筆はペン先の素材によって、書き心地や価格帯が変わります。
主なペン先の素材は3つです。
- ステンレス
- ゴールド
- プラスチック
扱いやすいプラスチックのものから、高級志向のゴールドまで。ステンレスは価格と書き心地、耐久性のバランスの良い選択肢ですね。
ゴールドはインクによるさびや腐食に強く、ステンレスよりも柔らかい書き心地です。
ちなみに、書き心地を確認したいときは、漢字の「永」を書くのがおすすめ。永という漢字は、永字八法といって、書において重要なとめ・はね・はらいなどの技法8種がすべて入っています。
キャップ式かノック式か
ボディ構造:ノック式/キャップ式
万年筆には、キャップがあるタイプとないタイプがあります。
キャップがないタイプには、ノック式が採用されており、操作のしやすさが特徴です。
一方、キャップ式の万年筆は、インクの乾燥を防ぐためにキャップが付いています。
ノック式の万年筆は、キャップがなくても乾きにくい構造に工夫されており、メーカー独自の技術が活かされています。
国内メーカーならではの安心感
万年筆には、海外製品も多くあります。ここで注目したいのはアフターサービスです。
文房具でアフターサービス?と疑問になる人も多いのではないでしょうか。一定金額以上の製品で、万年筆修理を行っているメーカーは複数存在します。
万年筆によってはアフターサービスが用意されていることもあるため、気になる方は購入時にチェックしておくと安心です。
文具バイヤーから見る万年筆選びのポイント
諸説はありますが、万年筆は文字通り、手入れをすれば「万年」使えるという意味があると言われています。
国内メーカーの万年筆はお手入れがしやすく、入手しやすく、使い続けやすい傾向があります。
海外の有名ブランドも魅力ですが、日常的に使用する方なら、国内メーカーの方が手軽に手に入れることができ、メンテナンスも簡単です。
高価な万年筆を使う上では、お手入れは必須といえるでしょう。まずはお手頃な価格の万年筆から試してみることで、その魅力を体験できます。
万年筆は、ペン先の素材だけでなく、軸の太さや重さや、書く人の癖によっても変化します。
さまざまな万年筆を使っていく中で、あなたにとっての運命の一本に出会ってください。
また、万年筆の楽しみのひとつに、「インクを楽しむ」ことがあります。
コンバーター式や吸引式の万年筆では、さまざまな色合いのインクの中からお気に入りを見つける楽しさや、使うノートの色、送る相手、季節や気持ちに合わせてインクを変える楽しさがあります。
のし袋や手紙の宛名書き、バースデーカード、そしてレタリングやカリグラフィなど、万年筆ならではの筆記を、日常の中で気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。
初めての1本におすすめ!手軽に始められる万年筆
「万年筆って高級なイメージがあって手が出しにくい…」「どれを選べばいいのかわからない」
そんな初心者の方に向けて、手軽に始められるおすすめの万年筆をご紹介します。
今回は、初めての1本として多くの人に選ばれている定番&人気の万年筆をチョイス。書きやすさ・価格・デザインのバランスが良く、「まずは試してみたい」という方にもぴったりのモデルです。
プラチナ万年筆 プレピー万年筆

2007年に発売された万年筆「プレピー」は、人気があり、低価格の万年筆のさきがけともいえる製品です。
ステンレス製のペンで、ペン先は摩擦に強い特殊合金を使用。値段以上に本格的な万年筆の書き心地のためまずは試してみたい、という方におすすめの定番の万年筆です。
透明な軸のクリスタルは、充填したインクの色を楽しめるクリアボディが特徴です。
メーカーのプラチナ万年筆は、1919年(大正8年)に万年筆メーカーとして誕生。由緒ある万年筆メーカーが作った低価格万年筆なので、品質も安心。メーカーには、加賀蒔絵作家との数十万円の製品もあり、万年筆の奥深さを実感します。
使うシーンで選ぶ!実用派&個性派の万年筆
ここではデスクに飾ってフロントやインテリアにもぴったりの万年筆と、まるで筆文字の万年筆をご紹介します。どちらも万年筆メーカーが作った長く愛される製品です。
プラチナ万年筆 デスクペン

デスクの置き型の万年筆。ホテルなどのフロントに置いても、家に置いても、万年筆ならではのオリジナルな雰囲気があります。1年間使わなくても、すぐに書き出すことができる特殊なキャップは、たまにの使用でも安心です。
必要に応じて、専用デスクペンスタンドを購入することで万年筆を立てて保存することができます。お家に万年筆が立てかけてあるだけで、デスク周りの雰囲気がぐっと上品になります。書斎におすすめです。
セーラー万年筆 ふでDEまんねん

セーラー万年筆は創業110周年を迎えた老舗筆記具メーカー。日本初の国産万年筆を生み出したメーカーとしても知られています。万年筆好きにはたまらない、工場見学も実施しているなど、万年筆を真摯に作成しているメーカーです。
「ふでDEまんねん」はいわゆる「王道の万年筆」というよりは、王道の万年筆とは異なり、筆文字も書けるユニークな仕様が特徴です。筆の扱いに慣れていない方でも、簡単に筆文字が書けるところがポイントです。
筆文字が書けたら、少しかっこいいですよね。使い方によって筆記の幅が広がる万年筆です。ペン先を立てると細書きに、ペン先を寝かせると太書きに、筆記角度により線の太さを自由に変える事が出来ます。個性派万年筆でありながら、長く愛される製品です。
コスパで選ぶ!プラスチック万年筆「プラマン」
万年筆を探すときに、「プラマン」も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
「高価な万年筆を、もっと手軽に」というテーマで開発されたプラマンは、プラスチックのペン先を使用し、リーズナブルな価格と、独特の優しい書き味を実現。
万年筆が誰でも使えるように、という想いで開発されたプラマンは、万年筆初心者のはじめの1本にもおすすめです。
プラマンを知ることで、万年筆の世界がもっと広がります!
ぺんてる プラマン

万年筆のような書き味を、プラスチック製ペン先で実現した「プラマン」。
「細い棒状のプラスチック」と、それを包み込むように設計された「矢じり型のプラスチック」。
この2つのパーツが組み合わさることで、プラマン特有のしなやかな書き心地を生み出すペン先構造が実現しています。
ボディカラーは「海老茶色」です。ただの茶色ではない、ぺんてるこだわりのカラーに、金属製の「ロングクリップ」と、インキ色を表す「カラーインジケーター」がポイントです。
1979年に発売し、現在でも愛されているプラマンは、2017年にロングライフデザイン賞を受賞しています。
プラマンには、使い切りタイプでお手入れ不要な「プラマン」と詰め替えタイプの「トラディオ プラマン」があります。まずは試してみたいという方はプラマン、気に入ったらトラディオ プラマンにチェンジしてみてはいかがでしょうか。
ぺんてる トラディオ プラマン

プラスチック万年筆「プラマン」の選択肢は1つではありません。
トラディオ プラマンは、プラマンよりも少し大人な印象。黒のボディとシンプルなデザインは、ビジネスシーンにもぴったりです。
丸みのある太めのボディは書きやすく、絶妙なバランスのボディが手になじみます。
ペン先の向きや、力の入れ具合で線の幅にニュアンスをつけられます。
「プラマン」は使い切り万年筆ですが、「トラディオ プラマン」はカートリッジで詰め替えができるので、「文具を長く使いたい」という方にはこちらがおすすめです。
プレゼントで選ぶ!使いやすくておしゃれな万年筆
筆記具にこだわる人や、イラストが好きな人に、万年筆をプレゼントするのもおすすめ。
書き心地や書く時間を楽しむ万年筆は、特別なプレゼントになりますね。
「就職祝い」や「父の日」や「合格祝い」のプレゼントにもおすすめです。
筆記具メーカー「寺西化学工業株式会社」から販売されているギター 万年筆は、手ごろな値段で万年筆の世界観を楽しみたい方におすすめです。
寺西化学 ギター万年筆

万年筆の奥深い魅力に触れたい方にぴったりの一本。
このモデルならではのなめらかな書き心地を堪能できます。
コンバーター式で、しっかりとした本格仕様。
手にすっとなじむ質感と、ちょうどよい重さも特長です。
使う人を選ばない上品でクラシカルなデザインは、長く愛される理由のひとつ。
使うほどに愛着が深まる、そんな魅力が詰まった万年筆です。
手に取りやすい価格ながら、万年筆ならではの上質な書き味をしっかりと楽しめる一本で、贈り物としても喜ばれる、コストパフォーマンスの高いアイテムです。
ギター 万年筆ブリランテ

「ブリランテ」とは、音楽記号のひとつで、イタリア語で華やかに、輝かしく。という意味です。
そんな音楽のように、外見だけでなく内側からも輝きを放つ自分を目指したい方や、輝いていてほしい大切な人へのプレゼントにもおすすめです。
大正浪漫ハイカラインキと組み合わせることで、より楽しみが広がります。
なんと、メーカーの「寺西化学工業株式会社」は大正五年創業。おしゃれなスモーキーカラーが特徴です。ハイカラインキにはビンに吊るすタグを付属し、色見本として保存できます。
イラストを楽しみたい方や、世界観を楽しみたい人におすすめです。
機能性とデザインで選ぶ!個性が光る万年筆
万年筆は書き心地ももちろんのこと、どんな構造になっているんだろう?どんな仕組みで書けるんだろう?という好奇心や構造の点においても魅力的な筆記具です。
そんな、文具の機能性にフォーカスして選ぶ、おすすめの万年筆をご紹介します。
プラチナ万年筆 キュリダス万年筆

確かな品質を誇る“本格派”の万年筆。定番の「センチュリー」シリーズとは異なる新たなアプローチで登場した、プラチナのキャップレス万年筆です。
スムーズなノック式構造に加え、中の構造まで楽しめるクリアボディは、文具好きの心をくすぐるデザイン。
特に“メカっぽさ”を感じさせる精巧なデザインと、“機能美”に惹かれる男性ユーザーからの支持が高く、「上質でありつつ、王道とはひと味違う一本」として注目されています。
お気に入りの万年筆で、日々の筆記を充実しよう
昔は主流だった万年筆は、時代とともにシャープペンやボールペンに置き換わり、ニッチな印象という方も多いのではないでしょうか。ですが、手ごろな価格な万年筆や、お手入れ不要なプラスチックの万年筆も登場しており、万年筆側も時代に合わせてアップデートしています。
この記事を通じて、万年筆の魅力や選び方を知り、「自分に合った万年筆を使ってみたい」「誰かに万年筆をプレゼントしたい」と思っていただけたら嬉しいです。万年筆を通して、手書きの楽しさや筆記の心地よさをぜひ体験してみてください。

YORIDORI
メディア編集部
この記事の執筆者
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